2013年10月19日土曜日

(16)垂直ベクトルへの射影を利用した連立方程式の解の公式



【問】以下の連立方程式を解いて未知数sを求めよ。

【解答】
 連立方程式はベクトル方程式とみなして解くとやさしくなります。以下のようにベクトルbを水平線にし、その水平線への垂直線ベクトルhへの射影(高さ)を利用するとベクトルaに掛かる未知数sを素早く求めることができます。

このベクトル方程式で、垂直線ベクトルhへの射影(水平線bの上の高さ)を以下のように計算します。
(解答おわり)

① 先ず、問題の連立方程式の右辺のベクトルeのX成分の高さを6zとします。
② uに掛かるベクトルbを水平ベクトルとする。そのベクトルのX成分の高さは①との関係で、高さzです。
③ sに掛かるベクトルaのX成分の高さは①との関係で、高さ9zです。
④ uに掛かるベクトルbは水平ベクトルなので、そのY成分はX成分による高さzを打ち消す高さ-zです。
⑤ sに掛かるベクトルaのY成分の高さは④との関係で、高さ-3z/4です。

問題の連立方程式のsに掛かるベクトルaの総体の高さは③と⑤の合計であり、右辺のベクトルeの高さは①です。その比を計算してsが得られました。


(別解)
この問題は、以下の図を考えて解くと、計算手順が単純になると思います。
 s=6・(-4)/(9・(-4)+3・1)
=-6・4/(-36+3)
=-2・4/(-11)
=8/11
(解答おわり)

【連立方程式の解の公式】
 この別解の要点を整理すると、以下の連立方程式の解の公式ができあがります。
連立方程式1と2をベクトルの視点で見ると、式6のベクトル方程式をあらわしていると見ることができます。
 ここで、ベクトルaとベクトルbと、それらに垂直なベクトルが下図のように描けます。
ベクトルaに垂直なベクトルavと、ベクトルbに垂直なベクトルbvを以下の式7と8であらわし、それを使うと以下の式9と10が成り立ちます。
ここで、以下の式11が成り立ちます。
結局、ベクトル方程式6であらわした連立方程式1と2の未知数sとuが、上の式9と式10で計算できる、
連立方程式の解の公式が導けました。 

(補足)
この式9と式10のsとuを組み合わせたベクトル(s,u)を考えると、
ベクトル(s,u)は以下の式16であらわすことができる。
先ず、以下の式12から15でベクトルcとそれに垂直なベクトルcvと、ベクトルdとそれに垂直なベクトルdvを定義する。
これらのベクトルを使うと、ベクトル(s,u)は以下の式16であらわせる。
ただし、以下の式17が成り立つ。

(補足)
ベクトルaを反時計回りに90度回転した単位ベクトルav=fを、
更に反時計回りに90度回転した単位ベクトルfvは-aになる。
そのため、ベクトルの内積av・bを、

両ベクトルを一緒に反時計回りに90度回転して内積した値は同じ値になるが、
その関係は、以下の式であらわされる。
av・b=-a・bv


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2013年10月16日水曜日

メネラウスの定理の証明:線の垂直線への射影の利用



【問】以下の図で三角形ABCがある。その辺(延長線)上に図のようにDF点を置く。直線ACと線DFの交点をEとする。この場合に、比s=CE/EAを求めよ。

【解答】
 以下では、線DFに垂直なベクトルVへの各ベクトルの射影を見て交点Eにおける比s=CE/EAを求める。
(そのベクトルの射影の長さは、線DFを水平線とした場合のベクトルの高さです)

(解答おわり)

上の解答では、ベクトルFBの高さをzとして、図に順次に、水平線DFに対する各点の高さを書き込みました。

 この問題の解答は④の計算までで終わりですが、
⑤の式のように、計算結果を整理すると、メネラウスの定理が導けました。
 この問題はメネラウスの定理の応用問題だったのです。

 このように、線の垂直線への射影を利用すれば、メネラウスの定理が自然に導けるので、メネラウスの定理を覚えるよりは、線の垂直線への射影の利用方法を優先して覚えてください。
(ベクトルBDとベクトルDCは逆方向なので、線分の長さの比はマイナスとして計算し、積がマイナス1になる式が正確なメネラウスの定理です。
 しかし、この積をプラス1とした式でメネラウスの定理があらわされる場合が多いので、メネラウスの定理の表現は不正確だと思います)


また、メネラウスの定理の問題点は、以下のあいまいさもある事です。以下の図は全てメネラウスの定理です。これらの場合を全て証明しましたか?

