2018年10月2日火曜日

合成関数の微分の公式の分かり易い証明

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(ページ内リンク先)
▽はじめに
▽合成関数の微分の公式の概念
▽合成関数の微分の公式の定義
    ▽合成関数とは
▽合成関数の微分の公式の本質が見えない形の表現の問題
▽合成関数の微分の公式のごまかしが無い証明
  ▽簡単でわかり易い証明
   ▽公式の成立条件
▽合成関数の微分の事例
▽微分可能で無いとき起きる不思議な現象
▽合成関数の微分の公式の本質

(はじめに)
(5)微分の知識の整理

の章に入ります。

 高校生が数学の学習から脱落する:

高校2年生から、極限・微分・積分の「意味がわからない」「つまらない」「教わる計算方法が正しいと言える理由(証明)がわからない」で数学の学習から脱落する高校2年生が多いらしい。
 その脱落の原因は、どうやら、合成関数の微分の公式らしい。

 高校3年の教科書の合成関数の微分の公式の証明が間違っているのと、
 高校2年に微分を教える際に合成関数の微分の公式を教えない教育が1955年ころから続いているのと、
それと、合成関数の微分の公式の表現そのものが、異なる関数を同じ記号で表す混乱があり、また、関数と関数の値とを区別しないことで、学生が覚えたばかり関数の定義を否定するちゃぶ台返しで関数の定義をひっくり返していること等が、
「微分の意味がわからない」原因になっているのではないかと考えます。

 それらの間違いを正すことで、数学の学習から脱落する者を減らすため、 合成関数の微分の公式を高校教科書よりも正確に証明します。
(大学1年生向けの参考書:例えば:「やさしく学べる微分積分」(石村園子) ¥2000円 の証明は間違いが無く、高校2年生が初めて微分積分を勉強するのにも、適切な参考書だと思います)

(合成関数の微分の公式の概念)
以下の関数のグラフの概形を素早く求める方法を考える。

《このグラフの概形》
(1)

x→±∞のとき、このグラフが、
0に収束することが想像できます。
(2)

x座標の正負反転で対称なグラフであることも想像できます。
(3)

x=0のとき、
y=1
になるグラフであることも想像できます。


(4)

x=0でのグラフの傾きを、以下の様にして想像できます。
x→Δxのとき、すなわち、xが0に近いとき:
の値が1からほとんど変わらないと考えられます。
それにより、
x=0でのグラフの傾きΔy/Δxは0であると想像できます。

 ここで、そのようにグラフの傾きが想像できるのは、このグラフの式を媒介する
という関数と、xの大きさを比べると:xが0に近いΔxになるとき、
は0に収束するからです。
このように、「グラフの式を媒介する関数」という概念が考えられます。
 以上の
のような、微分を媒介する関数を考えて微分の計算ができます。この様な、「微分を媒介する関数」の概念を数学的に整理すると、合成関数の微分の公式に導かれます。

【定義】
 合成関数の微分の公式は、以下の式で表現すると、正確、かつ、分かりやすく定義されます。
合成関数の微分の公式は:
(1)その変数の値gに対して、(df/dg)=f’(g)の有限の値の確定した値の微分係数が存在し(微分可能)、
(2)その変数の値xに対して、(dg/dx)=g’(x)の有限の値の確定した値の微分係数が存在する(微分可能)、
という前提条件が成り立っている場合に成り立つ公式です。
そして、その前提条件が成り立つ場合に、合成関数f(g(x))が微分可能であって、それら関数の間にその公式が成り立つ、という公式です。  


合成関数の微分の公式は、以下の様に微分の計算を楽にするときに使う公式です。
(合成関数とは)
 そもそも、「合成関数」とは何なのか、という問題があります。

「微分積分学入門」(横田 壽)の21ページ近くに、合成関数の定義が書いてあります。
(注:横田教授が芝浦工業大学を退官したため、この教科書を無料で掲載するWebページが無くなりました。この本は書店で購入できます。

