(事前準備ページへのリンク)
▽置換積分の公式の定義
▽公式の第1の証明
▽公式の第2の証明
▽逆向きの置換積分の公式
▽(別ページ)被積分関数を0で割り算して良いのか?
▽(別ページ)広義積分
▽望ましい置換積分方法(積分区間を分割する)
▽媒介する関数g(t)の条件
〇x=g(t)の関数は単調で無くても良い
〇関数t(x)=t が単調な関数では無い置換積分
〇単調で無い関数 g(x)=g で置換積分する例
□定積分を節約
▽定積分する積分区間を間違えないコツ
▽(別ページ)広義積分を前提にしたtan(x/2)等の置換積分の計算事例
(ここまでが、事前準備ページへのリンク)
(ページ内リンク)
▽自由に変数変換できる置換積分の事例
〇見通しの良い解き方
▽(別ページ)変換する変数を関数で導入しても良い
▽1つのtの値に対して複数の値を持つ不定積分
▽変数変換の不思議
▽(別ページ)形が違う同じ式
▽置換積分の条件はどこまで緩められるか
【関数の微分可能性が公式を制約する】
▽置換積分の公式の定義
▽公式の第1の証明
▽公式の第2の証明
▽逆向きの置換積分の公式
▽(別ページ)被積分関数を0で割り算して良いのか?
▽(別ページ)広義積分
▽望ましい置換積分方法(積分区間を分割する)
▽媒介する関数g(t)の条件
〇x=g(t)の関数は単調で無くても良い
〇関数t(x)=t が単調な関数では無い置換積分
〇単調で無い関数 g(x)=g で置換積分する例
□定積分を節約
▽定積分する積分区間を間違えないコツ
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〇見通しの良い解き方
▽(別ページ)変換する変数を関数で導入しても良い
▽1つのtの値に対して複数の値を持つ不定積分
▽変数変換の不思議
▽(別ページ)形が違う同じ式
▽置換積分の条件はどこまで緩められるか
【関数の微分可能性が公式を制約する】
置換積分の公式は、合成関数の微分の公式を使って証明できます。そのため、合成関数の微分の公式の同類です。
また、それ以外の同様な式で表された式を含む以下の公式群の同類です。
この各公式には、先ず、以下の縛り(成立条件)があります。
その縛りというのは、
「上の式の様に微小量の割り算であらわした式の、ΔhもΔxもΔtも、何れも微小量でなけばならない」
とういう条件です。
(例題)
例えば、
被積分関数(dh/dx)=f(x)の変数xによる積分を、
媒介変数 t と、
媒介関数g(t) =(1/t)= x
を使って置換積分する場合、
Δx=Δg=Δ(1/t)が、
t→0で、微小量にならないから、
t→0の場合には、関数g(t) =(1/t)= x を媒介関数に使うことができません。
(媒介関数g(t)は、t=0で微分可能で無い)
そして、各関数の微分可能条件を(あたりまえの条件のように見えますが)意識する必要がある事に気をつけてください。
「関数が微分可能(有限の値の確定した値の微分係数が存在する)」
という意味は、
「関数が、その変数のその値に限って、その変数で微分可能であれば良く、その変数のその他の値での関数の微分可能性は関係しない」
という意味です。
広義積分では、後で説明するように、変数 x での積分を、媒介変数 t での積分に変換する置換積分の媒介関数g(t)=x の条件を緩められます。
それを考えると、
置換積分を媒介する関数g(t)=x が、t=0近くで、
「媒介関数g(t)=x が、微分不可能な点の t=0 以外の点では微分可能で、t=0 の点も含めて1つながりに連続である」ことが、
広義積分において、被積分関数h(g(t))g'(t)が媒介変数tで積分可能であるために本質的に必要な条件であると考えます。
例題で、媒介関数g(t) =(1/t)を置換積分に使った場合、t=0では、
「媒介関数g(t)が1つながりに連続である」条件が成り立ちません。
そのため、広義積分においても、
t→0の場合には、関数g(t) =(1/t)を使うことができません。
(積分できない変数xの範囲に気をつける)
下図の関数f(x)は、x=0の点では関数f(x)の値が-∞になり、関数が定義されていないで、関数が不連続です。そして、この関数では、x=0を含んだ範囲で積分することはできません。
上図の関数を、上図の様にx=0を含む区間で定積分したら、マイナスの無限大になるので、積分が不可能です。
そのため、上図の関数を、例えば-1から1までの区間で積分する事も不可能です。
そのため、この関数f(x)の不定積分の変数xの定義域の閉区間は、x=0を含む事ができません。
これを無視して、関数f(x)の不定積分F(x)の変数の定義域にx=0を入れてしまうと以下の間違いをおかします。
F(x)=1/xをxで微分したら
になります。
そして、変数xで積分する区間内に、f(x)が発散する点のx=0を含めた、xが-1から1までの区間で、
関数f(x)の定積分を、F(x)を使って、 F(1)-F(-1)=1-(-1)=2
という 計算で求めると、明らかに間違えます。
上の図で明らかな様に、-1から1までの範囲でのf(x)の積分はf(x)のグラフの面積にならなければなりません。そのため、定積分の答えは、マイナス無限大にならなければなりません。そのため、 F(1)-F(-1)=2は、明らかに間違っています。
こういう間違いを、置換積分の計算でもおかさないために、置換積分の計算において、常に、積分範囲が適切であるかに注意しなければなりません。
以下では、被積分関数f(x)の変数xでの不定積分を媒介変数 t での不定積分に置換積分する場合を考えます。
という計算をして不定積分を求める場合に、
積分可能な範囲が、
x<0,
または、
x>0
である事を認識します。
すなわち、式の変形の過程で出てくる
「微分(dx/dt)や(dt/dx)が微分可能となる積分変数xや積分変数tの連結区間の範囲のみで、積分が可能である」
と考えて、
この不定積分を用いて定積分できる積分可能な範囲がどこからどこまでになるかを、注意深く考えながら、
積分の式の変形をしてください。
例えば、1つながりに連続なf(x)の不定積分を、
1つながりに連続なh(t)を使って、以下の計算で求める。
(第1の積分)
その後に、未だ不定積分をしていない、以下の1つながりに連続なf(x)を、以下の1つながりに連続なh(t)を使って、以下の様に不定積分する。
(第2の積分)
以上の2つの不定積分を同時に行なってはいけません。
第1の積分により、第2の積分も終わっていると考えないようにして下さい。
1度に不定積分できる範囲は、関数f(x)が1つながりに連続な区間内のみだからです。
(悩ましい問題)
置換積分に限らず、1度に不定積分できる範囲は、関数f(x)が1つながりに連続な区間内のみです。
以下の、1つながりに連続な関数f(x)の不定積分を、
以下の様にして不定積分する。
(第1の積分)
その後に、未だ不定積分をしていない、以下の1つながりに連続なf(x)を、以下の様に不定積分する。
(第2の積分)
以上の2つの不定積分を、第1の積分により、第2の積分も終わっていると考えないようにしてきたでしょうか。
1度に不定積分できる関数f(x)は、1つの、1つながりに連続な関数だけです。
しかし、今までの不定積分では、x>0の区間で1つながりに連続な関数と、x<0の区間で1つながりに連続な関数を、区別して別々の不定積分としてこなかったと思います。
(その積分では不定積分のルールが守られていないので、悩ましい問題だと思います。)
しかし、置換積分で自由自在に変数変換をするようになると、少しのルール違反も計算を誤らせる事になります。
