2011年4月2日土曜日

点Aを通る直線の円への接点をベクトルの内積を利用して解く

佐藤の数学教科書「図形と方程式」編の勉強

【問1】
 座標原点を中心にする半径1の円(x+y=1)に対して、点A( a,a)から引いた2つの接線の円との接点BとCの座標をもとめよ。

上の図で線分OAの長さをaとする。

(予備知識)
受験問題のときは、円と直線の方程式の問題は、図形の方程式をベクトルの式であらわして、図形で考えます。方程式を解いて計算するのは、計算の見通しがあまり良くありません。それに対して、ベクトルを利用した図形の問題を考えることは、計算の見通しを良くするからです。

 しかし、どうしても方程式を使って解くように求められた場合は、以下のようにして解きます。
 ただし、以下の計算では、ベクトルを利用して計算を楽にする計算技術を使います。

(解答)
円の式は、
+y=1 (式1)
また、OAの長さaには、以下の式2が成り立つ。
(1)
円の接線の式を作る。
接点Bの座標をB( b,b)とし、接点Cの座標をC( c,c)する。
接点Bを通る、円の接線の式は、
この接線が点Aを通るため、以下の式がなりたつ。
(2) 
接点Bの座標を円の式(式1)に代入する。
(3) 
式4と式5を連立して接点B( b,b)の座標を求める。

(ベクトルを利用した計算技術を使う)
式4は、下の図のベクトルBとベクトルAの内積です。

上図のように、ベクトルAに平行な単位ベクトルHを考える。単位ベクトルH=ベクトルA/aである。 

式4をベクトルBと単位ベクトルHとの内積の式に書き直す。
単位ベクトルHに垂直な単位ベクトルJを考える。すると単位ベクトルJとベクトルBの内積の式は以下の式になる。
式4と式5を連立するのみでベクトルBの方向を定める場合は、ベクトルBの方向は、単位ベクトルJとベクトルBの内積 t が負になる場合もありえる。
よって、Aを通る接線と円の接点BとCの座標(x,y)は、以下の式であらわせる。

(点Bの座標)単位ベクトルJとベクトルBの内積 t が正の場合:
(点Cの座標)単位ベクトルJとベクトルBの内積 t が負の場合:
(解答おわり)

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3 件のコメント:

  1. 円の接線で直線y=2x-3に平行な直線の方程式の求め方を教えて下さい。早めにお願いします。

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  2. 円の接線で直線y=2x-3に平行な直線の方程式の求め方

    回答が遅くなり、ごめんなさい。

    この直線は、
    3=2x-y
    と変形できます。
    ベクトル(2,-1)とベクトル(x,y)との内積が3になるという意味の式ですから、
    点(x,y)の集合の直線に垂直なべクトルは(2,-1)です。
    このベクトル(2,-1)と円x^2+y^2=3^2との交点Pを求めて、
    その交点を通る、ベクトル(2,-1)に垂直な直線が求める直線の式です。
    求める直線の式はy=2x+aの形ですので、
    交点Pを通るようにaを与えれば良いです。

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