2018年5月11日金曜日

微分積分学の基本定理

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https://schoolhmath.blogspot.jp/2017/08/blog-post_17.html
(ページ内リンク先)
▽基本定理の概要
▽微分積分学の基本定理の定義
▽基本定理の定義のポイント
▽基本定理の対偶 
▽微分積分学の基本定理の正しい定義 
▽補助定理 
▽基本定理の確認 
▽基本定理の前半の証明
▽基本定理の中段の証明 
▽基本定理の後半の証明 
▽微分と積分の関係 
▽微分積分学の基本定理の拡張 

《基本定理の概要》

【被積分関数の単位】
 被積分関数は、均質な基本的な要素の単位で考える。
 具体的には、被積分関数を、全て、1つながりに連続する関数を単位にして考える。1つながりに連続する関数は正しく定義された連続関数です。その、1つながりに連続する関数を扱うのであれば、積分の計算で誤りに陥る事を防ぐことができます。

(微分型の)《微分積分学の基本定理》
微分型で表現した微分積分学の基本定理は:
連結区間内で1つながりに連続な関数f(x)がある場合:

 が成り立つというものです。
 高校の微分積分の教科書では、この定理が当然に成り立つものとして、証明しないで使っています。
(高校の微分積分の参考書に以下の証明があります)
「駿台受験シリーズ 分野別 受験数学の理論7 微分法・積分法の基礎」
https://math.co.jp/contpgm2/w_main.php?oya_id=2&back_id=14#14
(96ページ途中から)



《補足》(この証明での重要ポイント)
 以上の証明の中で、関数f(x)がx軸上のxの点において連続関数であるという前提条件を使っている。つまり、関数f(x)が連続関数なので、hを十分小さくすれば、f(x+h)がf(x)に近づく、という前提条件を使った。

 この証明の発想の根底に、関数(グラフ)が連続であるという概念が、証明の重要なポイントになっているということに気づくことが大事だ。そこから、連続関数の性質を深く研究する、という数学の研究の焦点が絞られ、その研究の成果が、数学における極限の概念の確立などだろう。
 古典的(基礎的)微分積分学を教える高木貞治の「解析概論」では、連続関数を、「ある区域(区間)内において,変数xが連続的に変動するのに伴って連続的に変動する関数f(x) 」と呼んでいる。関数f(x) が連続的に変動するという意味は、関数が区間で、連続的に定義されているという意味である。すなわち、f(x)=1/x という関数のように、x=ー1からx<0までは関数f(x) が定義されていて、x=0では関数が定義されていない。再びx>0からx=1まで関数f(x) が定義されている。といった、関数が区間[-1,1]で連続的には定義されていない関数は連続関数ではないのである。

 そういう、数学の根底の思想が、大学の微分積分学によって学ぶことができるハズだった。しかし、最近の大学数学では、微分積分の基礎(微分積分学の根底の思想)は高校で学んできたハズ、として、いきなり、現代数学(位相空間論)の微分積分学から教えるようになっているようです。そういう状況なので、古典的な(基礎的な)微分積分の概念は、自力でしっかり学ぶしかないようです。 ここをクリックした先の「連続関数とは何か」のサイトから、微分積分の基礎の概念を学んでください。

 微分積分の高校数学での参考書にも、以上の(駿台の受験シリーズの)参考書のように、数学の発想の礎を作るために良い参考書があった。
一方、高校の微分積分の教科書は偽物で、数学の発想の基礎作りに役立たないと考える。
(補足おわり)


  この式が成り立たない場合などあり得ないのではないか?と考える人もいるかもしれません。
 この式が成り立たない場合というのは、f(x)が積分出来ない場合です。そもそも積分できなければ、微分する以前に、この式が成り立たないことになります。
 また、f(x)が積分して関数F(x)が得られても、関数F(x)が折れ曲がった関数になれば、その折れ曲がり点でF(x)は微分できません。F(x)が微分できなければ、この式が成り立たないことになります。

 「関数 f(x) が連結区間内で1つながりに連続している関数f(x)が積分可能である。その積分結果の関数F(x)が、その連結区間で微分可能である。そうして微分した結果は元の関数f(x)に戻る。」というのが(微分型の)微分積分学の基本定理です。
 そこには、「関数 f(x) が、ある連結区間内で1つながりに連続している」という条件が付いているのです。

ーー【区間の定義】ーー
「区間」という数学用語は、変数xの数直線上の1つの範囲内の、実数のすき間がない1かたまりの数の集合をあらわす数学用語である。
《神奈川大学》【定義 14.2.4.】
 a, b を実数とする. a 以上かつ b 以下の実数をすべて集めた集合を [a, b] と書き, これを閉区 間と呼ぶ.
 a より大きくかつ b 未満の実数をすべて集めた集合を (a, b) と書き, これを開区間と呼ぶ.
----定義おわり----


a≦x≦bを満足するxの区間という表現は、a≦x≦bの範囲内の全ての実数xという意味です。
-∞<x<∞という区間もあります。
区間はxの値の範囲を限定するためのa≦x≦bという式とは意味が異なることに注意する必要があります。
 「区間」という用語は、特に重要な関数である連続関数の連続性を定義するために必要な、連続関数f(x)の変数xの集合体がいつも持っていなければならない連続性という重要な性質が「区間」という概念を用いてあらわされています。
 すなわち、変数xの「区間」の性質で大切なのは、
「区間」のなかに変数xの値が隙間なく存在すること。
つまり所定範囲内での隙間が無い全ての実数の集合という概念が「区間」という用語で定義されています。
 例えば:
f(x)=1/xの定義域を(0,∞) (={x|xは0より大きい実数})
とすれば、f(x)は区間で定義された関数です。
g(x)=1/xの定義域を(-∞,0)∪(0,∞)(={x|xは0でない実数})
とすれば、g(x)は区間で定義された関数ではない。
(f(x)とg(x)は定義域が異なっているため、f(x)とg(x)は同じ関数ではない)

(積分型の)《微分積分学の基本定理》
 先ず、以下の注意をしておきます。
【注意:間違った計算の例】
以下の図の関数F(x)を考える。


F(x)=C2, (x<0)
F(x)=C1, (x>0)
例えば、C1=1,  C2=2, とする。
この関数F(x)を微分して積分してみます。
先ず、微分します。
F'(x)= f(x)=0, (x≠0)
次に、このf(x)を積分します。
 ここで、関数f(x)が、変数xが定義される範囲が、連結区間内の全ての実数であること。その連結区間内の全ての実数の変数xで関数f(x)が定義されていなければ、その関数は(変数xの定義域とセットになっているのが関数です)積分してはいけません。
f(x)=0, (x>0) は積分できます。
f(x)=0, (x<0) も積分できます。
しかし、
f(x)=0, (x≠0) は、x≠0 の範囲でx=0の点ではf(x)が定義されていないので、その点をまたいで積分してはいけません。
 もし、それを無視して無理に積分すると、
∫F'(x)dx=∫0dx=C, x≠0,
という積分になりますが、
その結果の積分定数Cをどのような値に調整しても、それは、元の関数F(x)には決してなりません。
(「元の関数F(x), (x≠0) は、変数xで関数F(x)が定義されるxの範囲が、x=0が除外されていることで、そのxの範囲(定義域)が、連結区間内の全ての実数では無い関数でした。)


 以下で、(積分型の)微分積分学の基本定理を説明します。

(1)関数f(x)を、それが連続する連結区間a≦x≦b

内で定積分(定積分はリーマン積分によって定義されます)することで関数S(x)を求めます。
その関数をxの関数(不定積分)として求めます。
その不定積分は、定積分の計算を実行する苦労をして得た結果を元にして求めます。
(2)一方で、1つながりに連続で、かつ、微分可能な関数F(x)があって、そのF(x)を微分して求めた導関数がf(x)と一致するならば、その関数F(x)がS(x)と一致する。すなわち、S(x)はf(x)の原始関数の1つである。そして、そのF(x)について、
 が成立する。というのが微分積分学の基本定理です。

すなわち、そのF(x)が、苦労して求めるべき不定積分S(x)と一致することが分かりました。

そのF(x)を原始関数と名付け、
その原始関数F(x)を使うことにより計算がとても楽になったので 感動した!
という内容が、(積分型の)微分積分学の基本定理です。

-----【原始関数の正しい定義】---------------
 (原始関数の正しい定義は、1つながりに連続で、かつ、微分可能な関数F(x)をf(x)の原始関数と定義します) 
 すなわち、関数F(x)が、連結区間a<x<bのどの点でも連続、かつ、微分可能な関数であれば、F(x)を微分して導関数f(x)が求められる。この場合に、F(x)を関数f(x)の原始関数と言う。
藤原松三郎の「微分積分学 第1巻」)
 すなわち、原始関数は連結区間における連続関数であり1つながりのグラフであると定義されています。
-------原始関数の定義おわり-----------------