それ以外に、高校2年生が勉強するのに適切な、書店で購入できる微分積分の参考書は:
「やさしく学べる微分積分」(石村園子) ¥2000円
が内容がわかり易くて良いと思います。

合成関数(composite functions)
 関数どうしのつなぎ方として,
合成法則(composition) とよばれる方法について考えます.
まず, f(x) とg(x)2 つの関数を用意します.
次に任意のx に対して規則g を用いて1 つの実数g(x) を取り出します.
もしこのg(x) が関数f(x) の定義域に入っていれば,
規則f を用いて1 つの実数f(g(x)) を取り出すことができるでしょう.
ところで,この実数f(g(x)) は何なのでしょうか.
もしg(x) の値域がf(x) の定義域に含まれていれば,
g(x) の定義域内の各数x に対して, f(g(x)) を作ることができます.
これはg(x) の定義域内の各数x に対し,ただ1 つの実数f(g(x)) を定める規則と考えられます.
よってこの規則をf とg の合成関数(composite function) といい,
f ◦ g で表わすと(f ◦ g)(x) = f(g(x)) となります.


以下の合成関数の微分の公式:
は、関数f(g)とg(x)があり、その関数の合成関数の、
y=f(g(x))=h(x)
という関数を作った場合に、
変数xのある値xにおいて、変数gの値が定まり、
それらの各変数の値において、
f’(g)=(df/dg)と、
g’(x)=(dg/dx)との積が、
h’(x)=(dh/ dx)になる、
という公式です。
(変数の他の値の場合については、その変数値毎に考察する公式です)

どの関数f(g)とg(x)を使って合成関数を作っても、公式の成立条件が満足されれば、公式が成り立つ、という公式です。

この公式には一定の縛り(成立条件)があります。それは:
(1)その変数の値gに対して、(df(g)/dg)=f’(g)の有限の値の確定した値の微分係数が存在し(微分可能)、
(2)その変数の値xに対して、(dg(x)/dx)=g’(x)の有限の値の確定した値の微分係数が存在する(微分可能)、
であるという前提条件です。

「関数が微分可能(有限の値の確定した値の微分係数が存在する)」
という意味は、
「関数が、その変数のその値に限って、その変数で微分可能であれば良く、その変数のその他の値での関数の微分可能性は関係しない」
という意味です。

(合成関数の微分の公式の本質が見えない形の表現の問題)
(式1):
    
には、以下の問題があります。
(1)右辺のdhの表現には、dhが関数値h=f(g)と表すことができる関数fの関数値の変化量をあらわしているという、公式が対象にする関数fが存在するという大前提の情報が式に含まれていないのが問題です。

右辺の(dh/dg)は、 h=f(g)の関数f(g)をgで微分するという意味です。
(dg/dx)は、 g=g(x)の関数g(x)をxで微分するという意味です。

(2)また、式1の左辺のdhの表現には、dhが、公式が対象にする大前提の合成関数の関数h=f(g(x))=h(x)の変化量を表しているという、公式が対象にする合成関数hが存在するという大前提をあらわす情報が含まれていないこと。
という問題があります。

 そのように、合成関数の微分の公式が個々の関数に係る公式であるという、関数の情報が式1には含まれていないため以下の問題を生じます。
すなわち、この公式で、hx座標平面上の2つのグラフの微分係数を表現しようとすると、
その2つのグラフのどちらの微分係数も、
(dh/dx)という同じ式であらわすしか無いというおかしな事態が生じてしまいます。
式1では、(dh/dx)がその2つのグラフそれぞれのh座標(関数の値)の変化量を表すという情報が顕わには分からないという問題があります。

 このように、変数を変換する前の関数と後の関数を同じ記号hで表す違反があり、また、対象にする関数の情報も含まれていないので、式が分かりにくく、
「意味不明だ」「疑わしい公式だ」と言われるかもしれませんが、、、
関数の出身元(関数値)を見やすくするために、関数の定義の違反を犯ししてでも同じ記号を使う表現を容赦して欲しいと思います。