(メネラウスの定理は、三角形ABCの所定の辺を、1本の点線で表される直線に交わるまで延長した図形の定理です。点線が元の三角形ABCに交わる場合(内メネ)と交わらない場合(外メネ)との2種類があります。)


【メネラウスの定理の定義】
 高校数学でのメネラウスの定理の定義があいまいです。定理の定義がはっきりしないので、それは、定理の形を成していません。
 そのため、以下でメネラウスの定理の定義を明確にします。
メネラウスの定理は:
(1)上の4つの図において、三角形ABCの各辺毎の3つの直線AB,BC,CAと、点線で表した1つの直線DE(水平線)との、各直線同士の交点A,B,C,D,E,Fを定める。
(2)三角形ABCの各辺毎の3つの直線上における、交点間の線分の長さの間に、以下の関係がある。
(2a)全ての交点を、三角形ABCの各辺毎の3つの直線同士の交差点である(頂点)A,B,Cと、その(頂点で無い点)D,E,Fとに分類する。頂点で無い点は、(水平線の点)です。
(2b)そして、全ての交点を、三角形ABCの各辺毎の3つの直線上をたどる(4つ目の点線DEはたどら無い)一筆書きの様な順(線の重なりはOK)で、以下の順に交点を選んで、定理の式を書く。
(頂点)→(水平線の点)→
(頂点)→(水平線の点)→
(頂点)→(水平線の点)→(最初に選んだ頂点)
の順に点を選んで、その定理の式を定義する。

例えば:
(頂点A)→(水平線の点F)→
(頂点B)→(水平線の点D)→
(頂点C)→(水平線の点E)→(最初に選んだ頂点A)
の順に選ぶ。
以下の式のように、その選んだ順に点を結んだ線分の間の式を記述し、その式の値を1とする。(ただし、線分の正負の方向性は定めないものとする)
この式がメネラウスの定理を表す。


(メネラウスの定理の定義おわり)

《補足》
メネラウスの定理を表す上の式は、このページの一番上の図を使って解釈し、以下の関係式を変形した式であると解釈できる。
(点線で表した)水平線DFの垂直線へ射影した:
{(点Aの高さ)/(-点Bの高さ)}
{(点Bの高さ)/(-点Cの高さ)}
{(点Cの高さ)/(-点Aの高さ)}=-1

《メネラウスの定理の適用の仕方》
 与えられた図形に、メネラウスの定理の定義に従って、以下の様にメネラウスの定理を当てはめれば良い。
(1)長さが書き込んである3つの直線を求める。(線分の長さの比がわかっている2つの直線と、線分の長さの比を求めたい1つの直線を定める)
(2)その3つの直線に交わる4つ目の直線を抽出し、それを水平線と認識する。その4つ目の直線(水平線)は、先の3つの直線とは、以下の(3)で説明する頂点では交差しないことが、メネラウスの定理が適用できる条件である。
(3)それら4つの直線の全ての交点を、3つの直線同士の交差点である3つの(頂点)と、それ以外の、4つ目の直線(水平線)と3つの直線との交点(水平線の点)とに分類する。
(注意)水平線が、3つの頂点のどれとも重ならないことが、その図形にメネラウスの定理が適用できる条件である。
(4)全ての交点を、3つの直線上をたどる(水平線はたどら無い)一筆書きの様な順(線の重なりはOK)で、以下の順に交点を選んで、定理の式を書く。
(頂点)→(水平線の点)→
(頂点)→(水平線の点)→
(頂点)→(水平線の点)→(最初に選んだ頂点)
の順に点を選んで、メネラウスの定理の式を書く。