微分可能の定義との関係)あと、微分積分学の基本定理の根底を支えているのが微分可能の定義です。高校数学では、微分可能の定義として、関数が定義される区間の内点(境界点以外の点)が微分可能な場合に右微分係数と左微分係数が一致するとする微分可能の条件しか教えられていません。
 変数xの閉区間(a≦x≦b)で定義された関数f(x)の閉区間の境界点=端点でも、片側微分係数があれば、端点でも微分可能です。
 大学数学では、変数xが閉区間(a≦x≦b)で定義された関数f(x)の区間の端点x=a,bでも、片側微分係数があるだけで微分可能とする微分可能の定義が詳しく教えられます。そのため、大学数学になって初めて、閉区間で定義された関数f(x)にも微分積分学の基本定理が成り立つことが正しく理解できます。


 上図の関数f(x)と、下図の関数F(x)の間では、定義域がx>0での被積分関数のf(x)と不定積分のF(x)との間で微分積分学の基本定理が成り立ちます。ただし、F(x)はx=0の点では微分できないので、x=0を変数xの範囲に含む場合は、F(x)とf(x)の関数の組に微分積分学の基本定理が成り立ちません。



大学数学での定義はそのようなものです。しかし、高校の数学の教科書では、関数f(x)の不定積分S(x)を、f(x)の定積分に基づいて定義しないで、
関数S(x)を微分したらf(x)になった場合、
すなわち、
S’(x)=f(x)
となった場合に、
その原始関数S(x)が不定積分であるとして、
原始関数によって不定積分を定義しています。

そういうふうに定義した「不定積分」
(微分積分学の基本定理が成り立つように不定積分を定義した)
を、微分積分学の基本定理の「不定積分」の定義にすると、
微分積分学の基本定理の意味が不明になります。
教科書の不定積分の定義が微分積分学の基本定理そのものですので、その定義と同じ内容に見える微分積分学の基本定理を説明する意義が有りません。

 しかし、「不定積分」がそのように定義されるという高校数学の微分積分の教科書の記述は嘘です。 
不定積分は、正しくは、リーマン積分によって定義された定積分を基にして、定義されるのです。

教科書の積分の定義が嘘であるため、微分積分学の基本定理の存在意義があります。

 そもそも、積分の概念は、日本の高校の教科書が微分の逆演算で定義しているような狭い貧弱な概念ではありません。積分の概念は、数学の研究対象を微小な部分に分割して研究し、その微小部分を集積した全体にまとめ上げて全体を考えるという、適用範囲が広い概念なのです。

 高校数学の微分・積分の教科書は分かりにくいだけで無く、間違いも含まれています。
連続関数の定義は、1817年にBolzanoが中間値の定理を証明する前提条件に定義した連続関数の定義により、歴史上初めて連続関数が正しく定義された(その定義は関数の連続性を区間で定義するものである)。
高校数学の微分積分の教科書で定義する「連続関数」は1817年にBolzanoが定義した連続関数とは異なる定義である。
その偽物の定義に基づくと、微分積分学の基本定理を理解し難くなると考える。
 日本の大学数学では、1817年にBolzanoが定義した連続関数を、「区間で連続な関数」と呼んでいる。
関数の連続性に係る定理には、必ず「区間で連続な関数」という言葉が使われる。

高校数学の偽物の「連続関数の定義」は読まない方が良いのではないかと考えます。
(注意1)
 ただし、高校数学の数Ⅲの教科書「数学Ⅲ Advanced」(東京書籍)では、1817年にBolzanoが正しく定義した連続関数を、以下のように正しく定義している。
「関数f(x) がある区間Iに属するすべての値xで連続であるとき、f(x) は区間Iで連続である。」
そのように正しい連続関数の定義を教えている高校数学の教科書もあるので、全ての高校数学の教科書がダメというわけでもない。
 高校の微分積分を勉強するなら、先ず、大学生向けの微分積分の参考書を読むことを推薦します。高校2年生が勉強するのに適切な、書店で購入できる微分積分の参考書は:

「やさしく学べる微分積分」(石村園子) ¥2000円
が内容がわかり易くて良いと思います。
この本の36ページから45ページまで読めば、微分の概念から始めて合成関数の微分の公式まで学ぶことができます。

 高校生は、成人に成長する最終段階にいます。自ら研究して数学の独自分野を開拓する高校生もいると思います。高校生は数学の参考書を高校生向けの本に限定するこだわりは捨て、大学生向けの参考書も、自分に合っていると思えばどんどん吸収していく事が望ましいと考えます。

【微分積分学の基本定理の定義】
関数f(x)が、変数xの実数の連結区間a≦x≦b
において連続な関数である場合を考える。
すなわち、その連結区間で1つながりのグラフであるとする。
(1)
x=aにおいてf(x)が連続であるので、関数の連続の定義に従って、
その連結区間内で関数が連続なので、
x→a でのf(x)の片側極限値と、
x=aにおける値f(a)とが等しい。
(2)
x=bにおいてf(x)が連続であるので、
bについても同様な関係がある。
(3)
 また、関数f(x)が定義されている変数xの連結区間で関数f(x)が積分可能である。
そのため、その変数xの連結区間での積分結果の関数F(x)は、その変数xの連結区間で値を持つ。
すなわち、積分結果の不定積分F(x)は被積分関数f(x)と同じ連結区間のxの定義域を持つ。
(4)
連結区間a≦x≦b
の変数xの範囲で定義されている不定積分F(x)を微分する場合に、関数F(x)の境界でも微分可能になり得るように微分の定義が修正されている。

(5)
以上で説明した定義域を持つ関数f(x)に関して、
不定積分F(x)に関して、
連結区間a≦x≦b
の範囲のxに関して以下の関係式が成り立つ。
F’(x)=f(x)
すなわち、不定積分F(x)を微分して得た導関数は、元の連続関数f(x)(その連結区間内で連続な関数f(x))と一致する。
(基本定理の定義:おわり)

《微分積分学の基本定理の定義のポイント》
 この基本定理の定義のポイントは、
関数f(x)は、もとの関数が、以下の図の様に大きな定義域の中で積分できない点がある関数であっても、その関数f(x)が、ある連結区間内で1つながりに連続である場合は、関数の定義域をその連結区間内に狭める。
その様に定義域を狭めた連結区間a≦x≦bを新たな定義域にした新たな関数f(x)を考える。
このように、連結区間a≦x≦bとセットにされて定義されている関数f(x)に関わる定理であるというのが第1のポイントです。

その連結区間の外の領域:
x<aや、b<x
の点で、もとの定義域の関数f(x)が、上図の例の様に無限大になっても良い。
元の関数f(x)が無限大になるという異常な領域を除外した連結区間
a≦x≦b
に限って定義された関数f(x)が定理の対象にする関数である。
その様に、区間を限定する事で、この定理を適用できる元の関数f(x)の選択の自由度を高くしているという特徴があります。 

その様に関数f(x)が連続である連結区間で、f(x)を不定積分して、下図の関数F(x)が得られます。

(注意)上図の関数f(x)は、x=0で不連続ですが、その連続で無い点以外の図の、関数が連続な連結区間内のxで連続です。その連結区間内で、この関数f(x)が連続関数(その連結区間内で関数が連続)であると定義されます。

下図のF(x)は、連結区間a≦x≦bで定義される。
F(x)をこの連結区間で微分すれば、再び、上図の関数f(x)が得られます。

《下図に各種の関数の集合の包含関係をまとめた》

【問題を解く実用性に優れた形で表現した、微分積分学の基本定理】
大学1年生向けの参考書であるが、高校2年生が勉強するのに良い参考書の、「やさしく学べる微分積分」(石村園子) の106ページに書いてある形の、微分積分学の基本定理が、問題を解く役に立つ、実用性に優れています。
(基本定理の定義の開始)
 関数y=f(x)が、
連結区間a≦x≦b
上で連続とする。
(連続関数の定義域は、それが連続な連結区間以上あるということは、いつも意識していて下さい)
 関数f(x)を、それが連続する連結区間a≦x≦b
内で定積分(定積分はリーマン積分によって定義されます)することで
、以下の関数S(x)を求める。