そのため、置換積分では、そのルール違反はもはや見逃せなくなっています。
なお、関数が不定積分できた積分変数xの積分区間の判定方法は:
不定積分ができた積分変数xの範囲は、
不定積分の関数が、1つながりに連続な連結区間です。
不定積分が1つながりに連結する積分変数xの区間を1単位にし、
その1単位毎の関数は、異なる不定積分の関数とします。
上の例:
(第1の積分)
(第2の積分)
では、
x<0, での t+C という不定積分と、
x>0, での t+C という不定積分とは、
異なる関数だと言えます。
(不定積分を表す関数の変数tの定義域が異なれば異なる関数だからです)
なお、関数 f(x)が定義される変数xの連結区間からはみ出させた値cの点を経由する変数xの積分区間
(始点aから経由点cを経由して終点bまで至る積分区間)
でf(x)を積分した値は、
終点bでの不定積分F(x)の値と始点aでの不定積分F(x)の値の差 F(b)-F(a) とは異なった値になります。
【自由に変数変換できる置換積分の事例】
(事例1)
以下の不定積分を置換積分で求めてみます。
x≧-1の場合に:
【解答】
積分変数xを以下の積分変数tに変換する。
(解答おわり)
この不定積分は、積分変数を、ここをクリックした先のサイトのように変換して解く事もできます。解を得るための積分変数の変換方法は、その様に、かなりの自由度があります。
(事例1おわり)
【いつ置換積分を考えるべきか】
置換積分とは、積分変数の変換です。積分変数の軽い変換、例えば、x→t+Aや、x→2t等の変換をしたらどうなるかは、常に思考実験する(解答には書かないが)心がけが必要です。
次に、それより重い積分変数の変換、例えば、sinx=t 等を試す。
積分変数の軽い変換は、いつだって(解答に書かないでも)思考実験で試して、良い変換を思いついたら、いつでも使えるようにするべきです。
積分変数の軽い変換(x→t+Aや、x→2t 等)を常に思考実験するのは、積分の式の変形の可能な未来を見通すという事であって、解を考える時にはいつでも必要な事です。
積分変数の重い変換も、その次に頻繁に発想し、その重い変換の結果で式がどう変わるかの、変数の変換の経験を憶えていくと良いと思います。
こういう式になったら、x→2t に変換する、というのでは無く、
思考実験でx→2t に変換したら式がきれいになった時に、x→2t に変換する置換積分の式を解答の式に書くのです。
(小手わざ)
以下の様に変換できるという小手わざを覚えておいて使うと計算が楽になると思います。
この小手わざは体で自然に覚えておいて、分母にsin(β)がある関数をβで積分するときに、体が思い出して、β=2θとして変数を t に変換して使うようにできると便利だと思います。
(事例2)
以下の各事例では、置換積分による積分変数の変換がどこまで自由に変換できるかを考えていきます。
考え易い関数を使って置換積分の条件を単純化し、積分を媒介する関数x=g(t)は、単調増加関数か単調減少関数であると限定して考えて良い。
そういう限定をして、単調増加(又は、単調減少な)関数 f(x)と、その逆関数g(y)を考えます。
この場合、以下の積分を以下の様に置換積分する事ができます。
この様に、yをxの関数とした積分を、xをyの関数とした積分に置き換える置換積分が可能です。
同様にして、以下の積分を以下の様に置換積分する事が可能です。
以上の様に、置換積分法では、変数xと変数yを対等であると考えて、変数を置き換えて置換積分します。
変数yが変数xの関数であるとして変数xで積分していた積分を、変数xが変数yの関数であるとして変数yで積分する積分に置き換えるというダイナミックな変数の切り替えを行うのが置換積分法の特徴です。
このような変数変換を利用すると、ここをクリックしたサイトの逆関数の積分も解けるようになります。
(事例2おわり)
(事例3)
以下の様に、変数xでの関数f(x)の積分を、媒介変数gで置換積分する場合を考えてみます。
(注意)
変数xの正と負の定義域を持つ関数g=g(x)は単調な関数では無いので、逆関数を持たない。しかし、変数xが正の定義域でg(x)であると定義された関数は単調な関数なので逆関数を持ちます。xが負の定義域でg(x)であると定義された関数も、同様です。
この被積分関数を積分変数gのみで表そうとすると、以下の2つの場合に分かれます。
第1の場合:
もう1つの場合:
この様に、置換積分の結果が、積分変数xの2つの区間で別れた、異なる積分変数gの式であらわされる、xの定義域が異なる2つの関数になった。
そのため、この解の不定積分を使って定積分する場合は、以下の様に計算します。
(事例3おわり)
この事例3は、解の見通しが良くなかったと思います。見通しの良い解にするには、以下の様に、直接的に媒介関数h(g)=xを導入して解く方が良いと考えます。
(別解)見通しの良い解き方
この解答で使った媒介関数h(g)には、h'(0)が存在しないので、h(g)を媒介関数にした置換積分の公式では、g=0も含めた積分区間で置換積分することができません。
しかし、上の計算では、
を導いて、それで式を置き換えて計算しています。
これは、h(g)の逆関数を媒介関数にして、その媒介関数のxによる微分を行う、逆向きの置換積分の公式を使っているという事を意味します。
逆向きの置換積分の公式では、h(g)がg=0という積分区間の端でも、逆関数の微分が可能であり、h(g)がg=0で微分不可能な問題が回避できています。
(次に考える事)
この解では、x≧0の場合の置換積分をしました。
x<0の場合の置換積分を媒介するもう1つの媒介関数p(g)も導入して、x<0の場合も解きます。
(別解おわり)
こうする事で計算の見通しが良くなりました。
こうして、直接的に媒介関数h(g)=xを導入すると、考え易くなったのは、連結区間[a,b]での関数f(x)の積分を媒介する関数x=h(g)およびx=p(g)は、積分変数gに関する単調増加関数か単調減少関数であることが明示されているからです。
この解き方では、置換積分の区間[a,b]が、x≧0と、x<0の区間に明確に細分化されました。そして、関数f(x)の各区間[a,b]毎に、関数f(x)の積分を媒介する関数x=h(g)とx=p(g)を使い分けることで考え易くなりました。この別解のように解くことは、置換積分の計算の見通しが良い良い解き方だと考えます。
(事例4)
以下の様な置換積分を考えてみます。
ここで、置換積分の公式を使うにあたって、積分変数xを積分変数gに置き換える関数h(g)で使えるのは、この関数h(g)が微分可能である変数gの閉区間[ga,gb]です。
その閉区間に関して、h(g)の、1つながりに連続な関数のみが、使える関数です。
よって、g>0で定義された1つながりに連続な関数h(g)が使える。
また、それとは異なる関数の、u<0で定義された1つながりに連続な関数p(u)が使える。
それらは異なる関数であるので、一緒にまとめて計算してはいけない。
先ず、関数h(g)を使って置換積分する。
次に、関数p(u)を使って置換積分する。
(事例4おわり)
上の解答において、関数h(g)と関数p(u)を一緒にして、t≠0で定義された1つの関数w(t)にしてしまうと、それは、t=0で分断された関数であって、連結区間[ta,tb]で1つながりに連続していないので使えない。
(不定積分できる関数は1つながりに連続な関数)
すなわち、その場合は、置換積分の条件である:
「被積分関数f(x)の積分変数xでの積分を媒介するx=w(t)となる関数w(t)が、xの連結区間[a,b]に対応するtの連結区間[ta,tb]内の全ての実数値のtにおいてtで微分可能」