(しかし、この表現によって、関数が、変数と関数値の間の関係を表すと教わったばかりの学生に対して、合成関数の微分の公式を教えるこの場で、関数が、あたかも関数値で定義されるような、関数について教わった定義を否定するような事を教えることで、合成関数の微分の公式が分からないのと同時に、ちゃぶ台返しによってひっくり返された、関数の定義もわからなくなる、という弊害があるかもしれません。)

 合成関数の微分の公式は、関数の間の関係を表す公式です。そして、合成関数の微分の公式の微分の式で使う全ての変数yやxやその他の媒介変数g同士は、必ず、その変数を他の変数であらわす不変な関数で結ばれているという大前提があります。
その関数はどの式であっても良いですが、計算の途中で変化することが無い、いつも変わらない関係式であることが微分の計算の大前提です。

合成関数の微分の公式が分かるために、以下のように、
ごまかしが無い正しい証明をすることで、合成関数の微分の公式の例外が出る条件がはっきりし、合成関数の微分の公式の意味が分かるようになります。

(証明開始) 
合成関数の微分の公式を以下の式で表すことにします。


(1)先ず、h=f(g)をgの関数と考え、f(g) はgが変化したときにどのくらい変化するか調べるため、f(g)をgで微分する。

f(g)がgで微分可能なら
すなわち、(関数fの関数値の微小な変化量をΔf(g)であらわし、関数fの変数gの微小な変化量をΔgであらわしたときに:
(Δf(g)/Δg)の極限が有限の値になる)なら、
Δf(g)が以下の式に近似できる。
(Δgが0に近づくと正確に成り立ちます)

(注意)ここで、もし変数g の変化Δg が0の場合は、当然にΔf が0になる。その場合でもこの式が成り立つ。

(2)その場合に、変数xの変化にともない変化する合成関数 f(g(x)) の関数値の微小な変化量 Δf(g(x)) に関して、以下の式が成り立つ。


(証明おわり)

(簡単でわかり易い証明)
 「微分積分学入門」(著者:横田 壽)の75ページ近くに、もっと鮮やかな合成関数の微分の公式の証明を見つけました。それは、以下のようにする証明です。
(注意)この証明において、Δh≡Δf(x)という関数を対象にしていて、また、関数のΔg(y)という関数を対象にしていることをしっかり認識して式を計算することが大切です。

(証明開始)下図を参照のこと。
「h ≡ f(g)のgによる微分が存在し(確定した有限値になる)、
g(x)のxによる微分が存在する(確定した有限値になる)」場合:

 (証明おわり)

上図を参照しつつ、以下の様に、ΔxからΔg、次にΔhを見積もることで証明する方法もあります。
(証明開始)

(証明おわり)

(補足1) 
 合成関数の微分の公式は、以下のように式の項を作っている関数のかたまりを微分を仲介する変数にして、その変数で微分して、後で、その関数のかたまりを微分するという計算を可能にします。

(検算)この答えが正しいか否かを、以下のグラフを思い描いて確認してください。

想像したグラフの傾きがマイナスであることと、微分計算結果の式がマイナスになることが一致しているので、この計算結果が正しそうだと確認できました。
(検算おわり)

 合成関数の微分の公式を使うことにより、微分の計算がだいぶ楽になる。合成関数の微分の公式は、微分の計算にとって、生物が必要とする空気のように必要な公式です。

【合成関数の微分の公式の成立条件】
 この合成関数の微分の公式には縛り(成立条件)があります。
それは、
「h ≡ f(g)のgによる微分が存在し(確定した有限値になる)、
g(x)のxによる微分が存在する(確定した有限値になる)」
という前提条件です。

---(定義2.1 「微分積分学入門」(横田 壽)67ページ---
関数f(x) がx0 を含むある区間で定義されているとき,極限値

が(有限な値で)存在するならば,
関数f(x) は, x = x0 微分可能(differentiable) であるといいます.
また,この極限値A を点x0 における微分係数といい,


