2011年11月20日日曜日

(2)1のn乗根を複素数平面で求める




佐藤の数学教科書「式と証明・複素数」編の勉強
第5講 高次方程式

《ページ内リンク》
▷1の4乗根
▷1の5乗根
▷1の3乗根(ページ外にリンク)
▷実数の指数法則と複素数の指数法則

【問1】X4=1の解を求めよ。
X4-1=0

この方程式の4つの解を複素数平面上で表示すると、以下の図のようになります。

上の図で、
X0=1,X1=i,X2=-1,X3=-iが、
X4-1=0
の4つの解です。
X1は、複素数平面上で、0と1を結ぶ実軸上の線分から原点を中心にして単位円上を左回りに90度(π/2ラジアン)回転した位置にあり、更に、順次に90度回転した位置が、この方程式の解です。

X1と0を結ぶ直線が0と1を結ぶ実軸上の線分と成す角90度を4倍すれば360度になり、実軸に戻ります。
X2と0を結ぶ直線が0と1を結ぶ実軸上の線分と成す角180度を4倍 すれば360度×2になり、実軸に戻ります。
X3と0を結ぶ直線が0と1を結ぶ実軸上の線分と成す角270度を4倍 すれば360度×3になり、実軸に戻ります。

複素数を4乗するということは同じ複素数を4回掛け算することであり、複素数の掛け算では偏角が足し算されるので、複素数を4乗すれば、その複素数の偏角が4回足し算されて4倍になりました。
すなわち、
X4=1の複素数の解は、1の偏角を360度、360度×2、360度×3と考えて、その偏角を4分の1の90度、180度、270度にし、その偏角を持つ絶対値1の複素数の値を図から求めれば、それがX4=1の複素数の解になります。

【問2】X5=1の解を求めよ。
X5-1=0

この方程式の5つの解を複素数平面上で表示すると、以下の図のようになります。

上の図で、

が、X5-1=0
の5つの解です。
X1は、複素数平面上で、0と1を結ぶ実軸上の線分から原点を中心にして単位円上を左回りに2π/5ラジアン回転した位置にあり、更に、順次に2π/5rラジアン回転した位置が、この方程式の解です。

X1と0を結ぶ直線が0と1を結ぶ実軸上の線分と成す角2π/5ラジアンを5倍すれば2πになり、実軸に戻ります。
X2と0を結ぶ直線が0と1を結ぶ実軸上の線分と成す角2π×(2/5)ラジアンを5倍すれば2π×2になり、実軸に戻ります。
以下、同様に、X3とX4は、2π×3、2π×4になり、実軸に戻ります。

結局、
X5=1の複素数の解は、2π/5ラジアン×整数倍の偏角を持つ絶対値1の複素数の値を図から求めれば、それがX5=1の複素数の解になります。

同様に考えることで、
Xn=1の複素数の解は、2π/nラジアン×整数倍の偏角を持つ絶対値1の複素数の値を図から求めれば、それがXn=1の複素数の解になります。
すなわち、値1の点を頂点の1つにする正n角形の各頂点が、その方程式の解になります。 

【問2(b)】X5=1の解を、三角関数の値も計算して求めること。

この解の求め方を次のページで解説します。

 しかし、次のページを直ぐには見ないで、
しばらくここに留まって、この解を自力で求める努力をしてください。

《実数の指数法則と複素数の指数法則》
 なお、1の3乗根の基本単位や1の5乗根の基本単位は以下の式で表すのが良いと思います。


そうすると、1の2乗根の基本単位の値も、1とするよりは、以下の式で表した方が良いと思います。

そして、以下の演算が成り立つと考えられます。

今後は、以下の様に、1の2乗根は基本単位で表して計算すると良い。そうすると√ は正の値を表すものとした表現ルールに合わなくなる(そもそも正の数では無い虚数を√ 記号で表した時点でルール違反)ので√ 記号は使わず2分の1乗記号で表した1の2乗根の基本単位を使って計算した方が良いと思います。