すると、次のことが成り立つ。
(1)S(x)はf(x)の原始関数の1つの不定積分である。
(原始関数は、連結区間で1つながりの連続関数であり、その全区間内で微分可能な関数です。) 
(2)F(x)を、連結区間を定義域とするf(x)の、その連結区間内で1つながりに連続な関数である原始関数の任意の1つとすると、
 が成立する。
(定理の定義おわり)

【微分積分学の基本定理の対偶】
 この定理の意味を理解するために、この定理の対偶を考えて、対偶によって定理を理解するようにします。

(基本定理の対偶(その1)の定義の開始)
とおいたとき、ある値のcとdで
となるならば、
関数y=f(x)は、
連結区間a≦x≦b のどこかで不連続である。
(対偶(その1)の定義おわり)
 この対偶が成り立つだろうかと考えると、f(x)が不連続であっても、S(x)が計算できる(積分可能である)ならば、
とはならず、
この式の左右の辺が等しくなります。
(ここをクリックした先のページを参照)
 その場合には、この式の左右の辺が等しく無いという事にはならないので、
そうなる場合にどうなるかという話自体が意味を失います。
 このことによって、この定理の対偶(その1)が成立し得ると考えたことが、意味の無い事を考える間違いであり、それでは、この定理を正しく理解していなかったことが分かりました。

 再度、この定理を正しく理解したと言える、定理の対偶を考えます。
(基本定理の対偶(その2)の定義の開始)
とおいたとき、ある値のcとdで
という計算をすることができない場合は、
が計算できず、また、関数y=f(x)は、
連結区間a≦x≦b のどこかで不連続である。
(対偶(その2)の定義おわり)

 すなわち、この対偶(その2)は、連続で無い点を含む連結区間では積分できないことがあると言う命題です。
 この命題は意味を持ちます。
 意味のある対偶が考えられたので、対偶の元になった定理も、そのように解釈すべきです。

(基本定理の正しい定義の開始)
 関数y=f(x)が、
連結区間a≦x≦b
上で1つながりに連続とする。

その条件が成り立つならば、必ず、
という不定積分S(x)を計算をすることができる。
そして、次のことが成り立つ。
(1)不定積分S(x)はf(x)の原始関数の1つである。
(原始関数は、連結区間で1つながりの連続関数であり、その全区間内で微分可能な関数です。) 
(2)F(x)を、連結区間を定義域とするf(x)の、その連結区間内で1つながりに連続な関数である原始関数の任意の1つとすると、
 が成立する。
(定理の定義おわり)
  すなわち、基本定理の意味は、その定理の命題が、S(x)の式の積分計算を可能にする十分条件(関数f(x)が連結区間で1つながりに連続である)を述べたものであることがわかります。
 この基本定理の命題が正しいか否かは、連続関数(その連結区間内で関数が1つながりに連続)が、「関数の積分を可能にする十分条件」になるか否かによって決まる。

(注意)
 連結区間で定義された連続な関数f(x)
に対して、
1つの原始関数S(x)が求められた場合に、
その他の全ての原始関数F(x)は、
積分定数Cを用いて、
S(x)+C,
とあらわされる事が、
以下の補助定理を利用して証明できる。

(補助定理)
 ある連結区間内の実数全てのxで定義されていて、
その連結区間の全てで微分可能であり、
F'(x)=f(x)
である、原始関数F(x)があるものとする。
 被積分関数f(x)が、その連結区間においていつでも0である:
f(x)=0
ならば、
その連結区間で、
F(x)=C
である。
(定理おわり)

(証明)
 この補助定理の厳密な証明は、平均値の定理を使って証明します。
 しかし、高校生に有りがちな、平均値の定理を証明しないで(証明を知らないで)使うのは関心しません。そういうやり方は他人任せであり、自分では(平均値の定理の証明も含めた)証明の全貌が把握できず、数学センスに反します。

 ここでは、平均値の定理の証明を知らない読者のために、
平均値の定理を使わない以下の方法で証明します。
(証明開始)
F’(x)=0なので、
微分の定義から、
(F(x+Δ)- F(x))/Δ=0,
(F(x+2Δ)- F(x+Δ))/Δ=0,
ゆえに、F(x+2Δ)=F(x+Δ)=F(x),
この操作を続けると、
F(x)が微分可能なxの連結区間内では、
F(x)の値は一定値であって、
F(x)=C,
とあらわされる。
(証明おわり)

補足:
上の証明で、
F(x+2Δ)=F(x+Δ)=F(x)
とする操作が続けられるのは、
F(x)が微分可能なxの連結区間内に限られ、
F(x)が微分できない点でこの操作が止まる。

よって、
F(x)=C
とあらわせるxの範囲は、
F(x)が微分可能なxの連結区間内、
すなわち、
f(x)が定義されるxの連結区間内
に限られている。


(注意)
 この補助定理のF(x)として、定数では無いカントール関数も、ほとんどの点で微分係数が0なので、使えるのでは無いかと考えるのは誤りです。
なぜならば、カントール関数は、微分不可能な点が無数にあるので、
「その導関数f(x)が連結区間においていつも0である」
という条件が成り立っていないからです。

(補助定理の利用)
この補助定理のF(x)を、
(原始関数F(x)-S(x))
であると考えると、
原始関数F(x)は、
積分定数Cを用いて、
S(x)+C,
とあらわすことができる。

(微分積分学の基本定理の確認その1)
 関数f(x)が、以下の図の様に、連結区間内で1つながりに連続な場合は、その連結区間内で関数f(x)が積分可能である。

(定理の確認その2)
一方、以下の図の様に、関数f(x)が1つながりにならず不連続になる連結区間では、関数f(x)の積分が不可能になる場合がある。
そのため、微分積分学の基本定理が成り立っている、ということがわかります。

【基本定理の証明の前半】
 この微分積分学の基本定理の証明は、「やさしく学べる微分積分」(石村園子)の106ページの証明を読んで欲しい。

 その証明の前半(1)において、
関数y=f(x)が、
連結区間a≦x≦b
上で1つながりに連続とする。
その条件が成り立つならば、必ず、 
という計算をすることができる(f(t)が積分可能である) 。
という命題が正しい事は、以下の様にして証明できる。

(第1の証明)
  この、「微分積分学の基本定理の要である」積分可能性の証明は、以下では証明の概要のみを説明します。完全な証明は、大学で学ぶ微分積分学から学んでください。完全な証明が行えるためのキーワードは、一様連続性です。
(証明の概要の説明開始)
 閉区間で連続な関数は一様連続です(先ず、一様連続性の証明が必要)。すなわち、この関数f(x)をリーマン積分によって、積分区間を均等な微小領域の要素に分割した時に、分割数を多くすると、どの分割部分の微小領域内の関数値のばらつきも、一斉に小さくできる(これを一様連続と言う)。そのため閉区間で連続な関数は、分割数を多くして、一斉に、分割された微小領域内の関数値のバラツキを小さくできるので、積分の値のバラツキを小さくでき、リーマン積分可能です。
 すなわち、リーマン積分で分割数を無限大にした極限で、f(x)の値を集積した値が収束する。
よって、f(x)の値を集積した関数S(x)が計算できる。
(第1の証明おわり)

(極限では無限大に発散する点(その点には接続していないが)に向けて連続している(開区間で)連続な関数は、その開区間の領域をいくら細かな微小領域に分割しても、無限大に発散する点の近傍の微小領域内の関数値のバラツキは大きい(バラツキが無限大)です。分割して作った全ての微小領域内の関数の値のバラツキを一斉に小さくできない(一様連続で無い)関数は、積分可能ではありません。) 

(第2の証明)
 f(x)が連結な閉区間a≦x≦bで1つながりに連続な関数であれば、閉区間で連続な関数の最大値・最小値の定理によって、f(x)の値はある最大値と最小値の間の値に限られている。
 そのように、ある最大値と最小値の間の値に限られている、閉区間で連続な関数f(x)の領域を以下の図の様に2等分する。
(ただし、二等分とは言っても、分割された領域の境界点は、それぞれの領域が共有するように分割する。)
そして、分割された領域毎に、関数の最大値と最小値の差Δを考え、全分割領域での、差Δの最大値Δ2を抽出する。
関数f(x)が連続関数の場合は、その差の最大値Δ2は、分割前の領域での関数の最大値と最小値の差Δ1よりも小さくなる。
更に、各領域を2等分する。
(ただし、二等分とは言っても、分割された領域の境界点は、それぞれの領域が共有するように分割する。)
そして、分割された領域毎に、関数の最大値と最小値の差Δを考え、全分割領域での、差Δの最大値Δ3を抽出する。
関数f(x)が連続関数の場合は、その差の最大値Δ3は、分割前の領域での差の最大値Δ2よりも小さくなる。
更に、各領域を2等分する操作を繰り返し、
差の最大値Δ4、Δ5、Δ6・・・
を求めて行く。
すると、関数f(x)が連続関数の場合は、領域を分割する毎に、全分割領域での差の最大値Δnは無限に小さくなって行く。
(もし関数の最大値と最小値の差Δnが無限に小さくならない点があったならば、その点は連続では無い点である。連続関数f(x)には、そのような点は無い。) 