という条件を満足していないからです。
(重要な注意)
上の解答の計算において、媒介変数gによる置換積分と、媒介変数uによる置換積分が、積分区間の符号が違うだけで、同じ式で表わせます。そのため、その2つの式を一緒にして媒介変数tと、t≠0で定義された1つの媒介関数w(t)を使って置換積分したい誘惑があります。
しかし、その誘惑に引っかかって、通常の不定積分に必要な条件の、不定積分できる関数は1つながりに連続な関数に限る(拡張した不定積分の場合を除く)という条件を無視した解答をするのは誤りです。そういう解答をしない様に注意しましょう。
(広義積分の工夫:妥協策)
媒介変数gによる置換積分と、媒介変数uによる置換積分は一緒にしてはいけないが、各置換積分の結果の変数xで表した不定積分は、広義積分の操作によって、1つながりに連続する関数にまとめる事ができます。
そのため、t>0とt<0の2つの閉区間の2つの関数をまとめて表す関数w(t)を2つの媒介関数の並行した計算として処理し、その2つの媒介関数を使って得た、変数xである2つの不定積分の部分を、1つながりに連続させてつないだ不定積分を計算しても良い。
そのように考えて計算するならば、x=w(t)を使った置換積分の計算も許されると考えます。これは、妥協した意見ではありますが、、、
(妥協案による解答)
ここで、x→0の極限で、
x>0の区間での不定積分と、
x<0の区間での不定積分を
1つながりの関数に連結する広義積分を行い、
x=0の場合も含めた以下の式を得る。

(広義積分の解答を書く場合には、良く説明する必要があります。ただし、高校数学では広義積分を扱わない。)
(解答おわり)
(置換積分を媒介する関数の条件)
なお、ここで、問題になる疑問として、変数xでの積分を媒介するx=w(t)となる関数w(t)が微分可能で無い場合は、
必ず積分不可能になるか、
という疑念があります。
その疑問への答えは、
「広義積分においては、関数w(t)が微分可能で無い点が疎らにあっても積分可能で置換積分の公式が成り立つ」
という答えになります。
疑問に対する答えが、これなので、w(t)が微分可能で無い場合を必ず避けなければならないと言うのは、広義積分においては、積分できない根拠にはならないと言わざるを得ません。
w(t)が微分可能という条件は、広義積分では、それで無ければならない、という必要条件では無く、それならば積分可能性が保障されるという安全弁である十分条件なのです。
そのように積分可能性が保障されている十分条件を満足する積分の解を組み合わせて広義積分に利用すれば良いという、積分の条件だと考えます。
この積分の事例では、変数tで表した不定積分は、t=0で連続な1 つながりに連続な関数では無いので、t>0における不定積分と、t<0における不定積分は異なる連続関数です。
しかし、それを変数xで表した不定積分では、
x→0の極限で、
x>0の区間での不定積分と、
x<0の区間での不定積分を
1つながりの関数に連結する広義積分を行うことで、
x=0の場合も含めた1つながりに連結した1つの連続関数の不定積分が得られる。
(置換積分の条件をどう扱えば良いか)
広義積分まで考慮すると、積分できない事は確実には分からなく、あいまいです。そのため、置換積分は、どの様に行ったら良いか。
それは、確実に置換積分が可能であると保証されている条件が成り立つ積分区間[a,b]毎に置換積分して、その個々の置換積分の結果の不定積分の部分を1つなぎに連続させた不定積分を計算すれば良いのです。
もしかしたら置換積分できるかもしれないが、確実に保証されていない区間は、別途、確実に置換積分が可能な条件が満足される手段を用いて置換積分すれば良いのです。
特に、高校生が置換積分の解答を書く場合は、f(x)が連続で、x=g(t)とする関数g(t)が微分可能でg'(t)も1つながりに連続である連結区間毎に置換積分して解答すべきと考えます。
ただし、g'(t)が存在しない点では、t=s(x)というg(t)の逆関数を使う逆向きの置換積分の公式を使って、g'(t)が存在しない問題を回避して解答します。
(更には、g(t)が単調増加関数か単調減少関数である連結区間に限った方が良いとも考えます。)
【(別ページ)変換する変数を関数で導入しても良い】
【1つのtの値に対して複数の値を持つ不定積分】
sin(x)をcos(x)で積分したらどうなるでしょうか。
重要な注意:
この様に、
sin(x)は、cos(x)=tに対して値が2つある関数です。
そういう関数は、同じ値のtに対して、異なる値の関数を使い分けて積分することになります。
それでは、置換積分を利用してこの問題を解いてみます。
(解答おわり)
(注意)
t=cos(x)の値が、-1から1までの範囲しか無いので、
不定積分∫f(x)dt は、tの定義域が-1から1までに限定された関数です。
その不定積分∫f(x)dtを変数xで表した上の解の式のxの定義域は、tの値が-1から1までになる変数xの範囲です。
その変数x範囲は、マイナス無限大からプラス無限大まで使えます。
t=cos(x)の値が、-1から1までの範囲しか無いのに、
その範囲で積分される被積分関数をxで表した式が、
同じt=cos(x)を与えても、そのtに対応する変数xによる被積分関数sin(x)の値が2つありました。
その結果、-1から1の範囲で積分した不定積分をxで表した式が、同じtに対応しても、xの値が異なる毎に異なる不定積分の値を持つ、不定積分の関数が得られます。
すなわち、不定積分∫f(x)dx=∫f(g(t))g'(t)dtは、与えられた1つのtの値に対して、複数の値を持つ多価関数になっています。
これは、単純な、f(g(t))g'(t)のtによる不定積分の形とは異なった形の解です。
なぜなら、被積分関数f(x)=sinxをtによって積分する被積分関数に変換した関数f(g(t))g'(t)の値が1つのtの値に対して2つあるからです。そして、同じ値のtに対して、異なる値の被積分関数を使い分けて積分するからです。
【変数変換の不思議】
《微分不可能が微分可能に変わる例》
(注意1)関数の変数を変換すると微分不可能な点が微分可能な点に変わることがある。
下図のグラフの関数は、O点では傾きが無限大なのでxで微分不可能です。
(x=0を積分区間に含む関数f(x)の積分を置換積分する関数g(t)には、下図の関数は使えない事に注意)
しかし、変数xを以下のグラフの関係を持つ変数tに変換してみます。
この変数tで元の関数をあらわすと以下のグラフになります。
このグラフはO点で、tで微分可能です。
このように関数の変数を変換する、変数xでは微分不可能だった関数の点が、変数tでは微分可能になる、ということが起こり得ます。
という関係があります。
有限の微分係数が存在する(微分可能)という状態は、変数を変換すると変わることがあります。
それは、微分する変数に応じる「微分可能」という条件が、
いわば、
「式を0で割り算する計算をしてはいけない」
という計算の縛りと似た意味を持つことを意味しています。
(注意2)関数の変数を変換すると微分不可能な点が微分可能な点に変わることがあるもう1つの例を考える。
下図のグラフの関数は、O点では、左側微分係数と右側微分係数が異なるのでxで微分不可能です。
しかし、変数xを以下のグラフの関係を持つ変数tに変換してみます。
この変数tで元の関数をあらわすと以下のグラフになります。
このグラフはO点で、tで微分可能です。
このように関数の変数を変換すると、変数xでは微分不可能だった関数の点が、変数tでは微分可能になる、ということが起こり得ます。