しかし、指数法則

が使えるためには、

と展開しても矛盾させないために、

(1の有理数乗や実数乗は全て1)とせざるを得ないので、悩ましい問題です。

という矛盾も起こさないようにする必要もあります。

という矛盾もだめです。
 それらの矛盾を回避するためには、指数法則


と、

は、
a>0, b>0, (指数の底は必ず正にする)
の場合に限って使えるように制限することによって、上の式の問題を回避します。これが、実数の指数法則です。
 一方、虚数iの演算は、虚数記号iを使って、その記号の演算ルールで計算することにし、実数の指数法則は虚数の演算には関与させない(複素数の指数法則は後で説明する)ことで問題を回避します。
 複素数の指数法則は、以下の様に実数の指数法則を拡張します。複素数zは、以下の式のように、ネイピア数(正の実数です)の複素数乗であらわします。


この形で表した複素数は、ネイピア数が正の数なので、指数の底が正の実数であるという指数法則の基本条件を満足しています。指数関数の底は正の実数のままにして、指数だけを複素数まで拡張して指数法則を拡張します。複素数の指数法則の下でも、1の複素数乗は1になります。
そして、1の2つの2乗根を以下の計算で求めます。


1の2乗根を求めるために指数法則を適用する1は底がeであって、指数が異なる2つの数に分けて扱います。こうすれば、1の2乗根の1つを-1にでき、もう1つを1にできます。
 また、以下の計算のように指数法則を矛盾を生じないように使えます。以下の計算の一番左側の項の(-1)の2分の1乗は、√(-1)という表現と同じく間違った表現です。(-1という数は、指数が異なる2つの数に分けて扱うべき)。しかし、(-1)の2乗根を表すために、あえて間違った使い方をしました。


上の式で(-1)をeのπi乗であらわしましたが、(-1)は、eの(-πi)乗でも表されます。そのように表された2つ目の(-1)の2分の1乗は-iになります。

 以下のように、1の2乗根の2つを、指数法則を使って寄り道して計算することもできます。(以下の計算式の一番左側の項の1の2分の1乗は1です。しかし、1の2乗根を表すために、あえて間違った使い方をしました)。この指数法則の計算では矛盾が生じていない。


(補足)なお、指数法則が、高校2年生までは、指数関数の指数が整数である場合に限って、指数法則の基本条件が緩められて、指数関数の底は0で無いこと。底が負でも良いとされていました。しかし、指数が有理数になると、その条件では指数法則が成り立たなくなり、指数関数の底は正の実数であるという基本条件を満足する必要があります。指数法則のこの基本条件は、指数が実数や複素数になっても変わりません。
(蛇足)ちなみに底が0の場合は、以下のようになると考えられる。



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高校数学の目次
「n乗根1」大学入試から学ぶ高校数学

(1)1の三乗根を複素数平面で求める




佐藤の数学教科書「式と証明・複素数」編の勉強
第5講 高次方程式

【問】次の式を因数分解してx3=1の解を求めよ。
x3-1=0

この式は以下のように変形して解きます。
x3-1
=(x-1)(x2+x+1)
=(x-1){(x+(1/2))2-(1/2)2+1}
《公式P2-Q2=(P-Q)(P+Q)を使う。その準備》
よって、x3=1の解は
上のようにして因数分解することで、x3=1の複素数の解が得られました。この3つの解を複素数平面上で表示すると、以下の図のようになります。

上の図で、x=1,A=ω,B=ω2 が、x3=1の3つの解です。
Aは、複素数平面上で、0と1を結ぶ実軸上の線分から0を中心にして左回りに120度(2π/3ラジアン)回転した直線上にあり、Bは右回りに120度(左回りに240度)回転した直線上にあります。

Aと0を結ぶ直線が0と1を結ぶ実軸上の線分と成す角120度を3倍すれば360度になり、実軸に戻ります。Bと0を結ぶ直線が0と1を結ぶ実軸上の線分と成す角の、右回りに120度(左回りに240度)を3倍すれば右回りに360度(左回りに720度)になり、実軸に戻ります。

