2017年1月6日金曜日

両表コインの条件付き確率の例題2

【例題】
 箱の中には,両面表のコイン,両面裏のコインそして普通のコインの計3枚が入っ ている。
ここからコインを1枚取り出してフリップしたら表が出た。
このコインが両面表の コインである確率はいくらか?


【解答】
 この基本樹形図を使うことで、 
コインが両面表コインである条件付き確率は、2/3である。
(解答おわり)

【別解】
 コインの表が開かれる結果だけの、部分的樹形図を使うことで、
コインが両面表コインである条件付き確率は、2/3である。
(解答おわり)

(補足)
 部分的樹形図を使う場合も、起こりえる全ての場合を漏らさないよう、間違えないよう、注意しましょう。

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2017年1月5日木曜日

条件付き確率とは

《条件付き確率とは》
 事象Aと事象Bが独立していない、事象Bの起き方が事象Aが起きることに影響される場合は、
事象Aが起き、かつ、事象Bが起きる確率は以下の式であらわせる。
Aかつ Bの確率=
=(Aが起きる確率)×(Aが起きた場合においてBが起きる確率)
=P(A)×PA(B),
とあらわす。

PA(B) は、{Aが起きたという条件を前提条件にして、その条件が成り立つ場合において、Bが起きる確率、という条件付き確率}
をあらわす。
 条件付き確率とは、発生し得る全事象のうち、一部の事象の集合に事象の範囲を制限した場合の、その事象の集合の範囲内での所定の事象の発生確率が「条件付き確率」である。

 その事象の集合の範囲を規定する条件が、条件付き確率における「条件」である。

 「サイコロの目が4以上であった場合において」~といった問題における「サイコロの目が4以上」が条件です。

 「サイコロの目が、4以上であると言える5の目が出た場合において」~といった問題においては、定まった条件「サイコロの目が5」こそが条件です。

 ここで、以下の用語の定義をハッキリさせておく。
「事象の排反」は,
「ある試行において、一方の事象が起こったときに
他方の事象は決して起こらない」ことである。

「試行の独立」は,
「2 つの試行が互いに影響を及ぼさない」ことであり,
「ある試行が他の試行とお互い影響しない」
ということである。

これに対して
「事象の独立」は、
「試行の結果として,起こりうる事象が、お互いの起こり方が他方に影響を与えない」ということであり,
「どちらも起こっている」ことが前提になっている。

(補足)
 事象の発生頻度を規定する条件(例えば正解を知っている司会者が好んで不正解を選択することで、不正解が選択される確率を上げるといった条件)は、事象の集合の範囲を制限する「条件」とは異なります。

 条件付き確率は、以下の樹形図で表すと分かりやすい。


ここで、上図の樹形図にあらわした確率の間の関係で、
A∩Bの確率s=a×(s/a)が、確率の乗法定理である。
s/aは上記の式であらわすように、条件付き確率である。

ちなみに、以下の式には注意する必要がある。

直ぐ上の式と直ぐ下の式とが、より正しい式である。


(注意)確率p(A)をn(A)/n(U)で計算するときの全体事象の数n(U)は、同様に確からしいこと(事象の連鎖の枝)の数を数えるので足りる。しかし、全体事象の数n(U)を最小単位である事象の連鎖の糸の数で数えることもできる。そのように全体事象の数n(U)を数える単位がいつも同じであるとは限らないので、注意する必要がある。

 更に言うと、上の式らも、完全に正しい式であるとは言えない。
上の式らで、事象の数の比で計算する確率P(A)の値は必ず有理数になる。
しかし、以下の例のように、確率p(A)の値が無理数になるので、事象の数の比の式では表せない確率P(A)もある。

ビュフォンの針
平面上に間隔dで平行線を引く。長さL(≦d)の針を適当に投げたとき,針が線と交わる確率P(A)の値は、

である。(ここで、πは無理数3.14・・・である)

この確率P(A)は無理数になるので、

という有理数で表す式は、確率P(A)を定義する完全な式では無い。
そのため、条件付き確率をあらわす完全な式は、事象の数n(□)を使わない式である。確率同士の演算によって条件付き確率を表す式が、完全な式である。

(覚える必要が無い公式)
 条件付き確率について、以下の式が成り立つ。しかし、樹形図の方が使いやすいため、以下の条件付き確率の公式は使う必要がない。そのため以下の条件付き確率の公式は覚える必要がない。
Aまたは Bの確率=P(A)+(1-PB(A))P(B)