(一様連続性)
以上の様に、ある関数f(x)の各分割領域を更に2分の1に分割する操作をn回繰り返していき、各分割領域の関数f(x)の最大値と最小値の差(関数の値のばらつき)Δを求める。
(1)そのとき、全ての分割領域での関数の値のばらつきΔの最大値Δnが有限の値で存在すること。
(2)この操作を繰り返して分割領域を無限に小さくすると、
全ての分割領域での関数の値のばらつきの最大値Δnが、無限に小さくなって行く。
(すなわち、全ての分割領域での関数の値のばらつきがΔnより小さく、そのΔnが無限に小さくなっていく)
これが成り立つ関数f(x)の性質を「一様連続」であると言います。
 この説明は、以下の様に定義されている一様連続の言い換えです。
「どんなに小さな正の値εについても、全ての分割領域での関数の値のばらつきがε以下にできる、分割領域の小さな幅δ=(b-a)/(2^n)が存在するとき、その関数は一様連続である。」
(一様連続の説明おわり)

 その様に無限に小さい関数値のばらつきΔnによる、関数f(x)の値の総和(リーマン積分)への影響は無限に小さい。そのため、この関数f(x)はリーマン積分可能である。
(第2の証明おわり)

 これらの証明の様に、「関数f(x)が連結な閉区間a≦x≦bで1つながりに連続な関数であれば、
式S(x)であらわす、リーマン積分で計算する定積分が可能である。」
(微分積分学の基本定理の証明の前半(1)おわり) 

(注意)
 この被積分関数のf(x)として、異常な関数であるカントール関数も、1つながりに連続な連続関数なので、使えます。

【基本定理の中段の証明】(1)
(1)不定積分S(x)はf(x)の原始関数の1つである。
(原始関数は、連結区間で1つながりの連続関数であり、その全区間内で微分可能な関数です。) 
(以上が中段)

(証明開始)
 この不定積分S(x)については、
正の値Δが0に近付く極限において、
S(x+Δ)-S(x)=(f(x+Δ/n)+f(x+2Δ/n)+・・・+f(x+nΔ/n))・(Δ/n)
とあらわせるので、
f(x+Δ/n),f(x+2Δ/n)・・・f(x+nΔ/n)の平均値Mは、
M=(f(x+Δ/n)+f(x+2Δ/n)+・・+f(x+nΔ/n))/n=(S(x+Δ)-S(x))/Δ
とあらわせる。
f(x)が少なくとも区間[x,x+Δ]で1つながりに連続な連続関数ならば、
正の値Δが0に近い極限では、f(x)からf(x+nΔ/n)までの値の全てがほとんど同じ値になる。そして、
f(x+Δ/n),f(x+2Δ/n)・・・f(x+nΔ/n)の平均値Mも、
f(x)とほとんど同じ値になる。
Δ→0の極限で、
(S(x+Δ)-S(x))/Δ=M→f(x)
となる。
同様にして、Δ→0の極限で、
(S(x)-S(x-Δ))/Δ=M→f(x)
となる。

これは、 S(x)の左側微分係数と右側微分係数が等しくf(x)になる事を意味する。
よって、S(x)は微分可能であって、その導関数がf(x)になる。

よって、
S(x)はf(x)の原始関数の1つである。
(中段の証明おわり)

微分積分学の基本定理の後半(2)】
(2)F(x)を、連結区間を定義域とするf(x)の、その連結区間内で1つながりに連続な関数である原始関数の任意の1つとすると、
 が成立する。

 微分積分学の基本定理の後半(2)が成り立つ事は、以下の様にして証明できる。
(証明開始)
 リーマン積分によって、微小領域の要素に分割して集積する積分F(x)の値の、分割数を無限大にする極限の値が計算できる場合は、
すなわち、微小領域の要素を集積する区間を分割して、
その分割した区間毎の要素の集積値の極限値を求める事ができる場合は:
リーマン積分の積分範囲の区間を、2の区間AとBに分割して、
区間Aでの要素の集積値の極限値+区間Bでの要素の集積値の極限値=区間Aと区間Bを合わせた区間での要素の集積値の極限値
になる。
ゆえに、微分積分学の基本定理の証明の後半(2)が成り立つ。
(証明おわり)

「やさしく学べる微分積分」(石村園子)の106ページの形の微分積分学の基本定理を使うと、以下の定理がすぐに導き出せる。
【定理】
連結区間a≦x≦b
の範囲で1つながりに連続な関数f(x)がある場合:

連結区間a<x<b
の範囲で、
f(x)>0
ならば、
連結区間a≦x≦bの範囲で、
f(x)の不定積分F(x)は単調増加である。
(定理の定義おわり)

(証明開始)
関数f(x)が
連結区間a≦x≦b
で連続であるので、
a≦x<x≦b
なるxとxに関して、
微分積分学の基本定理により、

よって、
F(x)は単調増加である。
(証明おわり)


以下の定理があります。
【定理】
連結区間a≦x≦b
の範囲で連続な関数F(x)がある場合:

連結区間a<x<b
の範囲で、
F’(x)≡f(x)>0
ならば、
a≦x≦bの範囲で、
関数F(x)は単調増加である。
(定理の定義おわり)


平均値の定理を使って、この定理を証明しておきます。
(証明開始)
連結区間a≦x≦b
の範囲で連続な関数F(x)が:

連結区間a<x<b
の範囲で微分可能で、
F’(x)=f(x)
の場合、
平均値の定理によって、
a≦x1<x2≦b
なるx1とx2に関して、
(F(x2)-F(x1))/(x2-x1)=f(x)
となるxが、
a≦x1<x<x2≦b
に、少なくとも1つ存在する。
その範囲で、
f(x)>0
なので、
F(x2)>F(x1)
である。
よって、F(x)は単調増加である。
(証明おわり)

《微分と積分の関係》
 なお、全ての種類の関数における、積分前の関数f(x)と、微分前の関数F(x)との、変数xの一部の定義域での微分積分のあり得る関係が以下の図であらわせます。
(なお、F(x)として考えられる関数の、関数が連続な領域内の至るところ微分不可能な関数であるワイエルシュトラス関数等は、連続で無い点を持たないが、微分不可能です。)
(上図で、関数f(x)は、除去可能な連続で無い点を除去した関数です。関数F(x)は、関数F(x)の連続で無い点を除いた変数xの範囲でf(x)の不定積分であるとともに、f(x)の不定積分でもあります)

 上図の、f(x)とF(x)の関数のセットの例:
以下で定義する関数のセットでは、f(x)にx=xで除去不可能な連続で無い点があって、f(x)は不連続な関数(その点で関数が不連続な関数であって、その点以外の領域では関数が連続な連続関数である)です。
 しかし、この連続で無い点を持つ関数f(x)を、その連続で無い点を含む連結区間で定積分することで定義した関数F(x)が、その連続で無い点の位置xでも変数xで微分可能で、F(x)を微分すると再び連続で無い点を持つf(x)が得られます。
(F(x)の定義)
x≠0の場合:
x=0の場合: F(0)=0,

(導関数f(x))
この関数F(x)はx≠0の場合も、x=0の場合も、微分可能で、
その導関数f(x)は、以下の式であらわせます。
x≠0の場合の微分:
になり、xが0に近づくとー1と1の間を振動します。
この導関数が含むcos(1/x)の関数が以下のグラフであらわす形の関数になるからです。
X=0の場合にも、F(x)は微分可能で:
というように、0になります。
そのため、この導関数f(x)は、x=0で連続ではありませんが、F(x)を微分することで得られます。
この導関数f(x)は積分可能であり、積分するとF(x)になります。 

 この関数F(x)はx=0で連続な関数です。

 この様な複雑な関係の中から、比較的に扱い易い連続関数(連結区間内で関数が1つながりに連続)を使って従来の微分積分学の基本定理が定められています。

 また、大学以上の微分積分学では、積分の定義をどんどん拡張して、何でも積分できるようにして、ある関数f(x)を積分して連続で無い点を持つ関数F(x)を得ることができるようにし、その連続で無い点を持つ関数F(x)を微分して関数f(x)を得ることができるように、微分の定義も拡張するというような事も行なわれます。
 そのように微分・積分の定義を拡張する入口に、微分積分の基本定理が置かれています。
 そのため、微分積分学の基本定理の:
という式の意味することは:
この公式の前提条件以外の条件によってこの式と異なる結果が得られるわけでは無く、
この式を成り立たせるように、f(x)とF(x)を対応させる規則である微分と積分とを矛盾が生じ無い様に定義を修正して、この式を成り立たせているのです。

