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▷位置ベクトルと普通のベクトルの違い
下図の点Pの位置ベクトルの式を考える。
この式(1)は、点Pから三角形の頂点までのベクトルの所定係数の和が0ベクトルになる関係をあらわす式である。以下の計算によって、この式(1)から、点Pの位置ベクトルの式を求める。
《点Pを与える位置ベクトルの係数和が1の公式》
上記の式は、点Pの位置ベクトルを表す式である。
上記の式には、位置ベクトルAとBとCの係数の合計が1になるという特徴がある。
この式が、点Pを与える位置ベクトルの係数和が1の公式である。
以下の式のように、位置ベクトルAとBとCが一斉にベクトルPQで平行移動する場合を考える。
この式であらわされる点Pの位置ベクトルは、以下の式で計算されるように移動する。
位置ベクトルAとBとCの係数sとtとuの合計が1であるので、点Pも他の点Aらと同じベクトルPQで平行移動する。
すなわち、上記の式は、点AとBとCと点Pの位置を平行移動しても変わらず成り立つ。それが成り立つ理由は、位置ベクトルAとBとCの係数の合計(s+t+u)が1だからである。
《図形を平行移動し、直線BC上の直線APとの交点を原点Oまで移動する》
上図のように、図形を平行移動し、直線BC上の直線APとの交点を原点Oまで平行移動すると、 点Pの位置ベクトルの式が2行目の式に単純化される。すなわち、位置ベクトルAの係数sが同じ値に保たれた単純な式になる。
(ただし、2行目の式でも、s+t+u=1が成り立っていて、tやuも0でない値に保たれている。原点Oがその位置にある場合にベクトル(tB)とベクトル(uC)が打ち消し合っているだけである)
この式が意味することは、頂点Aに対向する直線BCから点Pまでの高さは、頂点Aまでの高さのs倍の高さにあることを意味する。
すなわち、点Pの位置ベクトルを与える式の頂点Aの位置ベクトルの係数sは、
「頂点Aに対向する直線BCを基準にした点Pの高さの、頂点Aの高さに対する割合=s」
をあらわしている。
《点Pを与える位置ベクトルの係数の意味の公式》
先ず、上図の、平面上の点P,A,B,Cで以下の位置ベクトルの公式が成り立つ。
そして、平面での、点Pの位置ベクトルを与える上式の右辺の、各頂点(頂点Z(上図の点A)とする)の位置ベクトルに掛かる係数は、
「頂点Z(点A)に対向する直線を水平線とした点Pの高さの、頂点Z(点A)の高さに対する割合」
をあらわしている。
(点Pが三角形ABCの内部にある条件)
そう理解すると、点Pが三角形ABCの内部にある場合に以下の不等式が成り立つ。
点Aを始点に持つベクトルでは、点Pが三角形ABCの内部にある場合に以下の不等式が成り立つ。
以上の不等式をまとめた等価な式が:
(以上が、点Pが三角形ABCの内部にある条件)
なお、先の位置ベクトルの公式は、空間での点P,A,B,C,Dでも成り立つ。
そして、空間での、点Pの位置ベクトルを与える上式の右辺の、各頂点(頂点Zとする)の位置ベクトルに掛かる係数は、
「頂点Zに対向する平面を水平面にした点Pの高さの、頂点Zの高さに対する割合」
をあらわしている。
《線分BCの内分点Dの位置ベクトルの公式》
線分BCを1:2で内分する点Dの位置ベクトルの公式は以下の式(10)であらわせる。
式(10)は、内分点Dの位置ベクトルの式である。そして、位置ベクトルBの係数と位置ベクトルCの係数の和が1であって位置ベクトルの公式が成り立っている。
この式(10)の位置ベクトルの式は:
「頂点Bに対向する点(すなわち点C)を水平線の点にした点Dの高さの、頂点Bの高さに対する割合が(2/3)である式」
と覚えれば良い。
内分点の位置は、(内分の比が大きい点から遠くにあり、ベクトルの係数が大きい点に引き込まれる)と覚えれば良い。
内分点Dは上の式(11)でもあらわせる。
〔式(11)は、頂点Cに対向する点Bを水平線の点にした点Dの高さの頂点Cの高さに対する割合が(1/3)であることをあらわしている。〕
位置ベクトルDの式(11)は、係数が1の位置ベクトルBと、図形の平行移動によっても値が変わらない(位置ベクトル以外の)ベクトルBD=(1/3)ベクトルBCと、を合成した式である。この式(11)のような位置ベクトルの式の場合でも、位置ベクトルB(のみ)の係数の和が1になる。
《位置ベクトルと普通のベクトルの違い》
図形(上図の直線BDCの各点B,D,C)を原点Oに対して相対的に平行移動しても変わらないベクトルが普通のベクトルであり、
図形(直線BDCの各点B,D,C)を原点Oに対して相対的に平行移動すると変わるベクトルが位置ベクトルである。すなわち、位置ベクトルとは、所定の点の、原点Oとの間の相対位置関係をあらわすベクトルである。
《外分点の公式》
外分点Pの位置ベクトルOPをあらわす公式は以下の公式である。
(外分点の公式おわり)
《平面の点の位置ベクトルを4点であらわす》
以下の図の垂心の位置ベクトルの式は、外心の位置Gを含む位置ベクトルの式であらわせ、位置ベクトルの公式を満足する。