複素数を3乗するということは同じ複素数を3回掛け算することであり、複素数の掛け算では偏角が足し算されるので、複素数を3乗すれば、その複素数の偏角が3回足し算されて3倍になりました。
すなわち、
x3=1の複素数の解は、1の偏角を360度及び-360度と考えて、その偏角を3分の1の120度(点A)や-120度(点B)にし、その偏角を持つ絶対値1の複素数の値を図から求めれば、それがx3=1の複素数の解になります。

 こうして答えを求める方法は、昔は、「禁じられた複素数平面の教え」だったので、そうやってその答えを出したと解答に書く事が出来ませんでした。最初に書いた、教わった範囲の解き方で解答するのが昔の高校生のやり方でした。

  この教えは、2011年度からは禁止が解けました。
2011年度から、高校3年の数Ⅲで複素数平面を教えるようになりました。
そのため、高校3年からは、複素数平面の考えで問題を解いたと解答に書いても、合格点をもらえるようになりました。

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(2)複素数を掛け算すると偏角が足し算される

https://schoolhmath.blogspot.jp/2011/11/blog-post_20.html
https://schoolhmath.blogspot.jp/2015/03/blog-post.html


佐藤の数学教科書「式と証明・複素数」編の勉強

 以下の内容は、むかしは、高校の検定教科書では教えないことになっていました。多分、これを教えると、その説明が分からない人が続出して、先生までも分からなくなる恐れもあり、学校にとってとても危険な教えだから、教える事が禁じられていたのかもしれません。
そのため、むかしは、以下の内容は、禁止された教えであるので、この教えを知っている事を隠して生活するのが望ましかったと考えます。

 また、以下の内容が理解できなくても、それは、”正常”な人のあかしですので、理解できなかったからといって、決して、理解できなかった事を恥じたりしないで欲しい。また、理解できないからと言って、決して、理解できた人を迫害したりしないで欲しいと思います。

s=w・z
というように、複素数wに複素数zを掛け算して複素数sを計算する場合、
複素数平面で複素数zが、0と1を結ぶ線分(実軸)から、0を中心に角度θ回転した位置にあるとき、
その角度θを偏角と呼び、θ=arg(z)とあらわします(左回りを正の角度にします)。
また、複素数zの絶対値を|z|とあらわします。

その複素数の掛け算については、以下の公式が成り立ちます。
arg(s)=arg(w)+arg(z)
|s|=|w|・|z|
以下で、これが、どうして成り立つかを説明します。

《例1》

上図のように、
複素数 w=1+i
に、実数3/2を掛け算すると、
複素数wは、実軸と成す角度が同じまま、長さ(絶対値)が3/2倍になります。

《例2》

上図のように、w=1に虚数z=iを掛け算すると、
掛け算の結果s=iになり、
数W=1と原点0を結ぶ線が左回りに90度回転します。
上図のように、w=iに虚数z=iを掛け算すると、
掛け算の結果s=-1になり、
数W=iと原点を結ぶ線が左回りに90度回転します。

《例3 w=1+iの場合》 wを更に変えて考える。

上図のように、w=1+iに虚数z=iを掛け算すると、
掛け算の結果s=-1+iになり、
数W=1+iと原点を結ぶ線が左回りに90度回転します。

《例4 w=(1+3i)/2の場合》

上図のように、w=(1+3i)/2に虚数z=iを掛け算すると、
掛け算の結果Wi=S=-(3/2)+(1/2)iになり、
複素数W=(1/2)+(3/2)iと原点を結ぶ線が左回りに90度回転します。

【重要なポイント】
 複素数Wが何であっても、それにiを掛け算した複素数は、複素数Wよりも偏角が90°回転する。その理由は、複素数Wのベクトルの実数成分も、虚数成分も、同じく90°回転した成分に変換されるからである。