 微分積分学の基本定理の登場により我々に注意が喚起されたメッセージは、
『関数f(x)の積分を計算しようとする場合には、その積分区間における関数の性質(連続である等)を調べなければならない』
というメッセージです。
原始関数を用いて定積分を計算する演算の際に、その定積分の積分区間における関数の性質を調べる事を欠かしてはならない、というメッセージです。

 この大切なメッセージについては、日本の高校の積分の授業では、「積分する区間内の全ての変数値に対して関数値が定義されていなければならない」と教えられているようです。先ず、それは必要です。しかし、それだけでは十分ではありません。

そして、高校で習う、
「原始関数F(x)を使って、以下の計算で定積分する。」
に従って計算すると、以下の例の様に、
複合区間を定義域にする高校数学の誤った原始関数F(x)を使った計算では元の関数のグラフの面積が計算できず、
間違った答えになります。 

以下の様に、関数f(x)の連続で無い点を定積分の連結区間内に入れてしまうと以下の間違いをおかします。
F(x)=1/xをxで微分したらf(x)=-1/xになるので、関数f(x)=-1/xの原始関数がF(x)=1/xであると誤解します。
(原始関数は連結区間で1つながりに連続な関数です)
しかし、積分区間を、f(x)が不連続になる変数値x=0を含めた、xが-1から1までの区間にして、
関数f(x)を定積分しようとして、
複合区間を定義域にする誤った原始関数F(x)を使って、
F(1)-F(-1)=1-(-1)=2
という 計算をすると、明らかに間違えます。
上の図で明らかな様に、-1から1までの範囲でのf(x)の積分の結果は(積分がグラフの面積を表すので)、マイナス無限大にならなければなりません。
しかし、上の計算はそれと全く違う、間違った答えになったのが明らかです。

微分積分学の基本定理によって、 
原始関数F(x)を使って被積分関数f(x)の定積分が計算できる事が完全に保証されているのは、f(x)が、その積分区間で連続なときだけです。
それ以外の場合には、その計算の答えが間違っていることがある、という事を認識しなければなりません。

(複合区間を定義域にする誤った原始関数の差で計算するから間違えるのであって、不定積分(必ず連続関数になる)の差で定積分を計算するならば、間違いは起きません。不定積分(いつも連続関数)の差で定積分を求めたと書く答案が一番正しい答案だと思います。)

また、
という計算で得た関数S(x)は不定積分であって、連結区間内で1つながりに連続な関数です。
実際、a>0の場合には、x>0の範囲の定義域だけの関数
S(x)=1/x, (x>0)
だけが得られます。
a≦b<0の場合には、x<0の範囲の定義域だけの関数
S(x)=1/x, (x<0)
だけが得られます。
a=0の場合には、s(x)が計算できません。
このように、
不定積分:
は、
定義域がx<0とx>0との両方の領域を含む関数という複合区間を定義域にする誤った原始関数:
x≠0における
F(x)=1/x, (x≠0)
とは異なります。

(もう1つの注意)
 以下の関数f(x)は関数の定義域内の全ての点で連続ですが、1つながりに連続な関数では無いので連続関数ではありません。
高校教科書の誤った連続関数の定義:「関数 f(x) が、定義域のすべての x の値で連続であるとき、 f(x) は連続関数である。」に従うと、これを連続関数とする誤りに陥ります。

《高校数学の「微分積分学の基本定理」の定義》
以下でこの微分積分学の基本定理を考察する。



この切れ切れのノコギリ状の関数f(x)を不定積分した関数S(x)=F(x)を求めてみます。

この関数S(x)=F(x)を微分すると、x=0.5, 1.5, 2.5等では、S(x)=F(x)の微分係数が計算できません。
この関数S(x)=F(x)は原始関数ではありません。
そうなる原因は、被積分関数f(x)が1つながりに連続では無いので連続関数では無かったから、
微分積分学の基本定理の前提条件である、
「関数y=f(x)が、連結区間a≦x≦bの全ての点で連続である」
条件が成り立っていなかったからです。
正しい連続関数の定義に従うと、
「(被積分関数f(x)を連続関数に限定すると)微分と積分が逆演算になる」
と要約した、この微分積分学の基本定理が成り立つ事が言えます。
しかし、高校教科書の誤った連続関数の定義:「関数 f(x) が、定義域のすべての x の値で連続であるとき、 f(x) は連続関数である。」に従うと、
上の事例が、
「(被積分関数f(x)を(正しい定義の)連続関数に限定すると)微分と積分が逆演算になる」
と要約した、この微分積分学の基本定理の反例になっていると誤解しますので、注意する必要があります。

《微分積分学の基本定理の拡張》
 なお、微分積分学の基本定理が積分可能性を完全に保証する条件であるf(x)が積分区間で連続でなければならないという条件は、緩める事ができ、
f(x)の不定積分F(x)が積分区間で連続であるだけで良いということが分かっています。
それは、
数学者の藤原松三郎の「微分積分学 第1巻」が、
不連続関数f(x)の積分を広義積分と呼び、
その積分において、関数f(x)の積分区間
a≦x≦b
内で連続な不定積分F(x)が得られたら、

(その積分区間内のxで、f(x)が微分不可能な点があっても良く)
(1)それは、不連続関数f(x)が積分可能である証拠であり、
(2)不定積分F(x)を使った以下の計算で定積分を計算して良い事が書いてあります。
F(b)-F(a)
 

そのため、定積分が可能な積分区間の判定条件を緩めることができ、
不連続な関数f(x)に対して、
その積分区間で連続な1つながりの不定積分F(x)が見つかったなら、
その不定積分F(x)を使ってその区間の定積分を計算して良いです。 


また、小寺平治・著「はじめての微分積分15講」(2,200円)の103ページにも、このことが書いてあります。

(複合区間を定義域にする誤った原始関数の差で計算するから間違えるのであって、不定積分(必ず正しい定義の連続関数になる)の差で定積分を計算するならば、間違いは起きません。不定積分(いつも(正しい定義の)連続関数になる)の差で定積分を求めたと書く答案が一番正しい答案だと思います。)

【ここをクリックした先に、まぼろしの基本定理があります】

リンク:
高校数学の目次


2018年5月10日木曜日

条件付き命題の対偶の表現のバラエティ

 条件関係がある命題には、対偶が作れる。
条件関係が無いように見える命題にも、条件関係を持つ命題がある。そういう命題には対偶が作れる。
《条件関係がある命題の例》
 「Aさんの母親は30歳である」
この命題は、条件関係が明確にされた以下の命題に言い換えることができる。
 「Aさんの母親である、ならば、30歳である」
これは、「ならば」がある条件関係がある命題なので、対偶が作れる。対偶は以下の命題になる。
 「30歳で無い、ならば、Aさんの母親では無い」

《条件関係の本質1》
p(x)⇒q(x)
という、条件関係を表す命題は、
正しくは、
「全てのxに関して、p(x)⇒q(x)」
という命題です。

 全てのxに関して、命題の内容を考えるため、以下のように、xの集合PとQの関係を考えます。

 一般に、条件p,qを満たすxの集合全体をそれぞれP,Qであらわすとき、
命題「全てのxに関して、p⇒q」が真であることは、

が成り立つことと同じである。
それは、

が成り立つこと、すなわち、「ならば」を使った元の命題の論理式は:
全てのxが、(Pの補集合)∪(集合Q)に含まれる」
という論理式に同値です。
つまり、
命題「全ての実数xに関して、x>4 ⇒ x>3」という、「ならば」を使った論理式は、
全ての実数xに関して、x≦4 or x>3」
という論理式に同値です。

(注意)ここで、「ならば」という言葉を使った論理式
「x>4 ⇒ x>3」
には以下の意味の広がりがある。
この論理式のxに値を入れて考える。
「5>4ならば5>3であり」という命題は、真な命題である。
あるxにおいて、「p(x)ならばq(x)」という論理式は、
p(x)が真の場合には、q(x)が真である場合に、この論理式が真な命題になると定めている。
 ここで、条件p(x) がxに何を入れても真偽がはっきりした命題にできなければならないのと同様に、「p(x)ならばq(x)」という論理式も、xに何を入れても、真偽がはっきりした命題にできなければならない。
そのため、あるxにおいて、p(x)が偽の場合にも論理式の真偽が定められている。
あるxにおいて、p(x)が偽の場合には、「ならば」という言葉の前提条件が外れているゆえに、
p(x)が偽の場合には、q(x)が何であっても、この論理式が真な命題になると定めている。
そのため、
「1>4ならば1>3である」という論理式も、真な命題である。
(注意おわり)