以上のように、これらの条件付き確率の公式には同じ事をあらわす表現が複数あり、
それが確率の計算を進める効率を悪くする。
そのため、以上の条件付き確率の公式は不便なので使わない。そのため覚えなくて良い。

(事象の独立の様子)
p(A∩B)=p(A)p(B)となる、事象Aと事象Bが独立な場合の樹形図は:
以下の図でs=abとなる場合である。

すなわち:

事象Aと事象Bが互いに独立な場合は以下の式が成り立つ。


【例題1】

 ある夫婦には子供が二人いる。二人のうち少なくとも一人は男の子であるということが分かった。このとき,二人とも男の子である確率を求めよ。ただし,男の子が生まれる確率,女の子が生まれる確率はともに1/2とする。

【解答】
「樹形図の基本ルール」のページのルールに従って、以下の樹形図を書く。

 この樹形図を使うことで、 
2人とも男である場合は、1人が男である場合の3つの内の1つであるので、その条件付き確率=1/3である。
(解答おわり)

【例題2】
 ある夫婦には子供が二人いる。二人のうち年上の方が男の子であるということが分かった。このとき,二人とも男の子である確率を求めよ。ただし,男の子が生まれる確率,女の子が生まれる確率はともに1/2とする。 

【解答】
 この樹形図を使うことで、
2人とも男である場合は、年上の方が男の子である場合の2つの内の1つであるので、その条件付き確率=1/2である。

(解答おわり)

 例題2の問題の場合は、
条件付き確率の問題の「条件」を考える複雑さが何も無く、ある状況(年上の方が男の子である)になっている問題を解くだけの問題になっています。

 そのため、以下の例題3で、後の状況が判明した場合(条件)に対し、最初の状況の確率を求めるという、複雑な条件付き確率の問題を考えます。
【例題3】
 赤玉5個、白玉3個ある袋から一つの玉を取り出し、その玉を戻さずに2回目に他の玉を引くとします。
2回目が赤玉であったとき1回目も赤玉となる条件付き確率を求めよ。

【解答1】

 この樹形図を使うことで、
2回目が赤玉であったとき1回目も赤玉となる条件付き確率は、樹形図の枝の太さの比を以下の式で計算して求められます。

すなわち、その条件付き確率=4/7である。
(解答1おわり)

【(例題3の)解答2】
 樹形図は、事象の連鎖の糸を自由に枝に束ねて、しかも事象の発生順に従う必要も無く、再編成して樹形図を書くことができます。そのため、以下の樹形図を書いてこの問題を解くこともできます。

(この樹形図では、事象の連鎖の糸は、8×7=56本あり、1本の糸の太さは、s/7です)

 この樹形図を使うことで、
2回目が赤玉であったとき1回目も赤玉となる条件付き確率は、樹形図の枝の太さの比を以下の式で計算して求められます。

すなわち、その条件付き確率=4/7である。
(解答2おわり)

【(例題3の)解答3】
 樹形図は、事象の連鎖の糸を自由に枝に束ねて、しかも事象の発生順に従う必要も無く、再編成して樹形図を書くことができます。そのため、以下の樹形図を書いてこの問題を解くこともできます。
 1回目が赤玉である事象を事象Aとし、2回目が赤玉である事象を事象Bとする。

(この樹形図では、事象の連鎖の糸は、8×7=56本あり、1本の糸の太さは、1/56です)
 この樹形図を使うことで、
2回目が赤玉であったとき1回目も赤玉となる条件付き確率は、樹形図の枝の太さの比を以下の式で計算して求められます。

すなわち、その条件付き確率=4/7である。
(解答3おわり)

【例題4】
袋Aには赤玉10個、白玉5個、青玉3個
袋Bには赤玉8個、白玉4個、青玉6個
袋Cには赤玉4個、白玉3個、青玉5個が入っている。
3つの袋から無作為に一つの袋を選び、その袋から玉を一個取り出したところ白玉であった。
その白玉が袋Aから取り出された玉である確率を求めよ。