(注意)最初に選ぶ点は(水平線の点)では無いことに注意。
 また、定理の式を書くとき、
分母から分子の順に式を書いても良いし、
分子から分母の順に式を書いても良い。

リンク:
メネラウス・チェバの定理のちょっとした小手技(pdf)
3点が1直線上にある証明
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2013年10月14日月曜日

計算ミス対策(16)計算のリズムを作る



計算ミスについては,以下のサイトの助言が的を得ていると思います。 

数学について
2012.09.28

 ・計算ミスをなくすには
 単純な計算でもまずは時間を気にせず"バカ丁寧"なくらいに綺麗な解答を作ってください。
 頭で暗算できそうでも、途中式を一文しっかり書く。
 ノートにはバラバラなところに計算しないで、問題の式を書いたらその下に途中式を綺麗に書く。筆算は横に書く。
 そんな風に、ずっとやっていくと、自然と自分で計算をするときのリズムができてきます。
 リズムができると、一気に計算スピードがあがるので、整った計算をしても素早くできます。


リンク:
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計算ミス対策(15)計算のリズムを覚える



計算ミスについては,以下のサイトの助言が的を得ていると思います。 

WEB版ふじのもり通信

(04 計算力をアップしよう)


 今回はできるだけ自力で、計算の実力をアップさせる勉強方法について書いていこうと思います。小学校高学年や中学生で、整数・分数・小数の四則計算(たし・ひき・かけ・わり算)が上手に出来ない、計算ミスが多いという人がいれば、ためしにチャレンジしてみて下さい。
 とにかく「自分は計算が弱いかも?」と感じたら、すぐ練習に入るのがお勧めです。はじめる時期が遅くなればなるほど、状況は厳しくなってきます。

 それでは、自分で進む計算力向上の勉強。手順にいきたいと思います。
手順1
 まず、自分がどこでつまずいているのかを確認したいところです。けれど、実はこれがとても難しい。自分がどこが出来ないのかは、自分でも正確にわからないことがほとんどです。
 もし可能ならば、自分の勉強をしっかりと見てもらっている先生とか保護者の方にアドバイスをもらうと良いでしょう。それ以外の人は、とにかく問題を解いて練習します。簡単すぎると思うかもしれませんが、思わぬところでつまずいている人が結構いるものです。
手順2
 次には問題集を用意しましょう。
 計算のやり方を聞ける人がいるならば、どんな問題集でもいいのですが、完全に自分一人だけでやるという人は、あるていど解き方の説明がのっている問題集を選んだ方がよいと思います。
手順3
 ここからはひたすら問題を解いていくのみです。ここで大切なことは、「計算は書いてやる」ということです。問題集の中でも良いですし、別に計算用紙を用意しても良いです。計算中のメモや途中の計算、筆算した部分などをしっかり書きながらやって下さい。中途半端な暗算はしてはいけません。(そろばんの経験者を除く)また、前にも書いたように、消しゴムは使わない方が良いです。
 途中の計算を書かない人ほどミスが多くなる傾向があります。計算は書いてやるもの、紙は汚すものだと思って下さい。そして、頭だけでなく手の感覚で計算のリズムを覚えていくのです。
手順4
 1ページできたら、自分で答あわせをしてください。間違いはすぐに直しておきましょう。
 もし、「間違いが多い」、「やり方がいまひとつ分からない」というような状態なら、その単元は復習が必要です。かならずもう一回その部分をやり直さないといけません。
 弱点の復習も完成したら終了です。

 最初はめんどくさくて苦しいと思います。しかし、同じような計算をやり続けて体が計算のリズムを覚えてくると、何とも言えない快感を感じるようになります。(人によると思うので、保証はしませんが・・・)そうなれば、その計算法はおそらく一生忘れません。ミスもほとんどしなくなるでしょう。
 また、計算練習は絶対に裏切りません。誰でも時間をかけて努力すれば、必ず計算力は向上します。そして、計算力が上がると算数や数学の力だけでなく、理科や社会などの力も自然に上がってしまいます。とってもお得です。