で表わします.
-----(定義おわり)---------------------------

この、有限の微分係数が(有限な値で)存在する(微分可能)という前提条件は、いわば、
「式を0で割り算する計算をしてはいけない」
という計算の縛りと同じ様な意味を持っています。

 すなわち、「微分可能」という前提条件は、
「0で割り算しない場合に限る」という前提条件 、
言いかえると、
「計算の違反が無い計算に限る」という前提条件、
を加えて微分の式を書くことです。

 そういう「万能の条件」を正しく組み込んで計算するならば、計算の自由度が高くなります。
 『合成関数を構成する2つの関数が何れも「微分可能=微分係数が有限の確定値になる」であるように関数の変数の定義域を定める』という前提条件付きで、パラメータ関数 g(x) や s(x) を自由に選ぶことができます。

その様に計算の自由度を高くするから合成関数の微分の公式が成り立つのだと考えます。

【合成関数の微分の事例】
(事例1)
以下の様に、変数xでの関数 f(x) の微分を、媒介変数tを表す関数g(x)を用いて、関数h(t)と関数t=g(x)とを合成してあらわす場合を考えます。
この関数g(x)は、Xが0より小さい定義域の場合と0より大きい定義域の場合とでは、関数を表す数式が異なる事に注意してください。
(この様に関数は、定義域毎に数式を選んで定義します)
関数 f(x)は、この関数g(x)と以下で示す関数h(t)の合成関数です。
関数 h(t)は、以下のグラフで表せます。
 合成関数の微分の公式を利用して、この合成関数h(g(x))を変数Xで微分する場合に、x=0でt=g(0)=0の場合には、関数h(t)は微分可能ではありません。
そのため、x=0でt=0の場合には、合成関数の微分の公式が適用できません。
それゆえ、x=0でg'(0)=0ですが、そのg'(0)=0がh'(t)に掛け合わされる事は無く、
合成関数の微分の公式で適用可能な条件を満足する場合での微分結果は、いつでも1になります。
(注意)ここで注意すべき点は、x=0で合成関数h(g(x))が微分可能であって、g(x)も微分可能であっても、t=0での関数h(t)が微分可能にはなっていない事です。合成関数の微分の公式は、g(x)が微分可能であって、h(t)が微分可能である、という条件に対して、合成関数f(x)=h(g(x))が微分可能であると言えるという公式なのです。
(事例1おわり) 

【微分可能で無いとき起きる不思議な現象】
  合成関数の微分の公式の意味が分かりましたでしょうか。
 次に、合成関数の微分の公式に関連することとして、以下の2つの注意の事例にあるように、「2つの接するグラフが接点における等しい微分係数を持つ」ことが、グラフの座標変換によって変わってしまう、2つのグラフの接触点での微分係数が等しく無くなることが有り得ます。

 そのようにおかしな事が起きても、それは、合成関数の微分の公式が間違っているわけでは無く、それは微分の本質的な問題であると正しく認識して下さい。
 合成関数の微分の公式が成り立つ範囲では、その様なおかしな事は起きません。そのため、合成関数の微分の公式の適用範囲が、すなわち、おかしな事が起きない、計算の秩序が守られる範囲を定めているとも言えます。

 その現象が起きたとき、合成関数の微分の公式の前提条件である「微分可能」が成り立っていないので、合成関数の微分の公式の適用範囲の外で、そういう不思議な事がおこります。

(注意1)
以下の2つのグラフが、x=0で微分係数が等しいです。

この場合、合成関数の微分の公式によって、これらの関数を他の変数tで微分した微分係数も等しくなるでしょうか。

以下で、この合成関数を詳しくしらべてみます。
xのtによる関数を以下の式で定義してみます。

グラフの関数を変数tであらわす各関数を計算します。




この様に、変なグラフが出てきました。
このグラフが出て来る意味を詳しく理解するために、合成関数の微分の公式を適用して各関数の微分係数を計算してみます。



x=0の場合に、(dx/dt)の値が有限で無いので、

xがtで微分可能ではありません。
そのため、合成関数の微分の公式の適用外になります。
x=0の場合に、合成関数の微分の公式は0に無限大を掛け算する計算になっています。

x=0で、両関数の微分係数が同じであっても、
その場合に合成関数の微分の公式が適用できないので、
x=0で、両関数の微分係数(dy/dt)は、
合成関数の微分の公式は両関数の微分係数が等しくなることを保証しているわけではありません。
(合成関数の微分の公式から受ける印象が私たちを裏切っています) 