【解答】
 取り出した玉が白玉になる事象の連鎖を、
(選んだ袋, 出した玉)
であらわす。

事象の連鎖と確率を列記する。

(A,白) 確率=(1/3)(5/18), ①
(B,白) 確率=(1/3)(4/18), ②
(C,白) 確率=(1/3)(3/12), ③

それが袋Aから取り出された玉である確率は、
条件付き確率の問題である
その確率は、以下の図のように全貌を考えて計算する。

その白玉が袋Aから取り出された玉である確率=
={①}/{①+②+③}
={(1/3)(5/18)}/{(1/3)(5/18)+(1/3)(4/18)+(1/3)(3/12)}
={(5/18)}/{(5/18)+(4/18)+(3/12)}
={2(5/36)}/{2(5/36)+2(4/36)+3(3/36)}
={2(5)}/{2(5)+2(4)+3(3)}
=10/{10+8+9}
=10/27
である。
(解答おわり)

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2017年1月4日水曜日

条件付き確率の難問の計算手法

《条件付き確率とは》
 事象Aと事象Bが独立していない、事象Bの起き方が事象Aが起きることに影響される場合は、
事象Aが起き、かつ、事象Bが起きる確率は以下の式であらわせる。
Aかつ Bの確率=
=(Aが起きる確率)×(Aが起きた場合においてBが起きる確率)
=P(A)×PA(B),
とあらわす。

PA(B) は、{Aが起きたという条件を前提条件にして、その条件が成り立つ場合において、Bが起きる確率、という条件付き確率}
をあらわす。
 条件付き確率とは、発生し得る全事象のうち、一部の事象の集合に事象の範囲を制限した場合の、その事象の集合の範囲内での所定の事象の発生確率が「条件付き確率」である。

 その事象の集合の範囲を規定する条件が、条件付き確率における「条件」である。

 「サイコロの目が4以上であった場合において」~といった問題における「サイコロの目が4以上」が条件です。

 「サイコロの目が、4以上であると言える5の目が出た場合において」~といった問題においては、定まった条件「サイコロの目が5」こそが条件です。

 ここで、以下の用語の定義をハッキリさせておく。
「事象の排反」は,
「ある試行において、一方の事象が起こったときに
他方の事象は決して起こらない」ことである。

「試行の独立」は,
「2 つの試行が互いに影響を及ぼさない」ことであり,
「ある試行が他の試行とお互い影響しない」
ということである。

これに対して
「事象の独立」は、
「試行の結果として,起こりうる事象が、お互いの起こり方が他方に影響を与えない」ということであり,
「どちらも起こっている」ことが前提になっている。




直ぐ上の式と直ぐ下の式とが、より正しい式である。


 しかしながら、上の式らも、完全に正しい式であるとは言えない。
上の式らで計算する確率P(A)の値は必ず有理数になる。
しかし、以下の例のように、値が無理数になるのでその式では表せない確率の値P(A)もあるからである。

ビュフォンの針
平面上に間隔dで平行線を引く。長さL(≦d)の針を適当に投げたとき,針が線と交わる確率P(A)の値は、

である。(ここで、πは無理数3.14・・・である)

この確率P(A)は無理数になるので、

という式は、確率P(A)を定義する完全な式では無い。
完全な式は、n(□)を使わない式であり、確率の式同士の演算を表す式が、完全な式である。

(事象の独立の様子)
p(A∩B)=p(A)p(B)となる、事象Aと事象Bが独立な場合の樹形図は:
以下の図でs=abとなる場合である。



【例題1】

 プレーヤーの前に閉まった3つのドアA,B,Cがあって、1つのドアの後ろには景品の新車が、2つのドアの後ろには、はずれを意味するヤギがいる。プレーヤーは新車のドアを当てると新車がもらえるイベントが行なわれた。
 

(場合1)
 当事者プレーヤーが1つのドア(そのドアをドアAと名付ける)を選択した後、選択されたドアAに鍵がかけられた。
そうしたらもう1人のプレーヤーが間違えて、ドアを開こうして、鍵がかかっているドアは開かないので、鍵がかかっていない残りの2つのドアのうちの1つを開けてしまった。そのドアをドアBと名付ける。
(その開かれたドアBが正解であった場合は、このイベントは中止された。)
 ここでは、その開けられたドアBが不正解であった場合を前提条件にし、
その場合における:
(1-1)プレーヤーが最初に選んだ選択ドア(ドアA)が正解である条件付き確率と、
(1-2)開かずに残ったもう1つのドアC(残りドア)が正解である条件付き確率と、
を計算せよ。