《条件関係が無い命題の場合》
 「Aさん又はBさんが10歳である」
この命題は、条件関係が無い命題なので、対偶が作れない。
しかし、条件関係を掘り起こして、条件関係がある、この命題に等価な以下の命題に書き換えることができる。
 「Aさんが10歳で無い、ならば、Bさんが10歳である」
これは、「ならば」がある条件関係がある命題なので、対偶が作れる。対偶は以下の命題になる。
 「Bさんが10歳で無い、ならば、Aさんが10歳である」
このように作った対偶は、最初の命題の言い換えと言えるので、何かが変な条件関係である。
《他の条件関係を掘り起こした命題》
 「Aさん又はBさんが10歳である」
という命題から、他の条件関係を掘り起こして、この命題に等価で、しかも条件関係がある、以下の命題に書き換えることができる。
 「AさんとBさんとの2人、ならば、その2人のどちらかは10歳である」
これは、「ならば」がある条件関係がある命題なので、以下のように対偶が作れる。
 「いかなる2人の場合でも、2人のどちらも10歳で無いならば、その2人はAさんとBさんでは無い」
《条件関係の本質2》
 「いかなる場合でも、PならばQである」、という条件関係を表す命題は、その命題の真偽の関係も含めて「いかなる場合でも、Pで無いか、またはQである」という命題と等価である。そのため、「いかなる場合でも、Pで無いか、またはQである」と表現された、条件関係が無い命題であっても、「PならばQである」という条件関係を表す、等価な命題に変換できる。 すなわち、「いかなる場合でも、PならばQである」という命題は、「いかなる場合でも、Pで無いかQである」という命題と等価である。

【問1】以下の命題の対偶を述べよ。

条件Aが成り立つ場合に、
「BならばCである。」

【解答】
 この問題の命題は、
「AでありBならばCである。」
 と言い換えることができます。
その対偶は、
「Cで無ければ、Aで無いかBで無いかである。」 
 という命題になります。
(解答1)

その命題を言い換えると:

「条件Aが成り立つ場合に、
Cで無いならばBで無い。」
と言い換えることができます。
よって、この問題の解答として:

「条件Aが成り立つ場合に、
Cで無いならばBで無い。」
(解答2)
と答えても正しい解答です。
(解答おわり)

(補足)
「条件Aが成り立つ場合に」
という言葉には、
「条件Aが成り立たない場合は、
条件BとCの関係として記載された制約が無くなり、
「CであることもCで無いことも起こり得る」
と言う意味が含まれています。

【問2】以下の命題の対偶を述べよ。
条件Aと条件Bが成り立つ場合に、
「CならばDである。」

【解答】
 問1と同様に考えることができ、
問2の命題の対偶は:
「条件Aと条件Bが成り立つ場合に、
Dで無ければCで無い。」
である。
(解答おわり)

《対偶は、命題の内容を、視点を変えて表現するもの》
 命題の対偶は、元の命題に情報が等価な命題です。対偶は、元の命題に忠実に等価な命題です。元の命題が誤っていれば、対偶も、元の命題に等価な、誤った命題になります。元の命題が記述する情報が不十分であれば、対偶も、元の命題に等価な、不十分な情報を与える命題になります。

(対偶の例1)
「Xが有理数かつYが無理数ならば、その和X+Yは無理数である。」
の対偶は、
「和X+Yが有理数ならば、Xが無理数であってYが有理数であるか、または、Xが無理数であってYが無理数であるか、または、Xが有理数であってYが有理数であるか、の何れかである。」

(対偶の例2)
「Xが無理数かつYが有理数であるか、または、Xが有理数かつYが無理数であるならば、その和X+Yは無理数である。」
の対偶は、
「和X+Yが有理数ならば、Xが無理数であってYが無理数であるか、または、Xが有理数であってYが有理数であるか、の何れかである。」

(例1と例2のまとめ)
 対偶は、 (命題1)「Xが有理数かつYが無理数ならば、その和X+Yは無理数である。」
という命題が表現している情報に等価な情報を、視点を変えて表現するものです。

(命題1)「Xが有理数かつYが無理数ならば、その和X+Yは無理数である。」という命題の表現を、
XとYを入れ替えてこの命題を書き直すと、
(命題2)「Yが有理数かつXが無理数ならば、その和Y+Xは無理数である。」に変わります。命題2は命題1と情報が等価な命題です。
ここで、X+Y=Y+Xという情報を代入してこの命題を書き直すと以下の命題3に変わります。
(命題3)「Yが有理数かつXが無理数ならば、その和X+Yは無理数である。」に変わります。この命題3は命題2に新しい情報が加えられることで得られたので、命題2とは情報が等価ではありません。
命題1と命題3を合わせると以下の命題4が得られます。
(命題4)「Xが無理数かつYが有理数であるか、または、Xが有理数かつYが無理数であるならば、その和X+Yは無理数である。」
 この命題4の対偶は、
「和X+Yが有理数ならば、Xが無理数であってYが無理数であるか、または、Xが有理数であってYが有理数であるか、の何れかである。」です。例2の対偶と同じです。

 そのようにして命題1に足し算の交換法則を加えて命題4が得られますが、命題4の対偶は、命題1の対偶とは異なります。
そうなる対偶の性質を見ると、命題の対偶をとる処理は、命題が表現している文字XとYの表現を、文字を入れ替えて表現し直す操作と同じ優先順位を持つ演算の一種ではあります。
しかし、命題の対偶をとる演算は、X+Y=Y+Xという新しい情報(足し算の交換法則)を命題に代入する演算よりも優先順位が高く、その演算よりも先に行うべき演算が対偶をとる処理です。そのため、命題1の対偶は、命題4の対偶とは異なりました。

(補足1)==対偶は、しっかりした論理の基礎==
 対偶の作り方は、命題の論理的帰結よりも先に、命題の記述を優先して対偶を作ります。
対偶をとる元の命題毎に、その命題に等価な対偶が作られます。元の命題が異なれば異なる対偶が作られます。
そうする理由は、
対偶によって、命題の内容の真偽よりもしっかりした、等価な命題が得られるためです。
 命題が間違っている場合も、その命題の対偶はその命題に確実に等価であり、その命題の間違いを、しっかり受け継いで命題の誤りをハッキリさせることができます。
(誤った命題の例)
「X+Yが有理数ならばXとYの少なくとも一方は無理数」
この命題の対偶は:
「XとYともに有理数ならばX+Yは無理数」
になります。
元の命題に等価な対偶の命題によって、元の命題の誤りをハッキリさせることができます。

【問3】以下の命題の対偶を述べよ。
(命題5)「X+Y=Y+Xが成り立つ条件の下において、
Xが有理数かつYが無理数ならば、その和X+Yは無理数である。」

【解答】
対偶は、「X+Y=Y+Xが成り立つ条件の下において、和X+Yが有理数ならば、(Xが有理数かつYが無理数)では無い」である。
ここで、(Xが有理数かつYが無理数)では無いものの候補を列挙すると、
Xが無理数であってYが有理数であるか、
または、Xが無理数であってYが無理数であるか、
または、Xが有理数であってYが有理数であるか、である。
しかし、X+Y=Y+Xが成り立つ条件の下では、「和X+Yが有理数ならば」という言葉に続く言葉のXとYを入れ替えても同じ情報になる。そのため、(Xが無理数であってYが有理数)は、(Yが無理数であってXが有理数)と同じものになる。それも除外しなければならない。
よって、求める対偶は、
「X+Y=Y+Xが成り立つ条件の下において、
和X+Yが有理数ならば、Xが無理数であってYが無理数であるか、または、Xが有理数であってYが有理数であるか、の何れかである。」である。
(解答おわり)

(補足2)
(命題5)「X+Y=Y+Xが成り立つ条件の下において、
Xが有理数かつYが無理数ならば、その和X+Yは無理数である。」
という命題と、
(命題1)「Xが有理数かつYが無理数ならば、その和X+Yは無理数である。」
という命題は異なる命題です。
また、
(命題1)「Xが有理数かつYが無理数ならば、その和X+Yは無理数である。」という命題と、
(命題6)「Xが有理数かつYが無理数ならば、その和Y+Xは無理数である。」という命題は異なる命題です。