 また、複素数Wに掛け算する複素数Zがその純虚数から正の実数まで変われば、複素数Wに複素数Zを掛け算した値WZは、複素数Wの偏角から90°回転するものから0°の回転まで変化する。そのことから、複素数Wが回転する角度は、それに掛け算する複素数Zの偏角と等しいだろうと容易に想像できる。

【視点を変えて考える】
 虚数iに複素数Wを掛け算した複素数は、虚数iの偏角の90°よりも複素数Wの偏角だけ回転した複素数に変換されると言える。そして、実数1に複素数Wを掛け算した複素数は、実数1の偏角の0°よりも複素数Wの偏角だけ回転した複素数に変換されると言える。そのため、ある複素数Zの実数成分も虚数成分も、同じく複素数Wの偏角だけ回転した複素数に変換される。
 このことから、複素数Zに複素数Wを掛け算すると、複素数Zが複素数Wの偏角だけ回転すると言える。ゆえに、複素数Zに複素数Wを掛け算した複素数は、複素数Zの偏角と複素数Wの偏角の和の偏角を持つと言える。

《例5 wの値もZの値も任意の場合》

上図を用いて、どのような複素数WとZについても、
複素数WZは複素数Wよりも、偏角が複素数Zの偏角θだけ大きくなり、また、その絶対値は |Z| 倍になることが証明できます。

(証明開始)
上図で、線分OAの長さの実数に複素数zを掛け算して得た複素数の点をCとする。

線分OBの長さの虚数に複素数zを掛け算して得た複素数の点をDとする。

複素数wは線分OAの長さの実数+線分OBの長さの虚数倍を足した値です。

複素数wに複素数zを掛け算した値Sは、C点の複素数にD点の複素数を足した値になる。

そのため、複素数S=WZは、ベクトルOCとベクトルODを合成したベクトルの先端位置Sに来る。すなわち複素数S=WZを表す点は、上図の長方形ODSCの頂点Sの位置に来る。


三角形OCAと三角形ODBは、Oとzと1を結んだ三角形に相似な三角形です。そのため:
辺OCの長さは、辺OAの長さの|z|倍であり、
辺ODの長さも、辺OBの長さの|z|倍です。

長方形ODSCは、長方形OBWAに対して、対応する辺OC:辺OAと、辺OD:辺OBが同じ相似比の|z|倍です。そのため両者は相似な長方形です。
また、長方形ODSCは、長方形OBWAをzの偏角θだけ回転した形をしています。

その長方形ODSCの一部のベクトルOSは、長方形OBWAの一部のベクトルOWを、zの偏角θだけ回転したベクトルになります。また、ベクトルOSの長さは、ベクトルOWの|z|倍のベクトルになります。


ベクトルOSは複素数WZです。すなわち、複素数WZは複素数Wよりも偏角がθ大きくなり、また、その絶対値は |Z| 倍になります。
(証明終わり)

このことを、数式を用いて表現すると、
arg(s)=arg(w)+arg(z)
|s|=|w|・|z|
と表現できます。

 以上の証明により、WにZを掛け算すると偏角がZの偏角θだけ増えることが証明できた。以下では、そのことがどういう事を意味するかを例6で示します。

《例6》

例えば、上図のように、zが(1+i)/√2の場合は、

0とzと(1)を結んだ三角形は、頂角が45度の二等辺三角形になります。
そして、上図のように、wに偏角が45°の複素数Z=(1+i)/√2を掛け算した場合は、
0と(wz)とwを結んだ三角形は、頂角が45度の二等辺三角形になります。

 また、uにz=(1+i)/√2を掛け算した場合は、
0と(uz)とuを結んだ三角形は、頂角が45度の二等辺三角形になります。

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(1)複素数平面



佐藤の数学教科書「式と証明・複素数」編の勉強
第6講 複素数平面

複素数平面は高校3年の範囲ですが、昔は高校2年で、虚数を教わると同時に、数直線が平面になって複素数があらわされると教わっていました。
 そのため、高校2年から、複素数平面を複素数を理解するための便利な道具として使う(例えば複素数の解を表す道具として使う)ようにしてください。
(複素数平面に関して出題される複雑な問題は高校2年では解かずに、そういう問題は後で、高校3年になってから解くことにして良いです。)

