【置換積分法とは何か】
不定積分∫f(x)dx を求めるときに,積分変数を変換して積分する事を置換積分法といいます。
置換積分では、変数の変換に伴い、被積分関数が変更されます。その被積分関数の変形を、式が変形し易い分かりやすい単純化したルールに従って行うことが置換積分法のコツです。変数の変換にともない、積分範囲が変更されます。そのことにも、よく注意して置換積分しましょう。
以下では、式が変形し易いルールを説明します。
例えば、以下のパターンの置換積分の第2の定理の適用に慣れてください。

《1つの例》

《もう1つの例》

《更にもう1つの例》

置換積分法は、以下の図の様に、
「積分する微小面積を、変数xでのグラフと変数tのグラフとで同じにして、積分した総面積を同じにする」
ように被積分関数f(x)を被積分関数h(t)に変換するものです。

(置換積分法の第1の定理)
関数f(x)が、変数xのある連結した区間内の全ての実数で定義された、1つながりに連続な関数である場合、
変数xを、微分可能な関数g(t)で、x=g(t)という式で変数tに変換すると、

が成り立つ。
(置換積分の第1の定理おわり)
(置換積分法の第2の定理=逆向きの定理)
置換積分法には、以下の、逆向きの置換積分の定理があります。
xで微分可能な関数s(x)でs=s(x)とした変数sを使った置換積分によって、以下のように変数xを変数sに変換して積分できます。

この、置換積分の第2の定理では、dx部分をdsに置き換えるのと同時に、f(x)部分をp(x)に置き換える際にf(x)をs'(x)で割り算してp(x)にしている。
置換積分して式を変形する課程で、被積分関数では、変数のある値で0になる式が分母に来ても良い、という独特のルールが積分にはあります。そうして良い理由は、大学数学で学ぶ広義積分がその根拠になっている。
(置換積分の第2の定理おわり)
この置換積分の定理(置換積分の公式)は、以下の図の様に、
「積分する微小面積を、変数xでのグラフと変数tのグラフとで同じにすれば、積分した総面積も同じになる」
事を表した定理です。

(必要条件)ΔxもΔtも f(x)Δx=h(t)Δt も微小量であること。
ΔxもΔtもf(x)Δx=h(t)Δt も微小量であることという必要条件が必ず成り立たなければなりません。
公式に付けた条件の、x=g(t)が微分可能であるという条件は、ΔxもΔtも微小量であるために必要な条件を数学的に記述したものです。
また、g(t)が微分可能であるという条件が満足できない場合には、変数xの区間を、公式の条件が完全に満たされる狭められた区間に分割し、その分割した区間毎に置換積分を行なう。それで得た複数の区間毎の不定積分を、分割した区間の端でつないで1つながりに連結した不定積分に拡張する。そうすれば、g(t)が微分可能で無い点で区間を分割して不定積分し、後で各区間の不定積分をつなげば良いので、公式の条件が満足できない場合にも対応できます。
【第1の定理の第1の証明】
(1)先ず、xを媒介変数 t であらわす関数g(t)は、tが変化したときにどのくらい変化するか調べる。
そのため、x=g(t)をtで微分する。

x=g(t)がtで微分可能、すなわち、(Δx/Δt)が有限の値ならば、
Δxが以下の式であらわされる。
(2)その場合に、以下の式が成り立つ。
以上の計算で、g'(t)の値が確定した有限の値でありさえすれば、たとえ、g'(t)が不連続な関数になってもかまわない。
(証明おわり)
【第1の定理の第2の証明】
置換積分法は、合成関数の微分の公式の同類です。
(証明開始)
先ず、
とすると,
である。
そこで
とおき,
を考えると,g(t)が微分可能であれば、
合成関数の微分の公式によって、
となる。
(合成関数の微分の公式はここをクリックした先を参照)
そして、その様にその関数 f(g(t))g'(t) の値が有限の範囲内にあれば、以下の式の左辺の積分が可能である。
(もしg'(t)が連続関数であれば、関数 f(g(t))g'(t) は連続関数になるので微分積分学の基本定理の条件が満足され、以下の式の左辺の積分が確実に可能である)

となります。
(証明おわり)
【第2の定理=逆向きの置換積分の定理】
置換積分の公式の概念は:

(必要条件)ΔxもΔtも f(x)Δx=h(t)Δt も微小量であること。
という概念に基づく公式でした。
(場合1)dx/dt=0の場合
先に証明できた置換積分の第1の定理は、
dx/dt=0
の場合に適用できます。

とすると:
dx/dt=0
の場合にも使える第1の定理:
すなわち、
の場合に:
となる場合に、

を積分範囲に含んで、

が成り立つという置換積分の第1の定理が使えます。
(場合2)dt/dx=0の場合
dt/dx=0
の場合には、
x=g(t)の逆関数の

を使う第2の定理を使います。

すなわち、
の場合に、
となる場合に、
を積分範囲に含んで、

が成り立つので、この式を逆さにした、

という形の式の第2の定理=逆向きの置換積分の定理を使います。
例えば、
以下の積分を考えます。
ここで、以下の様に変数xを関数g(t)を使って変数tに変換する事を考えます。
この場合に、関数x=g(t)のグラフは下図のようになります。
t=1のとき、
g'(t)が無限大になり、有限の微分係数g'(x)=dx/dtが存在しないので、第1の定理が使えません。
その場合には、関数x=g(t)の逆関数t=s(x)を考えて、その関数s(x)の微分s'(x)=dt/dxを考えて、
関数s(x)を使うのであれば、微分係数dt/dx=s'(x)の値が有限の値になるので第2の定理を使う事が多いです。cos(x)=dt/dx=s'(x)としてcos(x)を置き換える以下の計算が行われています。
【望ましい置換積分方法】《積分区間を分割する》
置換積分の関数の条件は、関数を積分する変数の連結区間[a,b]内での条件である。もし、その条件が満足されない場合には、連結区間を狭くした範囲内のみで考えれば、その条件が満足できるようになると認識するべき。
また、置換積分のルールを単純化するために、更に以下の関数の条件を加えても良い。
連結区間(a,b)での関数f(x)の積分を媒介する関数x=g(t)は、単調増加関数か単調減少関数であるものとする。この条件の関数g(t)を用いて置換積分することが望ましいと考える。
そういう関数x=g(t)を用いる条件は、置換積分する関数y=f(x) の変数xの区間(a,b)を細分化するだけで実現できる。その各区間(a,b)毎に、関数y=f(x)の積分を媒介する関数x=g(t)を定義して使えば良い。そうすれば、その関数x=g(t)の逆関数が存在する。それにより置換積分が行ない易くなるので、それが望ましい。
置換積分の変数xを変数tに変換する関数x=g(t) に単調な関数を用いるという条件が大切です。その条件を緩めても置換積分が可能な場合がありますが、関数x=g(t)に単調な関数を用いる事が望ましい。
なぜならば、単調な関数には逆関数が存在するので、積分の計算の見通しが良くなる利点があるからです。
(積分区間を分割して、それぞれで積分する)
媒介関数x=g(t)を単調な関数にするには、変数xの定義域を、関数x=g(t)が単調になる区間毎に分割して、見通しの良い計算をすることが望ましい。その区間毎にx=g(t)が単調な関数になるので、各区間で、x=g(t)の逆関数が存在する。その区間毎に不定積分を求め、それらの不定積分を連結して1つながりに連続な不定積分を求めれば良い。

(1)
考え易い関数を使って置換積分の条件を単純化するために、以下の関数を使うことが望ましい。
すなわち、積分を媒介する関数x=g(t)は、1つながりに連続であって、単調増加関数か単調減少関数であるものとする。
単調増加関数か単調減少関数には必ず逆関数が存在するので、逆関数の概念も使って積分の計算が進められ計算の自由度がとても大きくなる効果があります。
(2)
もし、媒介関数x=g(t)がある積分区間で単調な関数で無ければ、x=g(t)が単調である区間に積分区間を分割する。そうすれば、その分割された積分区間でx=g(t)が単調な関数になる。その各区間毎に置換積分すれば良いのです。
x=g(t)は、すなわち、媒介変数tによる関数x=g(t)の値は、変数xの全部の範囲をカバーしないで良いのです。被積分関数f(x) が変数xによって定められる変数xの全区間の一部の区間をカバーするだけで良いのです。
(3)
変数xの区間(a,b)に限って置換積分して不定積分F(x) を求める。そのxの区間(a,b)に隣接するxの区間(b,c)で置換積分して不定積分F(x) を求める。それらの不定積分の関数F(x) 同士が、 区間(a,b)と区間(b,c)が隣接する境界点bに近づく極限で、不定積分の関数の有限な値の極限値があるか確認する。不定積分の極限値が存在すれば、その極限値を点bでの不定積分の値F(b) と定義する(広義積分をする)。そして、不定積分の関数の区間を連結して(a,c)にし、その区間で定義された不定積分の関数F(x) を得る。
〘不定積分の関数の定義域を連結する例〙(置換積分は行っていないが)複数の区間の不定積分を、区間のつなぎ目でつないで1つの不定積分にする例。