(命題5)が、(命題1)に「X+Y=Y+Xが成り立つ条件の下において、」という、当たり前の前提事項であると思われる情報をあらわす言葉を加えるだけで、命題1と異なる命題に変わるのは以下の理由によると考えます。
 (命題1)の記述には、X+Y=Y+Xという(当たり前と思われる)情報は書いて無い。その当たり前と思われる情報を(命題1)に代入する演算よりも、(命題1)の対偶をとる演算の方が優先順位が高く、その対偶をとった後で、X+Y=Y+Xという条件を加える演算を行うべきという演算の優先順位があると考えます。そのため、(命題1)では、対偶を取った後で、X+Y=Y+Xという条件を加えるべきと考えます。一方で、(命題5)は、対偶を取る前に、X+Y=Y+Xという条件を加えます(命題の中にそれが書いてあるからです)。そのように、(命題1)と(命題5)は、対偶を取る場合に、X+Y=Y+Xという情報の扱いが異なるゆえに区別でき、異なる命題だと考えます。

 ここで、「X+Y=Y+Xが成り立つ条件の下において」という条件付き命題に対して、その条件を付けない命題の区別はとても難しいとも言えると思います。なぜならば、「和X+Y」という式には、「和Y+X」でもあるという意味が含まれているという解釈も可能だからです。
(命題1)「Xが有理数かつYが無理数ならば、その和X+Yは無理数である。」
という命題は、
(命題7)「Xが有理数かつYが無理数ならば、その和X+Y=Y+Xは無理数である。」
という命題であるとも解されるからです。命題7は、命題5と等価であって、
(命題4)「Xが無理数かつYが有理数であるか、または、Xが有理数かつYが無理数であるならば、その和X+Yは無理数である。」
とも等価です。この、「和X+Y」の言葉の解釈が微妙なので、命題1が、命題7や命題5と解釈されてしまうことがあるという、問題の難しさがあります。ただし、命題7であると思って「命題1」の記述をしたいのならば、問題が難しくならないために、もっとわかり易い表現である、
(命題5)「X+Y=Y+Xが成り立つ条件の下において、Xが有理数かつYが無理数ならば、その和X+Yは無理数である。」
で表現した方が良いと思います。

【問4】(難問)
 集合Bが集合Aの部分集合であることをA⊂B と表記し、以下に定義する。
A⊂Bであるとは、「(元x∈A)ならば (元x∈B)」が成り立っているということである。
命題「(元x∈A)ならば (元x∈B)である」の対偶を述べよ。

【解答】
 この問題は難しい。対偶として、
{(x∈B)の否定}ならば{(x∈A)の否定}
の形の命題を作れば良いのだが、
(x∈B)の否定をする記述のxの定義のために、xがAの元であるという記述(x∈A)が必要である。しかし、そのxを定義していた記述自体を、
{(x∈A)の否定}という記述に変更してしまうので、xを使った記述が必要としているxを定義する記述(x∈A)が否定されて消滅してしまうからである。
 そのため、対偶を作る元の命題の形を変えて、次に対偶を作るという工夫が必要である。
命題「(元x∈A)ならば (元x∈B)である」は、
以下の、前提条件が付いている命題に等価である。

全ての集合の元xに対して:「(x∈A)ならば (x∈B)である」

この命題ならば、対偶が作れる。その対偶は、以下の命題である。
全ての集合の元xに対して:「(xが集合Bの元ではない)ならば(xが集合Aの元ではない)」
(解答おわり)

《補足》
 条件p,qを満たすxの集合全体をそれぞれP,Qであらわすとき、
命題「全てのxに関して、p⇒q」が真であることは、

が成り立つことと同じである。
 その命題は、以下の式の変形によって、対偶に変形することができるのです。

(注意)
命題1「全てのxに関して、p⇒q」
の対偶は、
命題2「全てのxに関して、qでない⇒pでない」
であって、
命題3「あるxに関して、qでない⇒pでない」
は、命題1の対偶ではない。

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2018年4月23日月曜日

2018年2月25日日曜日

使い易い形の拡張円周角の定理と円周角の定理

 【拡張円周角の定理と円周角の定理】
上図のように、三角形ABCの∠A=アルファαと同じ角が、
外接円の各部に、円周角や拡張円周角になってあらわれる。
しかも、各部の点のまわりに現れる角度が、左まわりに、
α,○,△の順に繰り返して現れる。
これらの角をすぐ想像できるように、よく覚えてください。

【接弦定理】
三角形ABCの外接円において点Bのまわりに現れる角度が、
左まわりに、α,○,△の順に繰り返して現れるので、
接弦定理:

 ∠A=∠CBD 
が成り立ちます。
この接弦定理の図も一緒に覚えてください。

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2018年2月19日月曜日

神奈川、東京の中高一貫校生と公立高校受験組との差

高校の教育体制について考えてみます。
以下の問いかけがありました。

(引用開始)
神奈川、東京の中高一貫校生と公立高校受験組との差

投稿者: 巻き返し (ID:S6l6Es1iKHY) 投稿日時:17年 01月 03日 12:21
 前者(私立)は最低でも小4から高度な受験勉強をして高校卒業時には難関大学受験に合わせ、しっかり結果が出るように仕上げてくる。

後者(公立)は前者(私立)に比べて高度な受験勉強時間そのものが平均して4年位少ないのではないかと推測します。
 

ですが、ここ最近、公立最難関校が十数年来の再注目を浴びてきております。注目を浴びるのは勝手なのですが本当にエリート街道と言われる私立、国立の、中高一貫校の方々と対等レベルまで張り合っていけるのでしょうか?
 

 公立高校のカリキュラムや教育指導にその様なノウハウがあるとはとても思えないのですが。
皆さま、ここ最近の公立再注目報道、どの様にお感じになられますか?

投稿者: 根本的に全てが違う (ID:HCjeNKXThdo) 投稿日時:17年 01月 03日 16:13
 最近の公立トップ校は学校が進学指導に力を入れ課題量も凄まじく、クラブ活動をせずに通塾という生徒も増えています。
学力も上がるでしょう。
 

 ただ公立トップ高校へ入るために小5辺りから通塾し、中学でも通塾を軸にクラブは幽霊部員という生徒も増えています。
もちろん昔のように中学でもトップ校でも文武両道の生徒もまだまだいますが、公立トップ校へ入れば受験一辺倒になる生徒は多いです。
親も経済的余裕がないため現役で国公立大学合格を強くのぞんでいますので尚更です。

 むしろ灘開成筑駒のような最難関私立中高一貫の生徒の方がのびのび遊び、その遊びもダイナミックで、しかも集中力が半端なく処理能力は高いですよ。

 うちの子は某難関私立中高一貫の高校生で、

時折、公立高校の生徒さんたちと交流がありますが、
公立トップ校といえど、(私立中高一貫とは)経験数、活動の大きさ、発想力など全く違うと感じております。
余裕とかキャパの違い(公立高校の生徒の心には余裕が無い)といったようなものです。
私立中高一貫校の保護者もおおらかで余裕があります。

 確かに学校が進学重視にシフトし進路指導をするようになり公立高校の学力も進学実績も上がりましたが、

高学力、かつ、学力だけではない次世代のエリート教育、
にはほど遠いと思います。
学力進学実績向上だけなら、拘束し馬車馬のように勉強させれば叶うでしょうが、

今の公立トップ校は、それにより、かえって(心に余裕が無くなり)次世代エリートというものから遠のくでしょう。

 また余談ですが、

公立難関高校が、最難関中高一貫校に敵わない点は、
人脈です。
公立高校出身の私は、我が子の通う中高一貫OBの愛校心と繋がりの強さに驚きを隠せません。
既にエリート街道を行くOBと繋がることで、自然とエリート街道を行くことになるようです。

 こういうことが公立高校では無く。

私自身は公立高校しか知らなかったので、我が子の今の環境を知ることによって、公立高校と難関中高一貫校との差をひしひしと感じております。
(引用おわり)

(当ブログのコメント)
 私立進学高校の方が公立高校よりも大学受験に有利だと考えます。
その理由は、私立進学高校は、高校2年までに、高校3年の数学を教えてしまい、高校3年の1年間は、受験勉強のみに集中するからです。
また、私立進学高校の学生は大学に進学する勉強に熱心で、塾にも通って、学力を強化することに熱心です。
そういう体制なので私立進学高校の方が大学進学には有利です。

《デメリット》
 しかし、デメリットとして、学習進度が速いと、落ちこぼれると授業の進行について行けなくなる生徒が出ます。
(そういうデメリットは学習進度が速い高校なら、私立も公立高校も共通に持つ問題だと思います。)