(注意3)関数の変数を変換すると、接する2つグラフが接さない2つのグラフに変換される例を考える。
下の2つの関数のグラフは、O点で同じ微分係数=0を持ち、O点で接しています。
しかし、変数xを以下のグラフの関係を持つ変数tに変換してみます。
(この関数のグラフは、t=0の点での微分係数が無限大になってしまい、t=0では微分可能ではありません)
この変数tで元の2つの関数をあらわすと以下の2つのグラフになります。
元の2つのグラフの変数xを変数tに変換した2つのグラフは、O点で変数tで微分すると異なる微分係数を持ち、O点で接さず交差しています。
変数を変換すると、このように、互いに接する2つのグラフが、接触する点での微分係数が異なる2つのグラフに変わってしまうことがあることに気をつけましょう。
すなわち、「2つの接するグラフが接点において等しい微分係数を持つ」ことが、グラフの座標変換によって変わってしまい2つのグラフの接触点での微分係数が等しく無くなることが有り得ます。
その様なおかしな事が起こる場合は、変数のその値で微分可能では無い関数を使って変数を変換すると生じ得ます。おかしな事が起こらないようにする1つの十分条件として、変数変換に使う関数を、変数のその値で「微分可能」な関数を使えば、変数がその値の部分でのグラフにはおかしな事が起こりません。
「微分可能」は、このようにおかしな事が起こらないようにする十分条件なのです。これが、「微分可能」と「微分不可能」を区別する意味だと考えます。
(交差している2つのグラフが、変数変換すると互いに接する2つのグラフに変わる例)
上図のように、変数tの関数f(t)とg(t)との2つの関数値をY=f(t)、及びY=g(t)とする。
f(t)=t
g(t)=t/2
とする。 この場合に、上図のように、2つのグラフが、tY座標平面上では互いに交差しているだけで、接していない。
このグラフの変数tを以下のグラフの関数であらわす媒介変数xを考える。
変数tをこのグラフの関数であらわす媒介変数Xを使うと、
XY平面上で先の2つのグラフをあらわすと以下の図の様になる。
x≧0の場合に:
関数f(t)=x2
関数g(t)=x2/2
になる。
この様にXY座標平面上では、互いに接する2つのグラフに変換されてしまった。
すなわち、接さずに単に交差しているだけの2つのグラフが、互い接するグラフに変わってしまった。
(無難な変数変換の条件)
tY座標平面上の2つのグラフがある変数値において接するか否かを調べている時に、そのように関数の性質が変わってしまわない、変数tと媒介変数xの変数変換の条件は、その2つのグラフが交差する点の位置の変数値において:
dt/dx ≠ 0
となることが必要です。
また、その関数が”微分可能”であることも必要で、すなわち、その2つのグラフが交差する点の位置の変数値において:
dt/dx ≠ ±∞
も必要です。
この2つの条件を満足する関数で変数変換をするならば、グラフの所定の点での「微分可能」または「微分不可能」というグラフの性質が変数変換の後でも同じに維持されます。
例えば、log(X)という関数は、X=0以外の点では、この2つの条件を満足します。
そのため、この関数を使って変数変換するならば、X=0以外の点では、「微分可能」と「微分不可能」という性質が変わりません。
(関数の性質を変えない変数変換の使用例)
以下の式1であらわされるグラフを考えます。
Y=xa (式1) (定数 a は所定の実数)
この式1であらわされるグラフは、
グラフが滑らかである大部分の変数値xにおいて、
傾きが∞にならない点で、微分可能です。
この式1のグラフの微分可能性は、以下の様に変数変換して調べることもできます。
この式1を関数log(x)で変換すると、
log(Y)=a*log(X) (式2)
に変換されます。
この式2を
Z=log(Y) (Z>0)
t=log(X) (t>0)
で変数変換すると、
Z=a*t (式3) (ただし、Z>0,t>0)
が得られます。
この式3であらわされるグラフは、元の変数であらわされたグラフと、「微分可能」と「微分不可能」という性質が変わりません。
式3のグラフは「微分可能」ですので、元の式1であらわされたグラフも「微分可能」であることがわかります。
なお、置換積分法での解き方が違うと積分の解の式の形が違うことがあります。それは、同じ解の式が異なる形で表れているだけですので、異なる形であっても、その解を受け入れるべきです。
「(別ページ)形が違う同じ式」
【置換積分の条件はどこまで緩められるか】
置換積分の条件になっている、
「関数g(t)が微分可能であること」
という条件は、
「導関数g'(t)が積分可能であること」
という意味で設定された条件でした。
しかし、
g(t)がある1点で微分可能でなくても、
g(t)が1つながりに連続な関数であれば 、
その微分が出来ない1点は無視して、それ以外の関数値
f(g(t))g'(t)
を使って、
tで積分するならば、
不定積分の置換積分の公式:

が成り立つ。
なぜなら、リーマン積分によって関数を微小区間に分割して微小な面積の総和を取る積分の定義を、以下の図の様に変えた積分を定義できるからである。
上の図では、リーマン積分での微小区間の領域を、極限では同じ領域になる少し狭めた領域に変え、その領域の面積の極限を狭める前の微小区間の面積と同じにする。
その微小面積の総和を積分とする広義積分を使う。
こういうふうに微小領域を設定すれば、積分区間の端での関数値が何であるかを無視して積分することができる。
積分区間の端で関数が無限大に発散するような現象も、狭められた領域における、区間の端の近傍の関数値が無限大に発散する事で反映されるので、見逃される事が無い。
広義積分によれば、積分区間の端で媒介関数の微分g'(t)が存在しない場合でも積分ができる。
(広義積分の解答を書く場合には、良く説明する必要があります。ただし、高校数学では広義積分は扱わない。)
また、例えば、
x=g(t)=t, (t≦0)
x=g(t)=2t, (t≧0)
という、t=0では微分できない関数g(t)を使った場合。
g'(t)=1, (t<0)
g'(t)=2, (t>0)
であって、g'(t)は、t=0で連続ではありません。
しかし、g(t)は、t=0 で連続です。
また、t=0の点で(導関数g'(t)が定義されていない)そのtの値の近傍までg'(t)を積分して、その積分の極限値をt=0の点等での値g(0)と定義する広義積分をするならば、
そういう積分を定義して使うならば、
t=0では連続で無い導関数g'(t)を持つ媒介関数g(t)を使っても、
上の式であらわした不定積分の置換積分の公式の右辺の積分が、
t=0の点をまたいだ積分が可能になります。
広義積分によって積分可能になる条件として、以下の条件が考えられる。
「閉区間で積分可能で、かつ、最大値と最大値を持つ(有界であると言う)」関数同士の積の関数も積分可能な関数になります。 そのため、
「関数g(t)が、まばらにある微分不可能な点以外では、微分可能な関数であって、微分不可能な点でも連続で1つながりに連続な関数である」ならば、置換積分の公式が成り立ちます。
また、f(x)も「閉区間で積分可能で、かつ、最大値と最大値を持つ(有界であると言う)」条件が成り立つならば、f(x)が連続でなくても、置換積分の公式が成り立ちます。
結局、置換積分可能の条件を緩める限り緩めれば、以下の条件になる。
「閉区間[a,b]において、積分可能な関数f(x)に関して、
変数x=g(t)とおくとき、