(場合2)
 当事者プレーヤーが1つのドアを選択した後、選択されたドアには鍵をかけなかった。
そうしたら他人のプレーヤーが間違えて、ドアを開けてしまった。そのドアをドアBと名付ける。
(その開かれたドアBが正解であった場合は、このイベントは中止された。また、その開かれたドアBが、当事者プレーヤーが選択したドアAであった場合も、このイベントは中止された。)
 ここでは、その開けられたドアBが不正解であった場合を前提条件にし、
その場合における:
(1-1)プレーヤーが最初に選んだ選択ドア(ドアA)が正解である条件付き確率と、
(1-2)開かずに残ったもう1つのドアC(残りドア)が正解である条件付き確率と、
を計算せよ。

【解答】
(樹形図を使う計算手法(公式)の説明)
 以下で、この問題の条件付き確率を計算するのに便利な計算手法(公式)を、この問題に当てはめて使うことで、その計算手法(公式)を説明する。
下図の縦線は、○印で交差する横線の樹形図の枝を束ねた部分的枝をあらわします。
 この問題では、
(1)どのドアが正解ドアであるかという「正解事象グループ」と、
(2)(正解ドアを知らない者が)ドアの正解の当否を確認するためにどのドアを開くかという事象グループと、
は、独立していて、
両者の事象グループの要素の事象の間に依存関係は無く、
それらの要素の事象は全く独立に無作為に発生する。
 そのように、事象グループの関係が独立な場合は、
上の樹形図のように、
(3)「ドアの正解の当否を確認するためにドアBを開く 」という行為に対して、
(4)「正解事象グループ」の事象は、
全くランダムに生じる。
 ここで、ドアBを開いて、それが正解で無い場合の条件付き確率を調べるためには、上の樹形図のように、
(5)単にドアBを開く場合だけを記述した樹形図を作って、条件付き確率を調べて良い。
(6)更に、「正解事象グループ」の要素のうち、イベントが中止になるため、関心の外にある「ドアBが正解」である事象要素を除去して、残りの2つの要素の、「ドアAが正解」「ドアCが正解」だけを記述した樹形図を作って、
条件付き確率を調べても良い。
(手法(公式)の説明おわり) 

(場合1)
 この樹形図を使うことで、
選択ドア(ドアA)が正解である条件付き確率=もう1つのドアC(残りドア)が正解である条件付き確率
=1/2である。

(場合2)
 場合2も、同じこの樹形図を使うことで、
選択ドア(ドアA)が正解である条件付き確率=もう1つのドアC(残りドア)が正解である条件付き確率
=1/2である。
(解答おわり)

【別解】 
(場合1)
下図の縦線は、○印で交差する横線の樹形図の枝を束ねた部分的枝をあらわします。

 この基本樹形図を使うことで、
選択ドア(ドアA)が正解である条件付き確率=もう1つのドアC(残りドア)が正解である条件付き確率
=2/4=1/2である。
(解答おわり) 

(基本樹形図の変換)
 ここで、この基本樹形図は、ドアを無作為に開く事象は、正解ドアがどれであるかの事象と独立である特徴がある。そのため、この基本樹形図は、以下の様に変換することができる。
  先ず、「ドアB」と「ドアC」それぞれのドアの名前を付け変えて事象を記述しても、確率を計算する樹形図の事象間の関係の構成は変化しない。そのため、基本樹形図を、「ドアBを開く」場合1つだけを表示する樹形図に変換して「ドアCを開く」場合を省略しても良い。
 よって、以下の様に変換した樹形図を作って、この樹形図を使ってこの条件付き問題を解くことができる。
 下図の縦線は、○印で交差する横線の樹形図の枝を束ねた部分的枝をあらわします。
 この樹形図を使うことで、選択ドア(ドアA)が正解である条件付き確率=もう1つのドアC(残りドア)が正解である条件付き確率
=1/2である。
(解答おわり) 

(場合2)
 下図の縦線は、○印で交差する横線の樹形図の枝を束ねた部分的枝をあらわします。
 この基本樹形図を使うことで、
選択ドア(ドアA)が正解である条件付き確率=もう1つのドア(残りドア)が正解である条件付き確率
=2/4=1/2である。
(解答おわり) 