この不定積分の関数は、θ=0の点で、θ<0の区間と、θ>0の区間とに関数が分割されている。
θ=0での関数の極限値を求めて、その点でθ<0の区間と、θ>0の区間をつないで1つの区間にした下式の不定積分を定義する。

不定積分F(x) の、変数xの区間の部分の、確実に置換積分が可能な複数の区間に変数xの定義域を分割した、区間(a,b)や、区間(b,c)で不定積分の関数F(x) を求める。そして、広義積分によって、その区間をつないだ1つの区間で1つながりに連続した不定積分の関数F(x)を作れば良い。

(4)
その様に、後で不定積分の関数F(x) の定義域を連結する事を前提にして、以下の様に、置換積分する被積分関数f(x)を、その変数xを適切に媒介変数tに置換できる関数x=g(t) が有効に使える(分割された)変数xの区間(a,b)を求める。
(A)被積分関数f(x)の変数xのある区間(a,b)で定義される関数f(x) の部分を考え、
(B)また、その変数xの区間(a,b)内の全てのxの値をx=g(t)と表す、a=g(ta), b=g(tb)となる1つながりに連続な関数x=g(t) で、
tの区間の端を除いた連結区間(ta,tb)又は連結区間(tb,ta)の点でtで微分可能な関数x=g(t)を考える。
(C)また、関数x=g(t)の値が、変数tの区間(ta,tb)又は区間(tb,ta)で、単調増加か単調減少であるように、変数tの区間(ta,tb)又は変数tの区間(tb,ta)とxの区間(a,b)を定める。
(D)x=g(t) をtで微分した導関数g'(t)も連続な関数となる(連続微分可能)関数x=g(t)を使う。
(E)それらの条件が成り立つxの区間(a,b)とtの連結区間内で定義される不定積分:

を求める。
(5)
そうして、xの区間(a,b)毎に別々にf(x)の不定積分F(x) を計算する。そして、それらのf(x)の不定積分F(x) の変数xの区間(a,b)と(b,c)の境界点bでの不定積分F(x)の有限な極限値が存在すれば、その極限値を点bでの不定積分の値F(b)と定義する(広義積分)。そして、不定積分F(x) の定義域(a,b)と(b,c)を連結して、(a,c)を定義域にする不定積分の関数F(x) を求める。
このようにして、見通しの良い関数x=g(t) を使って置換積分する事が望ましい。
《変数xを変数gで表す関数x=s(g)の一部を切り出して使う事例》
以下の様に、被積分関数f(x)の変数xでの積分を、変数xの定義域のうち、x≧0の変数xの区間を、関数x=s(g) の変数gのg≧0の区間に対応させて、変数xを、x=s(g) の式を使って変数gに置き換えて置換積分する場合を考える。
定義域がg≧0である関数x=s(g)の変数gを媒介変数にして置換積分する場合は、先ずは、被積分関数f(x) の変数xのx≧0の区間内でのみ、被積分関数f(x)の変数xによる積分を変数gによる積分に置換積分できる。
この置換積分により、x≧0の区間で定義された不定積分の解が得られた。
(x<0の区間の不定積分)
x<0の区間の不定積分を以下の様に行なう。すなわち、定義域がu<0である変数uを、uでxを表す関数x=s(u) を使って、x<0の変数xに対応させる置換積分をする。
そして、定義域がu<0である変数uを媒介変数にして、被積分関数f(x) のx<0の区間内での変数xでの積分を、変数uによる積分に置換積分する。
この置換積分により、x<0の区間で定義された不定積分の解が得られた。
以上の、x≧0の区間の、媒介変数gによる不定積分と、x<0の区間の、媒介変数uによる不定積分をつないで、変数xの全領域での被積分関数f(x) の不定積分の解を表す式が得られた。
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不定積分∫f(x)dx を求めるときに,積分変数を変換して積分する事を置換積分法といいます。
置換積分では、変数の変換に伴い、被積分関数が変更されます。その被積分関数の変形を、式が変形し易い分かりやすい単純化したルールに従って行うことが置換積分法のコツです。変数の変換にともない、積分範囲が変更されます。そのことにも、よく注意して置換積分しましょう。
以下では、式が変形し易いルールを説明します。
例えば、以下のパターンの置換積分の第2の定理の適用に慣れてください。
《1つの例》
《もう1つの例》
《更にもう1つの例》
置換積分法は、以下の図の様に、
「積分する微小面積を、変数xでのグラフと変数tのグラフとで同じにして、積分した総面積を同じにする」
ように被積分関数f(x)を被積分関数h(t)に変換するものです。
(置換積分法の第1の定理)
関数f(x)が、変数xのある連結した区間内の全ての実数で定義された、1つながりに連続な関数である場合、
変数xを、微分可能な関数g(t)で、x=g(t)という式で変数tに変換すると、
が成り立つ。
(置換積分の第1の定理おわり)
(置換積分法の第2の定理=逆向きの定理)
置換積分法には、以下の、逆向きの置換積分の定理があります。
xで微分可能な関数s(x)でs=s(x)とした変数sを使った置換積分によって、以下のように変数xを変数sに変換して積分できます。
この、置換積分の第2の定理では、dx部分をdsに置き換えるのと同時に、f(x)部分をp(x)に置き換える際にf(x)をs'(x)で割り算してp(x)にしている。
置換積分して式を変形する課程で、被積分関数では、変数のある値で0になる式が分母に来ても良い、という独特のルールが積分にはあります。そうして良い理由は、大学数学で学ぶ広義積分がその根拠になっている。
(置換積分の第2の定理おわり)
この置換積分の定理(置換積分の公式)は、以下の図の様に、
「積分する微小面積を、変数xでのグラフと変数tのグラフとで同じにすれば、積分した総面積も同じになる」
事を表した定理です。
(必要条件)ΔxもΔtも f(x)Δx=h(t)Δt も微小量であること。
ΔxもΔtもf(x)Δx=h(t)Δt も微小量であることという必要条件が必ず成り立たなければなりません。
公式に付けた条件の、x=g(t)が微分可能であるという条件は、ΔxもΔtも微小量であるために必要な条件を数学的に記述したものです。
また、g(t)が微分可能であるという条件が満足できない場合には、変数xの区間を、公式の条件が完全に満たされる狭められた区間に分割し、その分割した区間毎に置換積分を行なう。それで得た複数の区間毎の不定積分を、分割した区間の端でつないで1つながりに連結した不定積分に拡張する。そうすれば、g(t)が微分可能で無い点で区間を分割して不定積分し、後で各区間の不定積分をつなげば良いので、公式の条件が満足できない場合にも対応できます。
【第1の定理の第1の証明】
(1)先ず、xを媒介変数 t であらわす関数g(t)は、tが変化したときにどのくらい変化するか調べる。
そのため、x=g(t)をtで微分する。
x=g(t)がtで微分可能、すなわち、(Δx/Δt)が有限の値ならば、
Δxが以下の式であらわされる。
(2)その場合に、以下の式が成り立つ。
以上の計算で、g'(t)の値が確定した有限の値でありさえすれば、たとえ、g'(t)が不連続な関数になってもかまわない。
(証明おわり)
【第1の定理の第2の証明】
置換積分法は、合成関数の微分の公式の同類です。
(証明開始)
先ず、
とすると,
である。
そこで
とおき,
を考えると,g(t)が微分可能であれば、
合成関数の微分の公式によって、
となる。
(合成関数の微分の公式はここをクリックした先を参照)
そして、その様にその関数 f(g(t))g'(t) の値が有限の範囲内にあれば、以下の式の左辺の積分が可能である。
(もしg'(t)が連続関数であれば、関数 f(g(t))g'(t) は連続関数になるので微分積分学の基本定理の条件が満足され、以下の式の左辺の積分が確実に可能である)
となります。
(証明おわり)
【第2の定理=逆向きの置換積分の定理】
置換積分の公式の概念は:
(必要条件)ΔxもΔtも f(x)Δx=h(t)Δt も微小量であること。
という概念に基づく公式でした。
(場合1)dx/dt=0の場合
先に証明できた置換積分の第1の定理は、
dx/dt=0
の場合に適用できます。
とすると:
dx/dt=0
の場合にも使える第1の定理:
すなわち、
の場合に:
となる場合に、
を積分範囲に含んで、
が成り立つという置換積分の第1の定理が使えます。
(場合2)dt/dx=0の場合
dt/dx=0
の場合には、
x=g(t)の逆関数の
を使う第2の定理を使います。
すなわち、
の場合に、
となる場合に、
を積分範囲に含んで、
が成り立つので、この式を逆さにした、
という形の式の第2の定理=逆向きの置換積分の定理を使います。
例えば、
以下の積分を考えます。
ここで、以下の様に変数xを関数g(t)を使って変数tに変換する事を考えます。
この場合に、関数x=g(t)のグラフは下図のようになります。
t=1のとき、
g'(t)が無限大になり、有限の微分係数g'(x)=dx/dtが存在しないので、第1の定理が使えません。
その場合には、関数x=g(t)の逆関数t=s(x)を考えて、その関数s(x)の微分s'(x)=dt/dxを考えて、
関数s(x)を使うのであれば、微分係数dt/dx=s'(x)の値が有限の値になるので第2の定理を使う事が多いです。cos(x)=dt/dx=s'(x)としてcos(x)を置き換える以下の計算が行われています。
【望ましい置換積分方法】《積分区間を分割する》
置換積分の関数の条件は、関数を積分する変数の連結区間[a,b]内での条件である。もし、その条件が満足されない場合には、連結区間を狭くした範囲内のみで考えれば、その条件が満足できるようになると認識するべき。
また、置換積分のルールを単純化するために、更に以下の関数の条件を加えても良い。
連結区間(a,b)での関数f(x)の積分を媒介する関数x=g(t)は、単調増加関数か単調減少関数であるものとする。この条件の関数g(t)を用いて置換積分することが望ましいと考える。
そういう関数x=g(t)を用いる条件は、置換積分する関数y=f(x) の変数xの区間(a,b)を細分化するだけで実現できる。その各区間(a,b)毎に、関数y=f(x)の積分を媒介する関数x=g(t)を定義して使えば良い。そうすれば、その関数x=g(t)の逆関数が存在する。それにより置換積分が行ない易くなるので、それが望ましい。
置換積分の変数xを変数tに変換する関数x=g(t) に単調な関数を用いるという条件が大切です。その条件を緩めても置換積分が可能な場合がありますが、関数x=g(t)に単調な関数を用いる事が望ましい。
なぜならば、単調な関数には逆関数が存在するので、積分の計算の見通しが良くなる利点があるからです。
(積分区間を分割して、それぞれで積分する)
媒介関数x=g(t)を単調な関数にするには、変数xの定義域を、関数x=g(t)が単調になる区間毎に分割して、見通しの良い計算をすることが望ましい。その区間毎にx=g(t)が単調な関数になるので、各区間で、x=g(t)の逆関数が存在する。その区間毎に不定積分を求め、それらの不定積分を連結して1つながりに連続な不定積分を求めれば良い。