g(t)は、まばらには存在し得る微分不可能な点を除外した点で微分可能であり、微分不可能な点でも連続な1つながりに連続な関数である事。
そして、
関数f(g(t))は、
「閉区間[a,b]で積分可能で、かつ、最大値と最大値を持つ(有界であると言う)」関数である事」
が、広義積分において置換積分の公式が成り立つための、(必要十分条件にかなり近い)十分条件です。
(これが必要条件では無い例の1つは、「変換された被積分関数の性質が変わる」にある積分です。その例でも、広義積分において、置換積分の公式が成り立つからです。)
この条件は、関数のイメージが湧き易い以下の条件に変えると覚え易いかもしれない。
「関数g(t)は、疎らには存在し得る微分不可能な点を除外した点で微分可能である、微分不可能な点でも連続な1つながりに連続な関数であり、
関数f(g(t))は、区間内で数点を除いて連続であり、
その数点でも無限大には発散しない(最大値と最小値を持つ有界な)関数であること」
リンク:
高校数学の目次
また、それ以外の同様な式で表された式を含む以下の公式群の同類です。
この各公式には、先ず、以下の縛り(成立条件)があります。
その縛りというのは、
「上の式の様に微小量の割り算であらわした式の、ΔhもΔxもΔtも、何れも微小量でなけばならない」
とういう条件です。
(例題)
例えば、
被積分関数(dh/dx)=f(x)の変数xによる積分を、
媒介変数 t と、
媒介関数g(t) =(1/t)= x
を使って置換積分する場合、
Δx=Δg=Δ(1/t)が、
t→0で、微小量にならないから、
t→0の場合には、関数g(t) =(1/t)= x を媒介関数に使うことができません。
(媒介関数g(t)は、t=0で微分可能で無い)
そして、各関数の微分可能条件を(あたりまえの条件のように見えますが)意識する必要がある事に気をつけてください。
「関数が微分可能(有限の値の確定した値の微分係数が存在する)」
という意味は、
「関数が、その変数のその値に限って、その変数で微分可能であれば良く、その変数のその他の値での関数の微分可能性は関係しない」
という意味です。
広義積分では、後で説明するように、変数 x での積分を、媒介変数 t での積分に変換する置換積分の媒介関数g(t)=x の条件を緩められます。
それを考えると、
置換積分を媒介する関数g(t)=x が、t=0近くで、
「媒介関数g(t)=x が、微分不可能な点の t=0 以外の点では微分可能で、t=0 の点も含めて1つながりに連続である」ことが、
広義積分において、被積分関数h(g(t))g'(t)が媒介変数tで積分可能であるために本質的に必要な条件であると考えます。
例題で、媒介関数g(t) =(1/t)を置換積分に使った場合、t=0では、
「媒介関数g(t)が1つながりに連続である」条件が成り立ちません。
そのため、広義積分においても、
t→0の場合には、関数g(t) =(1/t)を使うことができません。
(積分できない変数xの範囲に気をつける)
下図の関数f(x)は、x=0の点では関数f(x)の値が-∞になり、関数が定義されていないで、関数が不連続です。そして、この関数では、x=0を含んだ範囲で積分することはできません。
上図の関数を、上図の様にx=0を含む区間で定積分したら、マイナスの無限大になるので、積分が不可能です。
そのため、上図の関数を、例えば-1から1までの区間で積分する事も不可能です。
そのため、この関数f(x)の不定積分の変数xの定義域の閉区間は、x=0を含む事ができません。
これを無視して、関数f(x)の不定積分F(x)の変数の定義域にx=0を入れてしまうと以下の間違いをおかします。
F(x)=1/xをxで微分したら
になります。
そして、変数xで積分する区間内に、f(x)が発散する点のx=0を含めた、xが-1から1までの区間で、
関数f(x)の定積分を、F(x)を使って、 F(1)-F(-1)=1-(-1)=2
という 計算で求めると、明らかに間違えます。
上の図で明らかな様に、-1から1までの範囲でのf(x)の積分はf(x)のグラフの面積にならなければなりません。そのため、定積分の答えは、マイナス無限大にならなければなりません。そのため、 F(1)-F(-1)=2は、明らかに間違っています。
こういう間違いを、置換積分の計算でもおかさないために、置換積分の計算において、常に、積分範囲が適切であるかに注意しなければなりません。
以下では、被積分関数f(x)の変数xでの不定積分を媒介変数 t での不定積分に置換積分する場合を考えます。
という計算をして不定積分を求める場合に、
積分可能な範囲が、
x<0,
または、
x>0
である事を認識します。
すなわち、式の変形の過程で出てくる
「微分(dx/dt)や(dt/dx)が微分可能となる積分変数xや積分変数tの連結区間の範囲のみで、積分が可能である」
と考えて、
この不定積分を用いて定積分できる積分可能な範囲がどこからどこまでになるかを、注意深く考えながら、
積分の式の変形をしてください。
例えば、1つながりに連続なf(x)の不定積分を、
1つながりに連続なh(t)を使って、以下の計算で求める。
(第1の積分)
その後に、未だ不定積分をしていない、以下の1つながりに連続なf(x)を、以下の1つながりに連続なh(t)を使って、以下の様に不定積分する。
(第2の積分)
以上の2つの不定積分を同時に行なってはいけません。
第1の積分により、第2の積分も終わっていると考えないようにして下さい。
1度に不定積分できる範囲は、関数f(x)が1つながりに連続な区間内のみだからです。
(悩ましい問題)
置換積分に限らず、1度に不定積分できる範囲は、関数f(x)が1つながりに連続な区間内のみです。
以下の、1つながりに連続な関数f(x)の不定積分を、
以下の様にして不定積分する。
(第1の積分)
その後に、未だ不定積分をしていない、以下の1つながりに連続なf(x)を、以下の様に不定積分する。
(第2の積分)
以上の2つの不定積分を、第1の積分により、第2の積分も終わっていると考えないようにしてきたでしょうか。
1度に不定積分できる関数f(x)は、1つの、1つながりに連続な関数だけです。
しかし、今までの不定積分では、x>0の区間で1つながりに連続な関数と、x<0の区間で1つながりに連続な関数を、区別して別々の不定積分としてこなかったと思います。
(その積分では不定積分のルールが守られていないので、悩ましい問題だと思います。)
しかし、置換積分で自由自在に変数変換をするようになると、少しのルール違反も計算を誤らせる事になります。
そのため、置換積分では、そのルール違反はもはや見逃せなくなっています。
なお、関数が不定積分できた積分変数xの積分区間の判定方法は:
不定積分ができた積分変数xの範囲は、
不定積分の関数が、1つながりに連続な連結区間です。
不定積分が1つながりに連結する積分変数xの区間を1単位にし、
その1単位毎の関数は、異なる不定積分の関数とします。
上の例:
(第1の積分)
(第2の積分)
では、
x<0, での t+C という不定積分と、
x>0, での t+C という不定積分とは、
異なる関数だと言えます。
(不定積分を表す関数の変数tの定義域が異なれば異なる関数だからです)
なお、関数 f(x)が定義される変数xの連結区間からはみ出させた値cの点を経由する変数xの積分区間
(始点aから経由点cを経由して終点bまで至る積分区間)
でf(x)を積分した値は、
終点bでの不定積分F(x)の値と始点aでの不定積分F(x)の値の差 F(b)-F(a) とは異なった値になります。
【自由に変数変換できる置換積分の事例】
(事例1)