(基本樹形図の変換)
 ここで、この基本樹形図は、ドアを無作為に開く事象は、正解ドアがどれであるかの事象と独立である特徴がある。そのため、この基本樹形図は、以下の様に変換することができる。
  先ず、「ドアAを開く」場合は全て、「中止」になるので、関心の対象外なので、基本樹形図から「ドアAを開く」事象を除去した樹形図を書いても良い。
 また、「ドアB」と「ドアC」それぞれのドアの名前を付け変えて事象を記述しても、確率を計算する樹形図の事象間の関係の構成は変化しない。そのため、樹形図を、「ドアBを開く」場合1つだけを表示する樹形図に変換して「ドアCを開く」場合を省略しても良い。
 よって、以下の様に変換した樹形図を作って、この樹形図を使ってこの条件付き問題を解くことができる。
 下図の縦線は、○印で交差する横線の樹形図の枝を束ねた部分的枝をあらわします。
この樹形図を使うことで、
選択ドア(ドアA)が正解である条件付き確率=もう1つのドア(残りドア)が正解である条件付き確率
=1/2である。
(解答おわり)

【公式の成立条件が成り立っていない問題例】
(場合3)
 先の公式は、他の事象と独立な事象グループがある問題の場合に限って使えるものである。
 以下の、「場合3」のように、正解を知っている司会者が間違いをせずに、正解ドアで無いドアを開くという、「正解事象グループ」と、司会者が開くドアの事象との間に独立性が無い問題には、この公式が使えない。

 すなわち、その場合には、ドアを開く事象が無作為では無く、正解ドアがどれであるかに依存する関係があるので、開くドアをドアBのみにすると、事象の依存関係ゆえに「正解事象グループ」の要素が除去されて樹形図の事象の発生のバランスが変えられてしまう。
 そのように事象の発生のバランスを変えた樹形図を使って条件付き確率を計算してはいけない。

(場合3)
 当事者プレーヤーが1つのドア(そのドアをドアAと名付ける)を選択した後、 
プレーヤーが正解のドアを選んでいてもいなくても必ず、正解ドアを知っている司会のモンティが、プレーヤーがドアを選んだ後に、残りのドアのうち必ずヤギがいる1つのハズレのドアを間違えずに開けてヤギを見せた。そのドアをドアBと名付ける。
 その場合に開かずに残ったもう1つのドアC(残りドア)が正解である条件付き確率を計算せよ。

 「場合3」では、以下のように、「正解事象グループ」の要素の事象を全て書き出して、事象の間の依存関係をきちんと盛り込んだ基本樹形図を作って考えなければならない。
(場合3)
 下図の縦線は、○印で交差する横線の樹形図の枝を束ねた部分的枝をあらわします。
残りドアが正解である確率は2/3である。
(解答おわり)
 
場合3のこの基本樹形図は、場合1や場合2のように、「ドアBを開く」場合だけを表示した樹形図に変換して使ってはいけない。
 その理由は、この図では、ドアを開く事象は、正解ドアがどれであるかの事象と依存関係にある(正解ドアは開かない)ためである。
 そのため、ドアを開く事象の中の「ドアBを開く」事象だけを抽出することで、他の、依存関係にある事象とのつながり関係を変えた樹形図に変換してはいけない。

(禁止の理由は「難しいから」)
 この場合3において、ドアを開く事象は、正解ドアがどれであるかの事象と依存関係にある(正解ドアは開かない)ことにより、樹形図の変換が禁止されるのには、論理的根拠はありません。禁止の理由は、「他の事象との依存関係を変えない正しい変換を行なうことが難しい」からです。

 以下で、場合3の基本樹形図を変換してみます。
 正解ドアがAのときに、ドアBを開く場合と、ドアCを開く場合を対等にする。そうすることで、「ドアBを開く」場合1つだけを表示し、「ドアCを開く」場合も代表させて確率を計算する樹形図を作ることができる。
 下図の縦線は、○印で交差する横線の樹形図の枝を束ねた部分的枝をあらわします。
 そのようにドアBとドアCが平等に扱われている事を前提条件にして基本樹形図を以下の樹形図に変換する。
この樹形図で、
ドアAが正解の場合にドアBが開かれる確率は1/2である。
一方、ドアCが正解の場合にドアBが開かれる確率は1である。
 この樹形図から、(ドアBを開いた)条件付きの、ドアCが正解である確率は
である。
(解答おわり) 

(補足)
 この場合3における部分樹形図は、正解ドアがAの場合にドアBを開く場合の枝の太さが、正解ドアがCの場合にドアBを開く場合の枝の太さの半分であるという特徴があります。この特徴が場合1及び場合2と異なります。
 同じドアBを開きそのドアBがハズレという結果が同じなのに、なぜ、場合3の樹形図が場合1及び2の樹形図と異なるのか?
 その理由は、場合3では、ドアBは、ドアCが正解の場合には、必ずドアBを開き、その場合にドアCが開かれることが無いという、正解ドアの存在に依存してドアBの開かれる事象が多くなる事象の偏りがあるためです。