複素数平面とは、
横軸に実数をあらわす実軸を持ち、
縦軸に虚数をあらわす虚軸を持つ平面であり、その平面上の点で複素数をあらわす平面です。

上図のように、例えば、iや、(1+i)/√2などの複素数を複素数平面上の点であらわします。

この複素平面で、実軸の右側にある数”1”が、全ての数の基準です。
この複素平面に置いてあらわした数と0をあらわす座標原点との距離を、”絶対値”と呼び、以下の式のように、複素数zを、|z|というように、||で囲んであらわします。
絶対値の例 |i|=1

この図には、虚数iの平方根である(1+i)/√2があらわされていますが、(1+i)/√2の絶対値は1であって、(1+i)/√2は、0を中心とする半径1の円上にあります。
しかも、(1+i)/√2の実軸と成す角度は45度で、0と1を結ぶ線(実軸)と、0とiを結ぶ線(虚軸)が成す角90度のちょうど半分です。

以下の話は後で説明しますが、
複素数zが、0と1を結ぶ線分から、0を中心に角度θ回転した位置にあるとき、
u=w・z
というように、複素数zを他の複素数wに掛け算した答えの複素数uは、0と複素数wを結ぶ直線を、0を中心にして角度θ回転した直線上にあります。
0と複素数zを結ぶ線分が0と1を結ぶ線分と成す角度θをarg(z)とあらわします(左回りを正の角度にします)。
arg(u)=arg(w)+arg(z)
なお、複素数uの絶対値は複素数wの絶対値と複素数zの絶対値を掛け算した値になります。
|u|=|w|・|z|

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2011年11月17日木曜日

第6講:複素数平面(4)正5角形の問題を複素数平面を用いて解く




「式と証明・複素数」の勉強

複素数平面において半径1の円に内接する正5角形を考える。


X5-1=0
の5つの解をX0=1と、X1、X2、X3、X4とする。


【問1】以下を証明せよ
|(1-X1)(1-X2)(1-X3)(1-X4)|=5
すなわち、
abab=5
を証明する。

【問2】以下を証明せよ
|(1-X1)|2+|(1-X2)|2+|(1-X3)|2+|(1-X4)|2=10
すなわち、
a2+b2+b2+a2=10
を証明する。

【問3】図の長さsを計算せよ


この問題も自力で解くよう、努めてください。

(解答はここをクリックした先にあります。)

リンク:
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2011年9月21日水曜日

3次方程式が重根を持つ条件

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https://schoolhmath.blogspot.jp/2017/08/blog-post_17.html
「微分・積分」の勉強

以下の問題は、微分の基礎知識を勉強した後で解いてください。

【難問1】三次の方程式
x3+ax+b=0 (式1)
の根が重根を持つ場合に、パラメータaとbの間に成り立つ関係を求めよ。
(注意:どの3次方程式も変数を変換することでこの形の式に帰着できる)


(解答の方針)
この問題は、
方程式
f(x)=0 (式2)
が重根を持つ場合に以下の関係が成り立つという知識が無いと解くのがとても難しい問題ではないかと思います。

方程式2の重根の解x=αにおいて、
f’(α)=0 (式3)
が成り立つ。
すなわち、方程式2を微分した方程式の解も、その重根の解x=αと同じ解を持つ。
これは、以下のようにして証明できます。
(証明開始)
f(x)=(x-α)2g(x)
という式であるとすると、この式を微分すると以下の式が得られる。
f’(x)=2(x-α)g(x)+(x-α)2g’(x)
=(x-α){2g(x)+(x-α)g’(x)}
よって、
f’(α)=0 (式3)
が成り立つ。
(証明終わり)