(1)
考え易い関数を使って置換積分の条件を単純化するために、以下の関数を使うことが望ましい。
すなわち、積分を媒介する関数x=g(t)は、1つながりに連続であって、単調増加関数か単調減少関数であるものとする。
単調増加関数か単調減少関数には必ず逆関数が存在するので、逆関数の概念も使って積分の計算が進められ計算の自由度がとても大きくなる効果があります。
(2)
もし、媒介関数x=g(t)がある積分区間で単調な関数で無ければ、x=g(t)が単調である区間に積分区間を分割する。そうすれば、その分割された積分区間でx=g(t)が単調な関数になる。その各区間毎に置換積分すれば良いのです。
x=g(t)は、すなわち、媒介変数tによる関数x=g(t)の値は、変数xの全部の範囲をカバーしないで良いのです。被積分関数f(x) が変数xによって定められる変数xの全区間の一部の区間をカバーするだけで良いのです。
(3)
変数xの区間(a,b)に限って置換積分して不定積分F(x) を求める。そのxの区間(a,b)に隣接するxの区間(b,c)で置換積分して不定積分F(x) を求める。それらの不定積分の関数F(x) 同士が、 区間(a,b)と区間(b,c)が隣接する境界点bに近づく極限で、不定積分の関数の有限な値の極限値があるか確認する。不定積分の極限値が存在すれば、その極限値を点bでの不定積分の値F(b) と定義する(広義積分をする)。そして、不定積分の関数の区間を連結して(a,c)にし、その区間で定義された不定積分の関数F(x) を得る。
〘不定積分の関数の定義域を連結する例〙(置換積分は行っていないが)複数の区間の不定積分を、区間のつなぎ目でつないで1つの不定積分にする例。

