「微分・積分」の勉強
(6)積分の知識:
「部分積分法」
(「微分積分学入門」著者:横田 壽)に、部分積分法が書いてあります。
3.3 部分積分法(integration by parts)
置換積分法を用いて.かなりの積分が求められるようになりました.しかし,置換積分法でも手に負えないものがあります.
ではどうすればいいのでしょうか.そこで,置換積分を用いても不定積分が求められないとき,最後の手段として用いるものに,部分積分法(integration by parts) があります.
定理3.5 (部分積分法)
f(x), g(x) が連続であるとき,次の式が成り立つ.
この式1が部分積分法の公式です。
(注意)
この式1の形が正確な部分積分の公式ですが、普通は、関数(f・g)の積分定数Cは省略して書かない。しかし、この関数の積分定数Cを省略して計算してはいけない問題もあります。
この式1は、以下の式2の形にして使うことができます。
【例題1】
この積分を計算します。
(解答はじめ)
先ず、以下の媒介変数 f を導入します。
式2の部分積分の計算をします。
こうして、積分ができました。
(解答おわり)
【問題1】
以下の定積分を計算して、
nが奇数の場合の定積分の公式と、nが偶数の場合の定積分の公式を導け。
この定積分の公式の求め方は、ここをクリックした先にあります。
【解が初等関数にならない積分もある】
部分積分しても解が得られない、解が初等関数で表されない積分もあるので注意が必要です。
(不定積分が初等関数で表せる見通しの立て方)
【事例1】
xsin(x)の不定積分を部分積分する場合に、以下の簡易図を書いて、不定積分が初等関数で表わせる見通しを立てます。
xcos(x)という関数が、
(1)三角関数のcos(x)を微分して-sin(x)にして-xsin(x)という項が得られる。
(2)xを微分して定数にしてxが消えてcos(x)という項が得られる。
(3)sin(x)を微分するとcos(x)という項が得られる。
《積分が初等関数で表せる見通し》
(3)が(2)の項を打ち消す事ができる。
そのため、xsin(x)は不定積分が初等関数で表わせます。
【事例2】
以下の図の左側の各関数を微分すると、右側の2つの関数になる。
《積分が初等関数で表せる見通し》
図の左側の関数の組み合わせが、微分関係で互いが生んだ微分で得られる2つの項の1つを打ち消して、
残りの項だけを微分で得ることができる。
《事例2の研究》
という式を作ると、
この式を微分すると、
となり、係数だけが元の式とちがう、単純な関係があることが見えてきます。
しかし高校数学では関数値が複素数になる関数は扱わないので、計算の準備段階において、この単純な関係を反映している以下の関係式を導き出しておいて、その式を積分の計算に利用するのが良いと考えます。
【事例3】
sin(x)/x
は不定積分が初等関数であらわせません。
《積分が初等関数で表わせ無い事を見通す》
図の左側の関数が、微分で得た項の1つを左側の他の関数で打ち消すと、右側の、打ち消すべき微分結果の項が増える。
その項を打ち消すために、更に左側の関数が必要になり、必要な関数が無限に必要になる。
そのため、
(1/x)sin(x)
は不定積分が初等関数で表わせ無い、
という見通しが立てられます。
【事例4】
部分積分の公式の本質を用い、以下の様にして積分の見通しを立てつつ、不定積分しても良いとも思います。
【例題1】は、以下の様にして積分できます。
この積分を計算する。
(解答はじめ)
先ず、以下の図の部分積分見通し図を計算用紙に書く。
log(x)が微分の結果の2つの項のうち1つで出てくる初等関数x(log(x))を考える。
その初等関数を微分して出きるもう1つの項が微分で得られる他の初等関数を考える。
こうして、積分の見通しを立てる。
次に、この部分積分見通し図から、以下の式を得る。
式1が分かれば、直ぐに、式2が分かる。
これにより、式2の右辺の積分が左辺の式で得られる。
(例題1の解答(その2)おわり)
リンク:
高校数学の目次
(6)積分の知識:
「部分積分法」
(「微分積分学入門」著者:横田 壽)に、部分積分法が書いてあります。
3.3 部分積分法(integration by parts)
置換積分法を用いて.かなりの積分が求められるようになりました.しかし,置換積分法でも手に負えないものがあります.