そのため、
f(x)=x3+ax+b=0 (式1)
の根が重根を持つ場合に、
f’(x)=3x2+a=0 (式4)
の根の1つが、式1の根と等しい。
そのため、
式1と式4を連立させて、両式がともに成り立つxの値が、式1の重根である。
この公式を知っていれば、この問題は解ける。

【問2】三次の方程式


の根が重根を持つ場合に、パラメータcのみが未知数の場合にcの値を求めよ。

【難問3】三次の方程式


の根が重根を持つ場合に、パラメータkのみが未知数の場合にkの値を求めよ。

【難問4】三次の方程式


の根が重根を持つ場合に、パラメータaのみが未知数の場合にaの値を求めよ。

【難問5】三次の方程式


の根が重根を持つ場合に、パラメータa、k、cの間に成り立つ関係を求めよ。

この問題の解答はここをクリックした先にある。


リンク:
三次方程式の判別式
3次方程式で1つの根がわかっている場合の残りの根
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2011年9月18日日曜日

円と放物線の接線(4)

https://schoolhmath.blogspot.jp/2017/06/blog-post_2.html
https://schoolhmath.blogspot.jp/2017/08/blog-post_17.html
「微分・積分」の勉強

なめらかな曲線の接線は、微分によって初めて正しく定義できる。
接線を求める式に重根が含まれるとは限らない。

【問1】放物線
y=2-2x2 (式1)
とX軸で囲まれる範囲(x軸より上の範囲)にある円の半径の最大値を求めよ。

(解答の方針)
この問題で求める円は、式1の放物線とX軸とに接する円です。
その円は放物線と同じくY軸に関して対称(すなわち、Y軸上に中心がある)と考えられます。

その理由は、
もし、その円の中心がY軸上になければ、Y軸に関して全図形を左右に反転すれば、円の中心位置が左右に移動します。

放物線に接する円が左右に移動してしまったら、上図のように、円は放物線に接する位置から離れて、放物線に交わったり放物線から離れてしまったりします。

そのため、Yに関して全図形を左右に反転しても円が放物線に左右で接する形であるためには、円の中心はY軸上になければなりません。

求める円の中心がY軸上にあると考えると問題が大分簡単になります。

次に、考えることは、円と放物線が接する条件を求めることです。
なめらかな曲線の接線は、微分によって初めて正しく定義できるので、微分により接線の式を計算して方程式を書きます。

(解答)
(1)
放物線の式は
y=2-2x2 (式1)
であり、
X軸の式は
y=0 (式2)
である。
(2)
式1の放物線とX軸で囲まれる範囲にある最大の半径の円は、式1の放物線と左右で接して、円の下がX軸に接する円と考えられる。

全図形をY軸に関して左右に反転しても、その円は放物線に左右で接する形であるが、
もし、左右に反転すると円の中心が左右に移動すると考えると円が放物線から離れたり放物線に交わったりして、放物線とX軸で囲まれる範囲にある最大の半径の円である条件から外れてしまい矛盾する。

よって、全図形を左右に反転しても円の中心は左右に移動しない。すなわち、円の中心はY軸上にある。
よって、x軸に接する半径rの円の式は以下の式であらわされる。
(y-r)2+x2=r2 (式3)
(注意)
半径のつもりで、rというパラメータを導入しましたが、rというパラメータは、x軸より上の円では正になり、x軸より下の円では負になる。x軸に接する円がx軸の上か下かどちら側にあるかをあらわすパラメータであるという意味を持っていることに注意すべき。


(3)
求める円は、式1の放物線と接する円と考えられるので、
先ずは、円と放物線が接し得る接点を全て求める。

(4)
放物線と円の接点をA(a,h)とする。
式1から、
放物線 h=2-2a2  (式4)
式3から、
円 (h-r)2+a2=r2 (式5)

(5)
式1の放物線の接点(a,h)における接線の傾きは、式1の関数をxで微分して計算し、
dy/dx=-4a
である。

式3の円の接点(a,h)における接線の傾きdy/dxは:
円の法線APの傾き(h-r)/aの逆数に(-1)を掛け算したものであって、
dy/dx=-a/(h-r) 