以下の不定積分を置換積分で求めてみます。
x≧-1の場合に:
【解答】
積分変数xを以下の積分変数tに変換する。
(解答おわり)
この不定積分は、積分変数を、ここをクリックした先のサイトのように変換して解く事もできます。解を得るための積分変数の変換方法は、その様に、かなりの自由度があります。
(事例1おわり)
【いつ置換積分を考えるべきか】
置換積分とは、積分変数の変換です。積分変数の軽い変換、例えば、x→t+Aや、x→2t等の変換をしたらどうなるかは、常に思考実験する(解答には書かないが)心がけが必要です。
次に、それより重い積分変数の変換、例えば、sinx=t 等を試す。
積分変数の軽い変換は、いつだって(解答に書かないでも)思考実験で試して、良い変換を思いついたら、いつでも使えるようにするべきです。
積分変数の軽い変換(x→t+Aや、x→2t 等)を常に思考実験するのは、積分の式の変形の可能な未来を見通すという事であって、解を考える時にはいつでも必要な事です。
積分変数の重い変換も、その次に頻繁に発想し、その重い変換の結果で式がどう変わるかの、変数の変換の経験を憶えていくと良いと思います。
こういう式になったら、x→2t に変換する、というのでは無く、
思考実験でx→2t に変換したら式がきれいになった時に、x→2t に変換する置換積分の式を解答の式に書くのです。
(小手わざ)
以下の様に変換できるという小手わざを覚えておいて使うと計算が楽になると思います。
この小手わざは体で自然に覚えておいて、分母にsin(β)がある関数をβで積分するときに、体が思い出して、β=2θとして変数を t に変換して使うようにできると便利だと思います。
(事例2)
以下の各事例では、置換積分による積分変数の変換がどこまで自由に変換できるかを考えていきます。
考え易い関数を使って置換積分の条件を単純化し、積分を媒介する関数x=g(t)は、単調増加関数か単調減少関数であると限定して考えて良い。
そういう限定をして、単調増加(又は、単調減少な)関数 f(x)と、その逆関数g(y)を考えます。
この場合、以下の積分を以下の様に置換積分する事ができます。
この様に、yをxの関数とした積分を、xをyの関数とした積分に置き換える置換積分が可能です。
同様にして、以下の積分を以下の様に置換積分する事が可能です。
以上の様に、置換積分法では、変数xと変数yを対等であると考えて、変数を置き換えて置換積分します。
変数yが変数xの関数であるとして変数xで積分していた積分を、変数xが変数yの関数であるとして変数yで積分する積分に置き換えるというダイナミックな変数の切り替えを行うのが置換積分法の特徴です。
このような変数変換を利用すると、ここをクリックしたサイトの逆関数の積分も解けるようになります。
(事例2おわり)
(事例3)
以下の様に、変数xでの関数f(x)の積分を、媒介変数gで置換積分する場合を考えてみます。
(注意)
変数xの正と負の定義域を持つ関数g=g(x)は単調な関数では無いので、逆関数を持たない。しかし、変数xが正の定義域でg(x)であると定義された関数は単調な関数なので逆関数を持ちます。xが負の定義域でg(x)であると定義された関数も、同様です。
この被積分関数を積分変数gのみで表そうとすると、以下の2つの場合に分かれます。
第1の場合:
もう1つの場合:
この様に、置換積分の結果が、積分変数xの2つの区間で別れた、異なる積分変数gの式であらわされる、xの定義域が異なる2つの関数になった。
そのため、この解の不定積分を使って定積分する場合は、以下の様に計算します。
(事例3おわり)
この事例3は、解の見通しが良くなかったと思います。見通しの良い解にするには、以下の様に、直接的に媒介関数h(g)=xを導入して解く方が良いと考えます。
(別解)見通しの良い解き方
この解答で使った媒介関数h(g)には、h'(0)が存在しないので、h(g)を媒介関数にした置換積分の公式では、g=0も含めた積分区間で置換積分することができません。
しかし、上の計算では、
を導いて、それで式を置き換えて計算しています。
これは、h(g)の逆関数を媒介関数にして、その媒介関数のxによる微分を行う、逆向きの置換積分の公式を使っているという事を意味します。
逆向きの置換積分の公式では、h(g)がg=0という積分区間の端でも、逆関数の微分が可能であり、h(g)がg=0で微分不可能な問題が回避できています。
(次に考える事)
この解では、x≧0の場合の置換積分をしました。
x<0の場合の置換積分を媒介するもう1つの媒介関数p(g)も導入して、x<0の場合も解きます。
(別解おわり)
こうする事で計算の見通しが良くなりました。
こうして、直接的に媒介関数h(g)=xを導入すると、考え易くなったのは、連結区間[a,b]での関数f(x)の積分を媒介する関数x=h(g)およびx=p(g)は、積分変数gに関する単調増加関数か単調減少関数であることが明示されているからです。
この解き方では、置換積分の区間[a,b]が、x≧0と、x<0の区間に明確に細分化されました。そして、関数f(x)の各区間[a,b]毎に、関数f(x)の積分を媒介する関数x=h(g)とx=p(g)を使い分けることで考え易くなりました。この別解のように解くことは、置換積分の計算の見通しが良い良い解き方だと考えます。
(事例4)
以下の様な置換積分を考えてみます。
ここで、置換積分の公式を使うにあたって、積分変数xを積分変数gに置き換える関数h(g)で使えるのは、この関数h(g)が微分可能である変数gの閉区間[ga,gb]です。
その閉区間に関して、h(g)の、1つながりに連続な関数のみが、使える関数です。
よって、g>0で定義された1つながりに連続な関数h(g)が使える。
また、それとは異なる関数の、u<0で定義された1つながりに連続な関数p(u)が使える。
それらは異なる関数であるので、一緒にまとめて計算してはいけない。
先ず、関数h(g)を使って置換積分する。
次に、関数p(u)を使って置換積分する。
(事例4おわり)
上の解答において、関数h(g)と関数p(u)を一緒にして、t≠0で定義された1つの関数w(t)にしてしまうと、それは、t=0で分断された関数であって、連結区間[ta,tb]で1つながりに連続していないので使えない。
(不定積分できる関数は1つながりに連続な関数)
すなわち、その場合は、置換積分の条件である:
「被積分関数f(x)の積分変数xでの積分を媒介するx=w(t)となる関数w(t)が、xの連結区間[a,b]に対応するtの連結区間[ta,tb]内の全ての実数値のtにおいてtで微分可能」
という条件を満足していないからです。
(重要な注意)
上の解答の計算において、媒介変数gによる置換積分と、媒介変数uによる置換積分が、積分区間の符号が違うだけで、同じ式で表わせます。そのため、その2つの式を一緒にして媒介変数tと、t≠0で定義された1つの媒介関数w(t)を使って置換積分したい誘惑があります。
しかし、その誘惑に引っかかって、通常の不定積分に必要な条件の、不定積分できる関数は1つながりに連続な関数に限る(拡張した不定積分の場合を除く)という条件を無視した解答をするのは誤りです。そういう解答をしない様に注意しましょう。
(広義積分の工夫:妥協策)
媒介変数gによる置換積分と、媒介変数uによる置換積分は一緒にしてはいけないが、各置換積分の結果の変数xで表した不定積分は、広義積分の操作によって、1つながりに連続する関数にまとめる事ができます。