ではどうすればいいのでしょうか.そこで,置換積分を用いても不定積分が求められないとき,最後の手段として用いるものに,部分積分法(integration by parts) があります.
定理3.5 (部分積分法)
f(x), g(x) が連続であるとき,次の式が成り立つ.
この式1が部分積分法の公式です。
(注意)
この式1の形が正確な部分積分の公式ですが、普通は、関数(f・g)の積分定数Cは省略して書かない。しかし、この関数の積分定数Cを省略して計算してはいけない問題もあります。
この式1は、以下の式2の形にして使うことができます。
【例題1】
この積分を計算します。
(解答はじめ)
先ず、以下の媒介変数 f を導入します。
式2の部分積分の計算をします。
こうして、積分ができました。
(解答おわり)
【問題1】
以下の定積分を計算して、
nが奇数の場合の定積分の公式と、nが偶数の場合の定積分の公式を導け。
この定積分の公式の求め方は、ここをクリックした先にあります。
【解が初等関数にならない積分もある】
部分積分しても解が得られない、解が初等関数で表されない積分もあるので注意が必要です。
(不定積分が初等関数で表せる見通しの立て方)
【事例1】
xsin(x)の不定積分を部分積分する場合に、以下の簡易図を書いて、不定積分が初等関数で表わせる見通しを立てます。
xcos(x)という関数が、
(1)三角関数のcos(x)を微分して-sin(x)にして-xsin(x)という項が得られる。
(2)xを微分して定数にしてxが消えてcos(x)という項が得られる。
(3)sin(x)を微分するとcos(x)という項が得られる。
《積分が初等関数で表せる見通し》
(3)が(2)の項を打ち消す事ができる。
そのため、xsin(x)は不定積分が初等関数で表わせます。
【事例2】
以下の図の左側の各関数を微分すると、右側の2つの関数になる。
《積分が初等関数で表せる見通し》
図の左側の関数の組み合わせが、微分関係で互いが生んだ微分で得られる2つの項の1つを打ち消して、
残りの項だけを微分で得ることができる。
《事例2の研究》
という式を作ると、
この式を微分すると、
となり、係数だけが元の式とちがう、単純な関係があることが見えてきます。
しかし高校数学では関数値が複素数になる関数は扱わないので、計算の準備段階において、この単純な関係を反映している以下の関係式を導き出しておいて、その式を積分の計算に利用するのが良いと考えます。
【事例3】
sin(x)/x
は不定積分が初等関数であらわせません。
《積分が初等関数で表わせ無い事を見通す》
図の左側の関数が、微分で得た項の1つを左側の他の関数で打ち消すと、右側の、打ち消すべき微分結果の項が増える。
その項を打ち消すために、更に左側の関数が必要になり、必要な関数が無限に必要になる。
そのため、
(1/x)sin(x)
は不定積分が初等関数で表わせ無い、
という見通しが立てられます。
【事例4】
部分積分の公式の本質を用い、以下の様にして積分の見通しを立てつつ、不定積分しても良いとも思います。
【例題1】は、以下の様にして積分できます。
この積分を計算する。
(解答はじめ)
先ず、以下の図の部分積分見通し図を計算用紙に書く。
log(x)が微分の結果の2つの項のうち1つで出てくる初等関数x(log(x))を考える。
その初等関数を微分して出きるもう1つの項が微分で得られる他の初等関数を考える。
こうして、積分の見通しを立てる。
次に、この部分積分見通し図から、以下の式を得る。
式1が分かれば、直ぐに、式2が分かる。
これにより、式2の右辺の積分が左辺の式で得られる。
(例題1の解答(その2)おわり)
リンク:
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