【問1】
以下の関数f(x)が全ての実数xで恒等的に0になる事を証明せよ。
g(x)=0, (x≠0)
g(x)=100, (x=0)
とした場合の
f(x)=xg(x),
について:
f(x)=0,
この式は恒等式であるか。
【証明】
(A) x=0 の場合:
f(x)=(0・100)=0,
(B) x≠0 の場合:
f(x)=(x・0)=0,
(C)
ゆえに、全ての実数xで
f(x)=0,
f(x)=0は恒等的に成り立つ恒等式である。
(証明おわり)
【問2】
問1の恒等式 f(x)=0 をxで割り算した式は恒等式になるか。
【解答】
f(x)=0,
f(x)=xg(x)=0,
(A) x≠0 の場合:
式 f(x)=0 をxで割り算でき、
g(x)=0,
になる。
この式は成り立つ。
(B) x=0 の場合:
式 f(x)=0 をxで割り算した式はg(x)になり、g(x)はx=0でg(0)=100≠0である。よって、
恒等式 f(x)=0 をxで割り算した式は、恒等式にならない。
すなわち:
xg(x)=0,
は恒等式であるが、
g(x)=0,
は、x=0の場合には成り立たたず、恒等式ではない。
(解答おわり)
【恒等式を因数xで割り算した式が恒等式になる場合】
恒等式:
xg(x)=0,
がある場合に、
その恒等式を共通因数xで割り算すると、
g(x)=0,
が得られる。
もし、この式g(x)がx=0の点で連続であるならば、この式は恒等式になる。
(証明開始)
x≠0の場合、
xg(x)=0,
の両辺をxで割り算して、
g(x)=0,
が得られる。
一方g(x)がx=0の点で連続であれば、
x→0のg(x)の極限値がg(0)に等しい。
また、xg(x)が恒等式であるので、x≠0でg(x)=0。
そのため、x→0でのg(x)の値は、いつもg(x)=0である。
ゆえに、x→0でのg(x)の極限値は0である。
g(x)がx=0で連続であるので、g(0)=0,
である。
ゆえに、
xの全ての値において、
g(x)=0,
すなわち、この式は恒等式である。
(証明おわり)
(補足)
g(x)が整式(単項式や多項式)の場合には、g(x)は連続関数です。
sin(x)やcos(x)も連続関数です。
リンク:
恒等式の定義
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以下の問題で言う連続関数とは、1つながりに連続な関数の事を意味するものとする。
【問1】
x≠0のときF(x)が微分可能であって、
F '(x)=0, (1)
が成り立つものとする。
x=0の点でF(x)が連続とは限らないとき、
F(x)を求めよ。
【問2】
f(x)が連続関数である場合で、
f(x)は微分可能とは限らないとき、
を満足するf(x)を求めよ。
【問3】
関数f(x)が、関数値が無限大には発散しない関数である場合で、
f(x)は連続関数とは限らないとき、
を満足するf(x)を求めよ。
【問4】
f(x)が連続関数である場合で、
f(x)は微分可能であるとは限らないとき、
を満足する関数f(x)を求めよ。
【問5】
関数f(x)が連続関数である場合で、
f(x)は微分可能とは限らないとき、
を満足するf(x)を求めよ。
【問6】
関数f(x)が連続関数であり、かつ、微分可能なとき、
を満足するf(x)を求めよ。
この問題の解答はここをクリックした先にある。
リンク:
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三角形をずれ変形させて面積を求めた様に、立体もずれ変形させて体積を求めることができる。
上図のように頂点の1つが原点Oにあり、他の3頂点が、A,B,Cである三角錐OABCの体積Vを求める。
以下の図の様に、図形のX座標を、Y座標に比例させて変化させる「ずれ変形」をさせる。このずれ変形によって、図形は歪むが、各部分の体積は変わらない。
この変形により、以下の様に図形がX方向に歪んで:
以下の図形に変わる。
更に、以下の図の様に、図形のZ座標を、X座標に比例させて変化させる「ずれ変形」をさせる。
この変形により、立体がZ方向に歪んで、以下の図形に変わる。
この変形した三角錘OABCの体積Vは、以下の式で計算できる。
(計算おわり)
(補足)
なお、以上の計算で、図形のずれ変形操作は、横にしたベクトルAとBとCを縦に並べて、それらのベクトルのx座標の列を定数数倍して、y座標の列やz座標の列に加える操作であるとわかりました。
そのずれ変形操作によっては、それらのベクトルの張る立体の体積が変わりません。
また、一方で、ベクトルAを、定数倍にして他のベクトルBやベクトルCに加える操作も行えます。その操作は、立体図形OABCの点Bや点CをベクトルAに平行に移動させる操作になります。その操作でも、ベクトルの張る立体の体積が変わりません。
結局、
(1) 横にしたベクトルAとBとCを縦に並べた数字の行列を作る。
(2)その行列の縦の列を定数倍して他の列に足し算しても、ベクトルの張る立体図形の体積が変わらない。
(3)また、行列の横の行を定数倍して他の行に足し算しても、ベクトルの張る立体図形の体積が変わらない。
(結論)
これらの(2)や(3)の操作を繰り返して、ベクトルA,B,Cを計算に都合の良いベクトルに変形できます。そうして、立体の体積を計算する事ができます。
この事は大学に入学した後で線形代数で学びます。
リンク:
三角形をずれ変形させて面積を求める
三角形の面積をベクトルで分解して計算する
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上図のように頂点の1つが原点Oにあり、他の2頂点が、A(a1,a2)とB(b1,b2)である三角形OABの面積Sを求める。
以下の図の様に、図形のY座標をX座標に比例させて変化させる「ずれ変形」をさせる。このずれ変形によって、図形は歪むが、各部分の面積は変わらない。
この変形により、以下の図形に変形される。
この変形した三角形A’B'Oの面積Sは、以下の式で計算できる。
(補足)
なお、以上の計算で、図形のずれ変形操作は、横にしたベクトルAとBを縦に並べて、それらのベクトルのx座標の列を定数数倍して、y座標の列に加える操作であるとわかりました。
そのずれ変形操作によっては、それらのベクトルの張る三角形の面積が変わりません。
また、一方で、ベクトルAを、定数倍にしてベクトルBに加える操作も行えます。その操作は、三角形OABのベクトルBの点BをベクトルAに平行に移動させる操作になります。その操作でも、ベクトルの張る三角形の面積が変わりません。
結局、
(1) 横にしたベクトルAとBを縦に並べた数字の行列を作る。
(2)その行列の縦の列を定数倍して他の列に足し算しても、ベクトルの張る三角形の面積が変わらない。
(3)また、行列の横の行を定数倍して他の行に足し算しても、ベクトルの張る三角形の面積が変わらない。
リンク:
三角形の面積をベクトルで分解して計算する
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