(禁止の理由は「基本樹形図を考えないから」)
 この場合3において、ドアを開く事象は、正解ドアがどれであるかの事象と依存関係にある(正解ドアは開かない)ことにより、基本樹形図を考えずに、いきなり、条件付き確率用の樹形図を作ることが禁止される。

 条件にする事象が、正解事象グループと依存関係にある場合は、基本樹形図から変換する作業をしないで上に書いた樹形図の様な樹形図をいきなり書いてはいけない。
 その理由は、今回も、「正しい樹形図を考えるのが難しいから」です。

 上の樹形図(ドアBを開く事象を条件にする)をいきなり書いて、その樹形図に、正解ドアがAの場合の事象の線の重みの確率p=1/2と、正解ドアがCの場合の事象の線の重みの確率p=1の違いに気付けますか?
という理由です。

 それに対して、場合1や場合2の様に、条件にする事象(ドアBを開く事象)が、正解事象グループと独立な関係にある場合は、(ドアBを開く事象を条件にする)樹形図をいきなり書いて確率計算をしても、正解事象グループの事象の発生のバランスが変えられないので、問題ありません。

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2017年1月2日月曜日

(難問)モンティ・ホール問題

【問0】(難問)
 プレーヤーの前に閉まった3つのドアがあって、1つのドアの後ろには景品の新車が、2つのドアの後ろには、はずれを意味するヤギがいる。プレーヤーは新車のドアを当てると新車がもらえる。
 

(場合1)
 プレーヤーが1つのドアを選択した後、
プレーヤーが正解のドアを選んでいてもいなくても必ず、正解ドアを知っている司会のモンティが、プレーヤーがドアを選んだ後に、残りのドアのうち必ずヤギがいる1つのハズレのドアを間違えずに開けてヤギを見せる。
そして、プレーヤーには必ず、最初にプレーヤーが選んだ1つのドアを、こうして正解を知っているモンティが抽出して残した1つドアに変更してもよいと許可するルールである。
プレーヤーはドアを変更すべきだろうか?
 

(場合2)
 プレーヤーが1つのドアを選択した後、選択されたドアに鍵がかけられた。
そうしたらもう1人のプレーヤーが間違えて、ドアを開こうして、鍵がかかっているドアは開かないので、鍵がかかっていない残りの2つのドアのうちの1つを開けてしまった。
その開けられたドアの後ろにはヤギがいた。

(そういう場合が偶然発生した後の事象を前提にする)
 ここでプレーヤーは、最初に選んだドアを、残っている、1つのドアに変更してもよいと言われた。
(これは、このような突発事故が起きた場合には、プレーヤーが正解のドアを選んでいてもいなくても必ず許可するルールになっていた)
プレーヤーはドアを変更すべきだろうか?

(場合3)

 当事者プレーヤーが1つのドアを選択した後、選択されたドアには鍵をかけなかった。
そうしたら他人のプレーヤーが間違えて、ドアを開けてしまった。そのドアは、たまたま当事者プレーヤーが選んだドア以外のドアだった。
その開けられたドアの後ろにはヤギがいた。

(そういう場合が偶然発生した後の事象を前提にする)
 ここで当事者プレーヤーは、最初に選んだドアを、残っている、選ばれていないドアに変更してもよいと言われた。
(これは、このような突発事故が起きた場合には、プレーヤーが正解のドアを選んでいてもいなくても必ず許可することになっていた)
プレーヤーはドアを変更すべきだろうか?

(1990年9月9日発行、ニュース雑誌 Parade)

【解答方針】
 この問題は、モンティ・ホール問題と呼ばれていて、その解答が誤りだとする大論争が起きた問題です。

 場合1では、司会者の行動は偶然の行為の結果では無く、司会者が、意識的に、まだ選ばれていない残りのドアのハズレの可能性を低くした点に特徴があります。

 この問題は、難しいので、先ず類似の分かり易い問題を解く方が良いと考える。

【分かり易しくした問題1】
 プレーヤーの前に閉まった10のドアがあって、1つのドアの後ろには景品の新車が、9つのドアの後ろには、はずれを意味するヤギがいる。プレーヤーは新車のドアを当てると新車がもらえる。

(場合1)
 プレーヤーが1つのドアを選択した後、
プレーヤーが正解のドアを選んでいてもいなくても必ず、正解ドアを知っている司会のモンティが、プレーヤーがドアを選んだ後に、残りのドアのうち必ずヤギがいる8つのハズレのドアを間違えずに開けてヤギを見せる。
そして、プレーヤーには必ず、最初にプレーヤーが選んだ1つのドアを、こうして正解を知っているモンティが抽出して残した1つドアに変更してもよいと許可するルールである。
プレーヤーはドアを変更すべきだろうか?