一方、x=0で、これらの合成関数は、上図のグラフのようにしっかり定義されていて、x=0においても微分係数が定義できています。
そして、x=0で、両関数の微分係数(dy/dt)が異なっています。

 なお、ある変数の値において公式が適用できない関数を含む場合の合成関数の微分の公式は
公式の適用条件の「各関数の微分可能性」が守られている変数の値の範囲内ならば、その値がどの値の場合においても成り立っています。
例えば、変数xが以下の図の関数で変数tに変換される場合:

この図の関数は、x=1に対応するt=0では微分不能ですが、x=0に対応するt=-1では微分可能ですので、t=-1では、合成関数の微分の公式が成り立っています。
この関数によって、先のXY平面上でx=0の点で接する2つのグラフは、tY平面上に写像したグラフにおいても、グラフが共通の点を持つt=-1の位置において、2つのグラフは同じ微分係数(dy/dt)を持ち、その点で接しています。

(注意2)
以下の曲線と直線が、x=1の点で接しています。

その接点で曲線と直線の微分係数が等しいです。
このグラフの座標系を以下の様に変換していきます。

上図には、2つのグラフそれぞれに対して、dz/dxの式を記載しました。
dz/dxは、各グラフ毎の、zを与える関数(z=f(x)やz=p(x))を変数xで微分することを表しています。
そのため、グラフ毎に異なる2つの式の、dz/dx=f’(x)と、dz/dx=p’(x)の式があります。


ここで、以下のグラフの関数で、変数xを変数tに変換します。


こうして、当初の曲線と直線が、上図の折れ線と直線に変換されました。
この折れ線の折れ点では微分が不可能です。
合成関数の微分の計算では、その点でds/dtが有限な値では無いので、その点では合成関数の微分の公式が適用できません。
そして、折れ線では、折れ点で微分係数が存在しません。
(そもそも、折れ線の左右の微分係数がー1と1という異なる微分係数の値を持っていますので、折れ点では微分係数が定まりません)

折れ点で折れ線とz=0の直線(微分係数dz/dt=0)とが接触していますが、折れ点の微分係数がそれと同じであるとは言えません。

 この例では、当初は接触点において微分係数が等しかった2つのグラフが、座標系を変換して形を変えた2つのグラフに変換すると、その接触点で、微分係数が異なるグラフに変わりました。

(合成関数の微分の公式の本質)
 合成関数の微分の公式の本質は、

が成り立つことにあるのでは無く、以下のことが、本質ではないかと考えます。

(1)上の式の関係は通常は成り立っているものと考えるが、
(2)その式が成り立たない場合があることを、合成関数の微分の公式が示している。
その問題を生じる必要条件は、上式の各微分係数要素(導関数要素と呼ぶ)の中に、微分可能で無いものがあること(有限の値に確定した微分係数を持たない)
(問題を生じない十分条件は、全ての導関数要素が微分可能であること)
であることを、合成関数の微分の公式が教えている、
と考えた方が良いと思います。

例えば、変数xで表される2つの関数y1とy2があって、
変数xのある値x0における、2つの関数y1とy2のxによる微分係数が、

という式であらわされて、等しかったとします。
このとき、他の変数tで微分した場合に、

が成り立つと普通は考えますが、それが成り立つための1つの十分条件は、

という合成関数の微分の公式に記載されたその他の導関数要素であるdx/dtが、x=x0の点において微分可能であることである。

これが、合成関数の微分の公式の本質ではないかと考えます。


なお、種々な証明方法の参考には、
「合成関数の微分の公式の種々の証明」のページを参考にしてください。


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