 高校の価値は、そういう落ちこぼれ生徒も等しく引き上げる。ゆっくり勉強派の学生も、時間がかかっても追いつかせて満足させる体制があるか否かにあると思います。
 学校への愛校心が高い先輩が多い高校は、そういう問題にたいするフォローアップ体制もしっかりしている良い学校ではないかと思います。

(参考)進学校の授業のスピード その1
・・・
 まずは某私立高校での数学と英語の授業スピードです。
数学に関しては高校1年の終わりまでに数1A、数2Bの教科書が終わるだけでなく総復習まで終わるようです。

(当ブログのコメント:そもそも、中学3年のときに、高校の数1Aが終わっていると思いますから、それほど進度が速いわけでもない。高校から新たに入学した生徒が追いつくのは大変ですが、、、)
授業でも教科書の内容だけでなく、大学の数学の話しも交えておこなっているようです。
 つまり、高校2年になる前にセンター試験で満点を取れる生徒もいるということです。
当然やる気のある生徒は高校1年生のうちに独学で数3Cも終わらせています。
 高校2年から数3Cがスタートして2学期までに教科書と復習が全て終わり、3学期からは完全に受験対策がはじまるそうです。
・・・


(当ブログのコメント)
 以上、私立進学高校を推薦するコメントを書いて来ましたが、私立進学高校で生徒が勉強の進度についていけるのは、高校の授業だけで無く、塾に通って、速い授業の進度に遅れないように、塾の先生からも助けてもらっている実態があるからです。
 もう1つ、塾に通わないでも数学が好きな生徒は、自分だけで学習して、トップレベルの国公立大学に合格した実例もあります。
 また、高校の間一切数学を勉強しない完全な落ちこぼれ生徒が、大学受験の浪人の1年間だけで、数学が特に優秀になる学力の飛躍を遂げた事例もあります。
 そもそも、数学の勉強は自分次第なので、自分の意識が大切と思います。 
 私立進学校の本当の価値は、単に数学の授業を速く進めるから、ということにあるのでは無く、「数学の勉強が面白いから勉強する」という雰囲気を学生の間に作り上げているのではないか。
  数学が分からなくなった生徒がいたら他の生徒が援助する助け合いも多く行われていて、本当に、勉強が面白いという体験を生徒にさせて、生徒らが自分たちで学力を飛躍的に向上させる事に成功しているからではないかと推測します。
 結論:高校生活の気持が良い高校が良い高校だと思います。生徒が良く遊べる高校が良い高校だと考えます。

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2018年2月4日日曜日

三角形の外角の二等分線と外接円の交点

【問1】
三角形ABCの外接円Oを考える。∠Aの外角の二等分線が外接円Oと交わる点をPとする。
三角形PBCがPを頂点とする二等辺三角形になることを証明しなさい。

この問題の解答は、ここをクリックした先にあります。


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2018年1月26日金曜日

等しい角度を傾きで比較する問題

【問1】(難問)
点Oを原点とするXY座標平面において、Y軸上のY=5の位置とY=1の位置に点Aと点Pがあり、
X軸上のX=-2の位置とX=6の位置に点Bと点Cがあり、
直線BPと直線ACの交点をQとし、
直線CPと直線ABの交点をRとするとき、
∠POQ=∠POR
となることを示しなさい。

2018年1月20日土曜日

線分の長さが一定の証明

【問1】(難問)
円Oと、円Oの2つの直径ABとCDが与えられている。
円O上の任意の点PからAB,CDに下ろした垂線の足をそれぞれQ,Rとする。
線分QRの長さが一定になることを証明しなさい。

この問題の解答は、ここをクリックした先にあります。

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2018年1月14日日曜日

拡張三平方の定理

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▷三角形の高さhの公式

【三平方の定理】

上図の直角三角形で、式0であらわされた三平方の定理が成り立ちます。

【拡張三平方の定理】
上図の三角形で、式1であらわされた拡張三平方の定理が成り立ちます。
が小さくなって0になれば、この式1は式0に一致します。


(重要な注意)
 以下、このページでこの拡張三平方の定理を証明します。この証明を自力で行なって知能ホルモンを分泌させたい方は、以下を読まないで、この拡張三平方の定理を証明してください。

 それ以外の方には、以下で、この拡張三平方の定理の証明を解説しますので、見てください。

【拡張三平方の定理の証明】
三角形ABCの2辺ACとABを辺BCに射影し、三角形の辺の二乗の引き算の公式を適用すると、以下の式が成り立ちます。
(証明おわり)

上の式の計算の途中の式を、三角形の辺の二乗の引き算の公式として覚えて、以下の図と式を書いて拡張三平方の定理を思い出したら良いと考えます。
 (以上が、拡張三平方の定理)
 上の式の1行目が三角形の辺の二乗の引き算の公式であり、
2行目が拡張三平方の定理の式です。
 このように、三角形の辺の二乗の引き算の公式と拡張三平方の定理の式は、1行の式の変形で結び付いている等価な公式です。

【三角形の辺の二乗の引き算の公式】
 (以上が、三角形の辺の二乗の引き算の公式)

 この、三角形の辺の二乗の引き算の公式は、以下の図の正方形①②③を心が思い描いて心が公式を導き出すので、覚え易い(導き出し易い)です。
三角形の辺の二乗の引き算の公式は、以下の図の下の2つの式の組みにして覚えると良い
この下側の式は、拡張三平方の定理にかなり近い形をしています。下側の式の左辺の項を上側の式の左辺の項に置き換えれば拡張三平方の定理になります。

【拡張三平方の定理の他の導出方法】
以下の図の様に、未知数xを導入して、xを使って三角形ADCに関する三平方の定理の式を記述します。
(以上が拡張三平方の定理)

(補足)
 式の対称性から、以下の式2も成り立ちます。
拡張三平方の定理には:
(1)辺BCの長さaと、辺BC上への辺BAの射影の長さaの積を使う表現。
(2)辺BAの長さcと、辺BA上への辺BCの射影の長さcの積を使う表現。
との2つのバラエティがあります。

【斜辺aに関する拡張三平方の定理】
(補助線CDを使って作った全ての直角三角形を利用して、斜辺aに関する拡張三平方の定理を導くことができました)

(公式を自力で導き出す勧め)
 覚えた定理は時が経つと忘れてしまいます。
(最初教えられた時には覚えていたのに、時がたつと忘れている事に気づき、最初に覚えた記憶が戻らない)
 数学の公式を覚えていても、その公式に近い形の新しい定理があらわれると、その新しい定理を覚えるために先に覚えていた公式がじゃまになるので、先の記憶を忘れ去ります。公式の表面的な記憶というのはその様に不確実なものです。
 数学の公式は覚えられない(時が経つと忘れる)ので、公式を導き出して使う練習をしましょう。
 
 公式を自力で導き出して再現できる学生は、自己発電ができるパソコンのようで、自力で公式を導き出す都度、公式の理解が深まり、記憶を維持するエネルギーが発電され、いつまでも記憶が保たれます。
 公式を忘れないようにするには、自力で公式を導き出す作業が欠かせません。公式を使う都度、自力で導き出すことを覚えて欲しいと思います。 

 拡張三平方の定理を思い出す毎に、以下のように、「2項の積と二乗の差との変換公式」を使って、三角形の辺の二乗の引き算の公式に変換できる事を確認することで、思い出した記憶に間違いが無い事を確認してください。

《三角形の高さhの公式》
三角形の辺の2乗の引き算の公式から、以下の式が成り立つ。

上記の式が、三角形の高さhの公式である。 
また、辺aと高さhに関して、辺bと辺cは対称な関係にあるので、bとcを置き換えた以下の公式も成り立つ。


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2018年1月11日木曜日

三角形の底辺を頂点の足で分割する問題

【問1】
上の図のような、三角形ABCの底辺BCを頂点Aの足Dで分割した線分BDの長さと線分CDの長さの比が式1であらわされることを証明しなさい。

この問題の解答は、ここをクリックした先にあります。

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2018年1月6日土曜日

二等辺三角形と直角三角形の辺の長さの関係

【問1】
上の図のような、AB=AC=1の二等辺三角形ABCと、その頂角Aと斜辺ABを共有し∠Dが90°の直角三角形ABDがある。
BC=x
AD=y
とするとき、
(1)xの値が分かっているときyをxであらわしなさい。
(2)yの値が分かっているときxをyであらわしなさい。

《解答手順》
 図形問題では、先ず、足りない図形の補助線を埋め込み、同じ角度には同じ印を付け、なるべく対称な形に、図形を完成させる。その次に問題の解き方を考えるように心がけてください。

この問題の解答は、ここをクリックした先にあります。

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