(場合2)
 プレーヤーが1つのドアを選択した後、選択されたドアに鍵がかけられた。
そうしたらもう1人のプレーヤーが間違えて、ドアを開こうして、鍵がかかっているドアは開かないので、鍵がかかっていない残りの9つのドアのうちの8つを開けてしまった。
その開けられた8つのドアの後ろには偶然に、全てヤギがいた。

(そういう場合が偶然発生した後の事象を前提にする)
 ここでプレーヤーは、最初に選んだドアを、残っている、1つのドアに変更してもよいと言われた。

(これは、このような突発事故が起きた場合には、プレーヤーが正解のドアを選んでいてもいなくても必ず行なうルールであった。
また、正解ドアが開けられてしまった場合は、このイベントを中止するルールであった。)
プレーヤーはドアを変更すべきだろうか?

(場合3)
 当事者プレーヤーが1つのドアを選択した後、選択されたドアには鍵をかけなかった。
そうしたら他人のプレーヤーが間違えて、8つのドアを開けてしまった。そのドアは、たまたま当事者プレーヤーが選んだドア以外のドアだった。
しかも、偶然に、その開けられた8つのドア全ての後ろにはヤギがいた。
(そういう場合が偶然発生した後の事象を前提にする)
 ここで当事者プレーヤーは、最初に選んだドアを、残っている、選ばれていないドアに変更してもよいと言われた。
(これは、このような突発事故が起きた場合には、プレーヤーが正解のドアを選んでいてもいなくても必ず行なうルールであった。
また、正解ドア又は当事者プレーヤーが選んだドアが開けられてしまった場合は、このイベントを中止するルールであった。)
プレーヤーはドアを変更すべきだろうか?

解答は、ここをクリックした先のページにあります。
 
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2016年12月31日土曜日

最初に戻る確率の入試問題8

【問1】(難問)
「一つのサイコロを振り,出た目が4以下ならばAに1点を与え,5以上ならばBに1点を与える」 
という試行を繰り返す。
(1)AとBの得点差が2になったところでやめて得点の多い方を勝ちとする.n回以下の 試行でAが勝つ確率pnを求めよ。
(1992 一橋大)

解答は、ここをクリックした先のページにあります。

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2016年12月29日木曜日

自然数の数の入試問題7

【問1】
3桁の自然数のうち、5の数字を1回以上用いている奇数の数を求めよ。
(神奈川大・経)

解答はここをクリックした先にあります。
(数え間違いをしないための工夫も書きましたので、問題を解いた後で、参考に解答を見ておいてください)

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模様数と確率分の積を考える確率の入試問題5

【問1】
赤玉3個と白玉7個が入っている袋から無作為に1個を取り出し、 色を確認してから袋に戻す操作を30回繰り返すとき、 赤玉を何回取り出す確率が最も大きいか答えよ。
(2013年 武庫川女子大)

解答は、ここをクリックした先のページにあります。

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2016年12月28日水曜日

模様内模様を考える確率の入試問題6

【問1】(難問)
さいころをn個同時に投げるとき、出た目の数の和がn+3になる確率を求めよ。
(2006年 京都大学)

この問題の解答はここをクリックした先にあります。
(この問題は、できた!と思っても完全な答えでは無いことがありますので、解答を参考にして、注意深く問題を解く心構えを整えてください)

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2016年12月27日火曜日

空試行を考える確率の入試問題4

【問1】(難問)
中の見えない袋の中に同じ大きさの白球3個、赤球2個、黒球1個が入っている。
この袋から1球ずつ球を取り出し、黒球を取り出したときに袋から球を取り出すことをやめる。
ただし、取り出した球はもとに戻さない。
この試行を行なうとき、以下の問いに答えよ。
(1)取り出した球の中に、赤球がちょうど2個含まれる確率を求めよ。

(2006年 大阪府立大)