この2つの接線の傾きが等しいので、
-4a=-a/(h-r)
a{-4+(1/(h-r))}=0 (式6)
この式6(接点の座標の式)を解くと、
a=0 (式7)
or
h-r=1/4
h=r+1/4 (式8)

(6)
(式7(a=0)があらわす接点の座標を求める)
式7を放物線の式4に代入する。
h=2 (式9)
よって、1つの接点(a,h)=(0,2)が得られた。
この接点は式1があらわす放物線の頂点である。
この接点に接する円の半径r=1である。

(7)
(式8があらわす接点の座標を求める)
そのために、式8と式4と式5を連立して、接点の座標を導く。
(8) 

計算間違いを少なくするために、単純な式を早く作る。
そのために、先ず、式4と式5を整理して、aを消去して単純な式を得る。
式4から、
h-2+2a2=0 (式4’)
式5から、
(h-r)2+a2-r2=0 (式5’)
2×式5’-式4’を計算してaを消去する。
2(h-r)2-2r2-(h-2)=0
2h2-4hr-h+2=0 (式9)
式9に代入すべき式8を変形する。
r=h-(1/4) (式8’)
式8’を式9に代入してrを消去する。
2h2-4h(h-(1/4))-h+2=0
2h2-4h2+h-h+2=0
-2h2+2=0
h2-1=0
(h-1)(h+1)=0
h=1
or
h=-1
h=-1は、x軸よりも下のy座標であるので、接点の座標として不適。
よって、
h=1 (式10) 

のみが有効。
式10を式8’に代入する。
r=1-(1/4)=3/4
また、式10を式4’に代入する。
1-2+2a2=0
2a2=1
a2=1/2
a=±(√2)/2 (式11)
よって、半径r=3/4の円について、
2つの接点(a,h)=A(√2/2,1)とB(-√2/2,1)が得られた。


(9)
以上で得た、円が放物線と接し得る点を全て列挙すると:
(9-1);
放物線の頂点(0,2)が接点になるとき、円の半径r=1
である。
(9-2);
A(√2/2,1)とB(-√2/2,1)が接点になるとき、
円の半径r=3/4
である。
(10)
しかし、半径r=3/4の円において既に放物線に接しているので、
(9-1)の場合の、円の半径が1になって放物線の頂点に円が接する場合には、円は、その他の点で放物線と交差していて、放物線の下には収まりきれていない。

 よって、(9-2)の場合のみが有効な解であり、放物線の下に収まりきれる最大の円の半径は、
r=3/4
である。
(解答おわり)

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2011年9月4日日曜日

接線と放物線の交点

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佐藤の数学教科書「微分」編の勉強

なめらかな曲線の接線は、微分によって初めて正しく定義できる。
(接線を求める式に重根が含まれるとは限らない。)

【問1】放物線
y= x2+1 (式1)
上の任意の点Pにおける接線が、放物線
y=x2 (式2)
と交わる点をQ,Rとするとき、次のことが成り立つことを示せ。
Pは線分QRの中点である。

(解答の方針)
式1の放物線上の点P(p,p2+1)での接線の式をあらわし、
その接線点の式と式2とを連立させて、交点Q,Rの座標を計算する式を求めれば良い。
ただし、問題の解き方も工夫する。

(解答)
式1を微分して式1のグラフの傾きを求める。
y’= 2x
P(p,p2+1)での傾きy’は、
y’= 2p (式3)
式1の放物線上の点P(p,p2+1)での接線の式は以下の式になる。
y-(p2+1)=y’(x-p)
y=y’(x-p)+(p2+1)
この式に式3を代入して、y’を式3の右辺で置き換える。
y=2p(x-p)+(p2+1) (式4)
式4と式2を連立して、接線と式2の放物線の交点Q,Rの座標を求める式を計算する。
x2=2p(x-p)+(p2+1)
x2-2px+p2-1=0 (式5)
ここで問題の解き方を工夫する。
根と係数の関係により、交点Q,Rのx座標をqとrとすると、式5のxの係数との間に以下の関係が成り立つ。
2p=q+r
p=(q+r)/2
これは、接線上の点Pのx座標が、点QとRの中点のx座標であることを意味する。
∴ Pは線分QRの中点である。
(解答おわり)