そのため、t>0とt<0の2つの閉区間の2つの関数をまとめて表す関数w(t)を2つの媒介関数の並行した計算として処理し、その2つの媒介関数を使って得た、変数xである2つの不定積分の部分を、1つながりに連続させてつないだ不定積分を計算しても良い。
そのように考えて計算するならば、x=w(t)を使った置換積分の計算も許されると考えます。これは、妥協した意見ではありますが、、、
(妥協案による解答)
ここで、x→0の極限で、
x>0の区間での不定積分と、
x<0の区間での不定積分を
1つながりの関数に連結する広義積分を行い、
x=0の場合も含めた以下の式を得る。
(広義積分の解答を書く場合には、良く説明する必要があります。ただし、高校数学では広義積分を扱わない。)
(解答おわり)
(置換積分を媒介する関数の条件)
なお、ここで、問題になる疑問として、変数xでの積分を媒介するx=w(t)となる関数w(t)が微分可能で無い場合は、
必ず積分不可能になるか、
という疑念があります。
その疑問への答えは、
「広義積分においては、関数w(t)が微分可能で無い点が疎らにあっても積分可能で置換積分の公式が成り立つ」
という答えになります。
疑問に対する答えが、これなので、w(t)が微分可能で無い場合を必ず避けなければならないと言うのは、広義積分においては、積分できない根拠にはならないと言わざるを得ません。
w(t)が微分可能という条件は、広義積分では、それで無ければならない、という必要条件では無く、それならば積分可能性が保障されるという安全弁である十分条件なのです。
そのように積分可能性が保障されている十分条件を満足する積分の解を組み合わせて広義積分に利用すれば良いという、積分の条件だと考えます。
この積分の事例では、変数tで表した不定積分は、t=0で連続な1 つながりに連続な関数では無いので、t>0における不定積分と、t<0における不定積分は異なる連続関数です。
しかし、それを変数xで表した不定積分では、
x→0の極限で、
x>0の区間での不定積分と、
x<0の区間での不定積分を
1つながりの関数に連結する広義積分を行うことで、
x=0の場合も含めた1つながりに連結した1つの連続関数の不定積分が得られる。
(置換積分の条件をどう扱えば良いか)
広義積分まで考慮すると、積分できない事は確実には分からなく、あいまいです。そのため、置換積分は、どの様に行ったら良いか。
それは、確実に置換積分が可能であると保証されている条件が成り立つ積分区間[a,b]毎に置換積分して、その個々の置換積分の結果の不定積分の部分を1つなぎに連続させた不定積分を計算すれば良いのです。
もしかしたら置換積分できるかもしれないが、確実に保証されていない区間は、別途、確実に置換積分が可能な条件が満足される手段を用いて置換積分すれば良いのです。
特に、高校生が置換積分の解答を書く場合は、f(x)が連続で、x=g(t)とする関数g(t)が微分可能でg'(t)も1つながりに連続である連結区間毎に置換積分して解答すべきと考えます。
ただし、g'(t)が存在しない点では、t=s(x)というg(t)の逆関数を使う逆向きの置換積分の公式を使って、g'(t)が存在しない問題を回避して解答します。
(更には、g(t)が単調増加関数か単調減少関数である連結区間に限った方が良いとも考えます。)
【(別ページ)変換する変数を関数で導入しても良い】
【1つのtの値に対して複数の値を持つ不定積分】
sin(x)をcos(x)で積分したらどうなるでしょうか。
重要な注意:
この様に、
sin(x)は、cos(x)=tに対して値が2つある関数です。
そういう関数は、同じ値のtに対して、異なる値の関数を使い分けて積分することになります。
それでは、置換積分を利用してこの問題を解いてみます。
(解答おわり)
(注意)
t=cos(x)の値が、-1から1までの範囲しか無いので、
不定積分∫f(x)dt は、tの定義域が-1から1までに限定された関数です。
その不定積分∫f(x)dtを変数xで表した上の解の式のxの定義域は、tの値が-1から1までになる変数xの範囲です。
その変数x範囲は、マイナス無限大からプラス無限大まで使えます。
t=cos(x)の値が、-1から1までの範囲しか無いのに、
その範囲で積分される被積分関数をxで表した式が、
同じt=cos(x)を与えても、そのtに対応する変数xによる被積分関数sin(x)の値が2つありました。
その結果、-1から1の範囲で積分した不定積分をxで表した式が、同じtに対応しても、xの値が異なる毎に異なる不定積分の値を持つ、不定積分の関数が得られます。
すなわち、不定積分∫f(x)dx=∫f(g(t))g'(t)dtは、与えられた1つのtの値に対して、複数の値を持つ多価関数になっています。
これは、単純な、f(g(t))g'(t)のtによる不定積分の形とは異なった形の解です。
なぜなら、被積分関数f(x)=sinxをtによって積分する被積分関数に変換した関数f(g(t))g'(t)の値が1つのtの値に対して2つあるからです。そして、同じ値のtに対して、異なる値の被積分関数を使い分けて積分するからです。
【変数変換の不思議】
《微分不可能が微分可能に変わる例》
(注意1)関数の変数を変換すると微分不可能な点が微分可能な点に変わることがある。
下図のグラフの関数は、O点では傾きが無限大なのでxで微分不可能です。
(x=0を積分区間に含む関数f(x)の積分を置換積分する関数g(t)には、下図の関数は使えない事に注意)
しかし、変数xを以下のグラフの関係を持つ変数tに変換してみます。
この変数tで元の関数をあらわすと以下のグラフになります。
このグラフはO点で、tで微分可能です。
このように関数の変数を変換する、変数xでは微分不可能だった関数の点が、変数tでは微分可能になる、ということが起こり得ます。
という関係があります。
有限の微分係数が存在する(微分可能)という状態は、変数を変換すると変わることがあります。
それは、微分する変数に応じる「微分可能」という条件が、
いわば、
「式を0で割り算する計算をしてはいけない」
という計算の縛りと似た意味を持つことを意味しています。
(注意2)関数の変数を変換すると微分不可能な点が微分可能な点に変わることがあるもう1つの例を考える。
下図のグラフの関数は、O点では、左側微分係数と右側微分係数が異なるのでxで微分不可能です。
しかし、変数xを以下のグラフの関係を持つ変数tに変換してみます。
この変数tで元の関数をあらわすと以下のグラフになります。
このグラフはO点で、tで微分可能です。
このように関数の変数を変換すると、変数xでは微分不可能だった関数の点が、変数tでは微分可能になる、ということが起こり得ます。
(注意3)関数の変数を変換すると、接する2つグラフが接さない2つのグラフに変換される例を考える。
下の2つの関数のグラフは、O点で同じ微分係数=0を持ち、O点で接しています。
しかし、変数xを以下のグラフの関係を持つ変数tに変換してみます。
(この関数のグラフは、t=0の点での微分係数が無限大になってしまい、t=0では微分可能ではありません)
この変数tで元の2つの関数をあらわすと以下の2つのグラフになります。
元の2つのグラフの変数xを変数tに変換した2つのグラフは、O点で変数tで微分すると異なる微分係数を持ち、O点で接さず交差しています。
変数を変換すると、このように、互いに接する2つのグラフが、接触する点での微分係数が異なる2つのグラフに変わってしまうことがあることに気をつけましょう。
すなわち、「2つの接するグラフが接点において等しい微分係数を持つ」ことが、グラフの座標変換によって変わってしまい2つのグラフの接触点での微分係数が等しく無くなることが有り得ます。