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▷位置ベクトルと普通のベクトルの違い
下図の点Pの位置ベクトルの式を考える。
この式(1)は、点Pから三角形の頂点までのベクトルの所定係数の和が0ベクトルになる関係をあらわす式である。以下の計算によって、この式(1)から、点Pの位置ベクトルの式を求める。
《点Pを与える位置ベクトルの係数和が1の公式》
上記の式は、点Pの位置ベクトルを表す式である。
上記の式には、位置ベクトルAとBとCの係数の合計が1になるという特徴がある。
この式が、点Pを与える位置ベクトルの係数和が1の公式である。
以下の式のように、位置ベクトルAとBとCが一斉にベクトルPQで平行移動する場合を考える。
この式であらわされる点Pの位置ベクトルは、以下の式で計算されるように移動する。
位置ベクトルAとBとCの係数sとtとuの合計が1であるので、点Pも他の点Aらと同じベクトルPQで平行移動する。
すなわち、上記の式は、点AとBとCと点Pの位置を平行移動しても変わらず成り立つ。それが成り立つ理由は、位置ベクトルAとBとCの係数の合計(s+t+u)が1だからである。
《図形を平行移動し、直線BC上の直線APとの交点を原点Oまで移動する》
上図のように、図形を平行移動し、直線BC上の直線APとの交点を原点Oまで平行移動すると、 点Pの位置ベクトルの式が2行目の式に単純化される。すなわち、位置ベクトルAの係数sが同じ値に保たれた単純な式になる。
(ただし、2行目の式でも、s+t+u=1が成り立っていて、tやuも0でない値に保たれている。原点Oがその位置にある場合にベクトル(tB)とベクトル(uC)が打ち消し合っているだけである)
この式が意味することは、頂点Aに対向する直線BCから点Pまでの高さは、頂点Aまでの高さのs倍の高さにあることを意味する。
すなわち、点Pの位置ベクトルを与える式の頂点Aの位置ベクトルの係数sは、
「頂点Aに対向する直線BCを基準にした点Pの高さの、頂点Aの高さに対する割合=s」
をあらわしている。
《点Pを与える位置ベクトルの係数の意味の公式》
先ず、上図の、平面上の点P,A,B,Cで以下の位置ベクトルの公式が成り立つ。
そして、平面での、点Pの位置ベクトルを与える上式の右辺の、各頂点(頂点Z(上図の点A)とする)の位置ベクトルに掛かる係数は、
「頂点Z(点A)に対向する直線を水平線とした点Pの高さの、頂点Z(点A)の高さに対する割合」
をあらわしている。
(点Pが三角形ABCの内部にある条件)
そう理解すると、点Pが三角形ABCの内部にある場合に以下の不等式が成り立つ。
点Aを始点に持つベクトルでは、点Pが三角形ABCの内部にある場合に以下の不等式が成り立つ。
以上の不等式をまとめた等価な式が:
(以上が、点Pが三角形ABCの内部にある条件)
なお、先の位置ベクトルの公式は、空間での点P,A,B,C,Dでも成り立つ。
そして、空間での、点Pの位置ベクトルを与える上式の右辺の、各頂点(頂点Zとする)の位置ベクトルに掛かる係数は、
「頂点Zに対向する平面を水平面にした点Pの高さの、頂点Zの高さに対する割合」
をあらわしている。
《線分BCの内分点Dの位置ベクトルの公式》
線分BCを1:2で内分する点Dの位置ベクトルの公式は以下の式(10)であらわせる。
式(10)は、内分点Dの位置ベクトルの式である。そして、位置ベクトルBの係数と位置ベクトルCの係数の和が1であって位置ベクトルの公式が成り立っている。
この式(10)の位置ベクトルの式は:
「頂点Bに対向する点(すなわち点C)を水平線の点にした点Dの高さの、頂点Bの高さに対する割合が(2/3)である式」
と覚えれば良い。
内分点の位置は、(内分の比が大きい点から遠くにあり、ベクトルの係数が大きい点に引き込まれる)と覚えれば良い。
内分点Dは上の式(11)でもあらわせる。
〔式(11)は、頂点Cに対向する点Bを水平線の点にした点Dの高さの頂点Cの高さに対する割合が(1/3)であることをあらわしている。〕
位置ベクトルDの式(11)は、係数が1の位置ベクトルBと、図形の平行移動によっても値が変わらない(位置ベクトル以外の)ベクトルBD=(1/3)ベクトルBCと、を合成した式である。この式(11)のような位置ベクトルの式の場合でも、位置ベクトルB(のみ)の係数の和が1になる。
《位置ベクトルと普通のベクトルの違い》
図形(上図の直線BDCの各点B,D,C)を原点Oに対して相対的に平行移動しても変わらないベクトルが普通のベクトルであり、
図形(直線BDCの各点B,D,C)を原点Oに対して相対的に平行移動すると変わるベクトルが位置ベクトルである。すなわち、位置ベクトルとは、所定の点の、原点Oとの間の相対位置関係をあらわすベクトルである。
《外分点の公式》
外分点Pの位置ベクトルOPをあらわす公式は以下の公式である。
(外分点の公式おわり)
《平面の点の位置ベクトルを4点であらわす》
以下の図の垂心の位置ベクトルの式は、外心の位置Gを含む位置ベクトルの式であらわせ、位置ベクトルの公式を満足する。
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