この不定積分の関数は、θ=0の点で、θ<0の区間と、θ>0の区間とに関数が分割されている。
θ=0での関数の極限値を求めて、その点でθ<0の区間と、θ>0の区間をつないで1つの区間にした下式の不定積分を定義する。

不定積分F(x) の、変数xの区間の部分の、確実に置換積分が可能な複数の区間に変数xの定義域を分割した、区間(a,b)や、区間(b,c)で不定積分の関数F(x) を求める。そして、広義積分によって、その区間をつないだ1つの区間で1つながりに連続した不定積分の関数F(x)を作れば良い。

(4)
その様に、後で不定積分の関数F(x) の定義域を連結する事を前提にして、以下の様に、置換積分する被積分関数f(x)を、その変数xを適切に媒介変数tに置換できる関数x=g(t) が有効に使える(分割された)変数xの区間(a,b)を求める。
(A)被積分関数f(x)の変数xのある区間(a,b)で定義される関数f(x) の部分を考え、
(B)また、その変数xの区間(a,b)内の全てのxの値をx=g(t)と表す、a=g(ta), b=g(tb)となる1つながりに連続な関数x=g(t) で、
tの区間の端を除いた連結区間(ta,tb)又は連結区間(tb,ta)の点でtで微分可能な関数x=g(t)を考える。
(C)また、関数x=g(t)の値が、変数tの区間(ta,tb)又は区間(tb,ta)で、単調増加か単調減少であるように、変数tの区間(ta,tb)又は変数tの区間(tb,ta)とxの区間(a,b)を定める。
(D)x=g(t) をtで微分した導関数g'(t)も連続な関数となる(連続微分可能)関数x=g(t)を使う。
(E)それらの条件が成り立つxの区間(a,b)とtの連結区間内で定義される不定積分:
を求める。
(5)
そうして、xの区間(a,b)毎に別々にf(x)の不定積分F(x) を計算する。そして、それらのf(x)の不定積分F(x) の変数xの区間(a,b)と(b,c)の境界点bでの不定積分F(x)の有限な極限値が存在すれば、その極限値を点bでの不定積分の値F(b)と定義する(広義積分)。そして、不定積分F(x) の定義域(a,b)と(b,c)を連結して、(a,c)を定義域にする不定積分の関数F(x) を求める。
このようにして、見通しの良い関数x=g(t) を使って置換積分する事が望ましい。
《変数xを変数gで表す関数x=s(g)の一部を切り出して使う事例》
以下の様に、被積分関数f(x)の変数xでの積分を、変数xの定義域のうち、x≧0の変数xの区間を、関数x=s(g) の変数gのg≧0の区間に対応させて、変数xを、x=s(g) の式を使って変数gに置き換えて置換積分する場合を考える。
定義域がg≧0である関数x=s(g)の変数gを媒介変数にして置換積分する場合は、先ずは、被積分関数f(x) の変数xのx≧0の区間内でのみ、被積分関数f(x)の変数xによる積分を変数gによる積分に置換積分できる。
この置換積分により、x≧0の区間で定義された不定積分の解が得られた。
(x<0の区間の不定積分)
x<0の区間の不定積分を以下の様に行なう。すなわち、定義域がu<0である変数uを、uでxを表す関数x=s(u) を使って、x<0の変数xに対応させる置換積分をする。
そして、定義域がu<0である変数uを媒介変数にして、被積分関数f(x) のx<0の区間内での変数xでの積分を、変数uによる積分に置換積分する。
この置換積分により、x<0の区間で定義された不定積分の解が得られた。
以上の、x≧0の区間の、媒介変数gによる不定積分と、x<0の区間の、媒介変数uによる不定積分をつないで、変数xの全領域での被積分関数f(x) の不定積分の解を表す式が得られた。
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