その様なおかしな事が起こる場合は、変数のその値で微分可能では無い関数を使って変数を変換すると生じ得ます。おかしな事が起こらないようにする1つの十分条件として、変数変換に使う関数を、変数のその値で「微分可能」な関数を使えば、変数がその値の部分でのグラフにはおかしな事が起こりません。
「微分可能」は、このようにおかしな事が起こらないようにする十分条件なのです。これが、「微分可能」と「微分不可能」を区別する意味だと考えます。
(交差している2つのグラフが、変数変換すると互いに接する2つのグラフに変わる例)
上図のように、変数tの関数f(t)とg(t)との2つの関数値をY=f(t)、及びY=g(t)とする。
f(t)=t
g(t)=t/2
とする。 この場合に、上図のように、2つのグラフが、tY座標平面上では互いに交差しているだけで、接していない。
このグラフの変数tを以下のグラフの関数であらわす媒介変数xを考える。
変数tをこのグラフの関数であらわす媒介変数Xを使うと、
XY平面上で先の2つのグラフをあらわすと以下の図の様になる。
x≧0の場合に:
関数f(t)=x2
関数g(t)=x2/2
になる。
この様にXY座標平面上では、互いに接する2つのグラフに変換されてしまった。
すなわち、接さずに単に交差しているだけの2つのグラフが、互い接するグラフに変わってしまった。
(無難な変数変換の条件)
tY座標平面上の2つのグラフがある変数値において接するか否かを調べている時に、そのように関数の性質が変わってしまわない、変数tと媒介変数xの変数変換の条件は、その2つのグラフが交差する点の位置の変数値において:
dt/dx ≠ 0
となることが必要です。
また、その関数が”微分可能”であることも必要で、すなわち、その2つのグラフが交差する点の位置の変数値において:
dt/dx ≠ ±∞
も必要です。
この2つの条件を満足する関数で変数変換をするならば、グラフの所定の点での「微分可能」または「微分不可能」というグラフの性質が変数変換の後でも同じに維持されます。
例えば、log(X)という関数は、X=0以外の点では、この2つの条件を満足します。
そのため、この関数を使って変数変換するならば、X=0以外の点では、「微分可能」と「微分不可能」という性質が変わりません。
(関数の性質を変えない変数変換の使用例)
以下の式1であらわされるグラフを考えます。
Y=xa (式1) (定数 a は所定の実数)
この式1であらわされるグラフは、
グラフが滑らかである大部分の変数値xにおいて、
傾きが∞にならない点で、微分可能です。
この式1のグラフの微分可能性は、以下の様に変数変換して調べることもできます。
この式1を関数log(x)で変換すると、
log(Y)=a*log(X) (式2)
に変換されます。
この式2を
Z=log(Y) (Z>0)
t=log(X) (t>0)
で変数変換すると、
Z=a*t (式3) (ただし、Z>0,t>0)
が得られます。
この式3であらわされるグラフは、元の変数であらわされたグラフと、「微分可能」と「微分不可能」という性質が変わりません。
式3のグラフは「微分可能」ですので、元の式1であらわされたグラフも「微分可能」であることがわかります。
なお、置換積分法での解き方が違うと積分の解の式の形が違うことがあります。それは、同じ解の式が異なる形で表れているだけですので、異なる形であっても、その解を受け入れるべきです。
「(別ページ)形が違う同じ式」
【置換積分の条件はどこまで緩められるか】
置換積分の条件になっている、
「関数g(t)が微分可能であること」
という条件は、
「導関数g'(t)が積分可能であること」
という意味で設定された条件でした。
しかし、
g(t)がある1点で微分可能でなくても、
g(t)が1つながりに連続な関数であれば 、
その微分が出来ない1点は無視して、それ以外の関数値
f(g(t))g'(t)
を使って、
tで積分するならば、
不定積分の置換積分の公式:
が成り立つ。
なぜなら、リーマン積分によって関数を微小区間に分割して微小な面積の総和を取る積分の定義を、以下の図の様に変えた積分を定義できるからである。
上の図では、リーマン積分での微小区間の領域を、極限では同じ領域になる少し狭めた領域に変え、その領域の面積の極限を狭める前の微小区間の面積と同じにする。
その微小面積の総和を積分とする広義積分を使う。
こういうふうに微小領域を設定すれば、積分区間の端での関数値が何であるかを無視して積分することができる。
積分区間の端で関数が無限大に発散するような現象も、狭められた領域における、区間の端の近傍の関数値が無限大に発散する事で反映されるので、見逃される事が無い。
広義積分によれば、積分区間の端で媒介関数の微分g'(t)が存在しない場合でも積分ができる。
(広義積分の解答を書く場合には、良く説明する必要があります。ただし、高校数学では広義積分は扱わない。)
また、例えば、
x=g(t)=t, (t≦0)
x=g(t)=2t, (t≧0)
という、t=0では微分できない関数g(t)を使った場合。
g'(t)=1, (t<0)
g'(t)=2, (t>0)
であって、g'(t)は、t=0で連続ではありません。
しかし、g(t)は、t=0 で連続です。
また、t=0の点で(導関数g'(t)が定義されていない)そのtの値の近傍までg'(t)を積分して、その積分の極限値をt=0の点等での値g(0)と定義する広義積分をするならば、
そういう積分を定義して使うならば、
t=0では連続で無い導関数g'(t)を持つ媒介関数g(t)を使っても、
上の式であらわした不定積分の置換積分の公式の右辺の積分が、
t=0の点をまたいだ積分が可能になります。
広義積分によって積分可能になる条件として、以下の条件が考えられる。
「閉区間で積分可能で、かつ、最大値と最大値を持つ(有界であると言う)」関数同士の積の関数も積分可能な関数になります。 そのため、
「関数g(t)が、まばらにある微分不可能な点以外では、微分可能な関数であって、微分不可能な点でも連続で1つながりに連続な関数である」ならば、置換積分の公式が成り立ちます。
また、f(x)も「閉区間で積分可能で、かつ、最大値と最大値を持つ(有界であると言う)」条件が成り立つならば、f(x)が連続でなくても、置換積分の公式が成り立ちます。
結局、置換積分可能の条件を緩める限り緩めれば、以下の条件になる。
「閉区間[a,b]において、積分可能な関数f(x)に関して、
変数x=g(t)とおくとき、
g(t)は、まばらには存在し得る微分不可能な点を除外した点で微分可能であり、微分不可能な点でも連続な1つながりに連続な関数である事。
そして、
関数f(g(t))は、
「閉区間[a,b]で積分可能で、かつ、最大値と最大値を持つ(有界であると言う)」関数である事」
が、広義積分において置換積分の公式が成り立つための、(必要十分条件にかなり近い)十分条件です。
(これが必要条件では無い例の1つは、「変換された被積分関数の性質が変わる」にある積分です。その例でも、広義積分において、置換積分の公式が成り立つからです。)
この条件は、関数のイメージが湧き易い以下の条件に変えると覚え易いかもしれない。
「関数g(t)は、疎らには存在し得る微分不可能な点を除外した点で微分可能である、微分不可能な点でも連続な1つながりに連続な関数であり、
関数f(g(t))は、区間内で数点を除いて連続であり、
その数点でも無限大には発散しない(最大値と最小値を持つ有界な)関数であること」
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