この問題の解答は、ここをクリックした先のページにあります。

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空試行を考える確率の入試問題3

【問1】
1個のサイコロを振るという試行を繰り返す。
奇数の目が連続して3回出るか偶数の目が通算して4回出たら試行を終了するものとする。
(1)この試行が6回以下で終了する確率を求めよ。
(2)この試行がちょうど7回で終了する確率を求めよ。
(2003年 上武大)


この問題の解答はここをクリックした先のページにあります。

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2016年12月26日月曜日

余事象の確率の入試問題2

【問1】
1つのさいころを投げ続けて、同じ目が2回連続して出たら終了するものとする。
4回目以内(4回目も含む)に終了する確率を求めよ。

(2006年 北大)

この問題の解答はここをクリックした先のページにあります。


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全部の場合を数え上げる確率の入試問題1

【問1】(難問)
箱の中に、1から9までの番号を1つずつ書いた9枚のカードが入っている。
ただし、異なるカードには異なる番号が書かれているものとする。
この箱から2枚のカードを同時に選び、小さいほうの数をXとする。
これらのカードを箱に戻して、
再び2枚のカードを同時に選び、小さいほうの数をYとする。
X=Yである確率を求めよ。
(2011年 京都大)

この問題の解答はここをクリックした先のページにあります。

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2016年12月23日金曜日

先ず正弦定理を試みるべき問題

【問1】(難問)
上の三角形において、図の角度の条件が成り立つD点の位置座標を求めよ。
ただし、点A,B,Cの位置座標を、A(0,0)と、B (1,0)と、C(0,√3)とする。

この問題の解答は、ここをクリックした先のページにあります。

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ベクトルの難問B1を複素数平面で解く問題(1/2)
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2016年12月20日火曜日

三角形の外心の高さの式のベクトルでの証明



大学への数学「ベクトル」編の勉強

【問1】 
 上の三角形において、上のベクトルの内積の式が成り立つことを証明せよ。

(外心Oを原点にしたベクトルを使って解く方法)
①この問題の解答は、ここをクリックした先のページにあります。
②一番簡単な解答は、ここをクリックした先のページに在ります。
(直交ベクトルを利用して導く方法)
③三角形の外心を直交ベクトルを利用して導く解答もあります。

初めから与えられている式を証明する問題は、新しく式を見出す場合とは異なり、問題が易しくなります。


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2016年12月18日日曜日

ベクトルによる円周角の定理の確認



大学への数学「ベクトル」編の勉強

【問】下図のように三角形ABCと外接円の中心Dがある。この三角形の頂点Aが外接円上を移動しても頂角Aの角度が変わらないこと(円周角の定理)を確認せよ。
(注意)円周角の定理の方がベクトル計算の種々の定理の基礎になっていて、ベクトル計算は円周角の定理等の結果と考えます。そのため、ベクトル計算では、円周角の定理を確認できても、証明ではないと考えます。

【一番簡単な確認】
ベクトルの計算で外心の高さが式1で与えられる。
そして、
ベクトルの計算で外接円の半径Rは式2で与えられる。
式1と式2を使うと、


この式3により、頂点Aが移動しても右辺の値が変わらない。これは、式3の左辺に余弦であらわされている角度Aが変わらないことを意味する。
(確認おわり)

(補足)
 この式3の関係は、ベクトルだけを使って式1を導き出し、次に、ベクトルだけを使って式2を導き出したことでようやく導き出された関係です。しかし、式3は、高校1年で円周角の定理を図形で証明する過程で、図形の関係から容易に導き出されます。
 問題を楽に解くという観点では、高校1年での図形の証明による方法が一番楽です。そのため、ベクトルの係わる問題が出題されても、許される限りは、高校1年での図形の証明方法を使うようにしましょう。

【苦労する解き方】
 この円周角の定理を、準備無く解く苦労する解き方をした例を、ここをクリックした先に書きました。

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2016年12月1日木曜日

余弦定理は拡張三平方の定理

【問1】
上図の三角形ABCの長さBD=a1を与える上の式を証明せよ。

この問題の解答は、ここをクリックした先のページにあります。

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3辺が定まった三角形の頂点の足の位置

【問1】
上図の三角形ABCの頂点Aの左右へのずれを計算する上の式が成り立つことを証明せよ。
 
この問題の解答はここをクリックした先のページにあります。

(補足)
この式を使うと頂点Aの足Dで分割された線分BDの長さが計算できる。

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