(補足)
「何とも言えない快感」について。
 計算のリズムが完全に身についた人にだけ分かる計算の境地です。体験した人で無いと理解できない、言葉ではあらわせない境地です。

 紙と鉛筆と手と目が連動して自然に問題を解くようになります。
それは、ほとんど条件反射で行われるので、心が何も考えずに計算の答えが出ます。

 心が何も考えないので、心は完全にリラックスでき、心を休ませる休憩時間になります。それは、他の勉強による心の疲れをとるための休憩時間にできます。


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(14)3次元ベクトルの外積



【課題】ベクトルの外積を記憶に頼らずに確実に計算する方法。
【計算の工夫】
 ベクトルの計算は、上の式のように書くとベクトルの式が1行に収まりきれなくなるので、下の図のように、ベクトルは縦ベクトルであらわして計算します。

この形にすれば、ベクトルの外積は以下のように計算しやすくなります。
ここで、ベクトルの一番下のZ成分を一番上のX成分の更に上にも書いて、外積の計算を記憶に頼らず計算できるように工夫します。
そして、計算した結果のベクトルを面の法線ベクトルとして使う場合は、使いやすいようにベクトルを単純化します。

【外積の演算テクニック】



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2013年10月12日土曜日

問題をやさしく:面の法線への射影の利用(13)



【問】以下の図のように、四面体OABCにおいて、辺ABの中点をEとし、辺OCを2:1に内分する点をFとし、辺OAを1:2に内分する点をPとし、BQ=tBCとなる直線BC上の点をQとする。
 直線PQと直線EFが点Rで交わるとき、実数tの値を求めよ。


【解答】
 直線EFと直線PQが交わる場合は、それらの直線が同一平面上にある場合である。その場合は、面PEF上に点Qが存在する場合である。
 そのため、点Qが面PEF上に乗るようにパラメータtを定めれば良い。
 それを解くために、面PEFの法線ベクトル(面に垂直なベクトル)への各ベクトルの射影を見て点Qにおける、比t=BQ/BCを求める。
(そのベクトルの射影の長さは、面PEFを水平面とした場合のベクトルの高さです)

(解答おわり)

上の解答では、ベクトルPOの高さをzとして、図に順次に、面PEFに対する各点の高さを書き込んだ。

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2013年10月9日水曜日

2013年10月8日火曜日

(11)ベクトルの外積と3元連立方程式:問題をやさしくする数学



【問】以下の連立方程式を解いて未知数sを求めよ。


【解答】
 連立方程式はベクトル方程式とみなして解くとやさしくなります。以下のようにベクトルの外積を利用すると連立方程式の1つの未知数sを一気に求めることができます。


(解答おわり)

(1) 上の解は、問題の連立方程式を式(1)のベクトル方程式として解きます。各ベクトルの名前は式(2)のように名づけます。
(2) このベクトル方程式の未知数wとuの掛かっているベクトルbとcを一気に消去するために、ベクトルbとcとに垂直なベクトルhをベクトルの外積によって計算します。
(3) ベクトルhとベクトル方程式(2)との内積を計算すると、式(4)のように、未知数wとuが掛かっているベクトルbとcとが消えます。

(計算の工夫)
 ベクトルbとcとに垂直なベクトルmを、以下の計算のようにベクトルbとcを合成して簡単にしたベクトルgを使って外積する方が計算が楽になる。

このベクトルmとベクトル方程式(2)との内積を計算して、未知数wとuが掛かっているベクトルbとcとを消し、以下の計算をする。

(計算の工夫おわり)


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2013年10月7日月曜日

問題をやさしくする数学:ベクトルの外積(10)



【問】以下の図で三角錐OACBと三角錐OACDがある。直線BDと面OACの交点をEとする。この場合に、比s=BE/BDを求めよ。

この問題の解答は、ここをクリックした先にあります。


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