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2011年8月25日木曜日

2つの放物線の共通接線

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佐藤の数学教科書「微分」編の勉強

なめらかな曲線の接線は、微分によって初めて正しく定義できる。
(接線を求める式に重根が含まれるとは限らない。)

【問1】2つの放物線
y= x2 (式1)
y=-(x-2)2 (式2)
の共通接線の方程式を求めよ。


(解答の方針)
式1の接点A(a,b)での接線の式をあらわし、
式2の接点C(c,d)での接線の式をあらわし、
それらの接線の式が等しいとする方程式を書いて、
その方程式を解けば良い。

ただし、その方程式を解く過程で計算間違いをすると正しい答えが出ない。
そのため、計算間違いを少なくする問題の解き方を工夫する。

(解答)
y= x2 (式1)
y=-(x-2)2 (式2)

(1)
式1を微分して式1のグラフの傾きを求める。
y’=2x (式3)
接点A(a,a2)での式1の接線の式は
傾きy’=2a
だから、以下の式になる。
y-a2=y’(x-a) 
y-a2=2a(x-a) (式4)

(2)
式2を微分して式2のグラフの傾きを求める。
y’=-2(x-2) (式5)
接点C(c,-(c-2)2)での式2の接線の式は
傾きy’=-2(c-2)
 だから、以下の式になる。
y+(c-2)2=y’(x-c)
y+(c-2)2=-2(c-2)(x-c)
この式を、
c-2=e (式6)
とおいて、以下のように単純な式であらわす。
y+e2=-2e(x-c) (式7)
このように単純な形に式をあらわすことで、計算が簡単になり、計算間違いを少なくすることができる。
式7に残っているcもeにおきかえる。
y+e2=-2e(x-e-2) (式8)

(3)
接線の式8と4の傾きが等しい条件式を求める。
-2e=2a
e=-a (式9)
(4)
式4と式8のそれ以外の項も等しくなる条件式を求める。
e2+2e(-e-2)=-a2+2a・a
-e2-4e=a2
式9を代入してeをaにおきかえる。
-a2+4a=a2
-2a2+4a=0
a(a-2)=0
a=0 (式10)
or
a=2 (式11)

(5)式10の場合:
a=0 (式10)
式10を式4に代入。
y=0 (式12)

(6)式11の場合:
a=2 (式11)
式11を式4に代入。
y-4=4(x-2)
y=4x-4 (式13)

以上の結果、式1と2の放物線の共通接線の方程式は、
y=0 (式12)
と、
y=4x-4 (式13)
である。
(解答おわり)

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2011年8月24日水曜日

3次関数の曲線の形

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佐藤の数学教科書「微分」編の勉強

なめらかな曲線の接線は、微分によって初めて正しく定義できる。
(接線を求める式に重根が含まれるとは限らない。)

【覚えておくべきこと】3次関数の曲線
y= x3+ax2+bx+c (式1)
の形は、中心点Aを中心にして点対象な形をしている。

その中心点Aのx座標は、式1を微分した式、
y= 3x2+2ax+bx (式2)
の2次関数のグラフが左右対称になる対称軸の座標、
x=-a/3
である。


式1を微分した2次関数のグラフが、その対称軸の左右で対称であるので、
式1のあらわす3次関数のグラフは、中心点Aの左右で傾きが等しい。
そのため、式1のあらわす3次関数のグラフが、中心点Aを中心にして点対象な形になる。

 3次関数のグラフで、極大値と極小値とを持つグラフには、以下の寸法の関係があることを覚えておくと便利です。(これが成り立つことの証明は各自で行っておくこと)


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