2017年9月30日土曜日

三角関数の単純化パターンの公式

以下の式のような複数の角度の三角関数の多項式1がある場合:
以下の式のように、1つの角度の三角関数の式2に変換する「三角関数の単純化パターンの公式」が成り立ちます。

 この公式は、三角関数の難問問題を解きながら、得られた式をより答えに近づけるには、どういう形に式を変形すれば良いか、という式の変形技術を探究する中で見出した、式の変換すべき形です。

三角関数の値が分かっている角度Cを使う。
 (公式おわり)

この三角関数の単純化パターンの公式を適用する例を以下に示す。

【問1】 
上の三角関数の式1を単純化せよ。

【解1】
 以下の計算で式1を式2に単純化する。
(解答おわり)

【解2】
 以下の計算でも、式1を式2に単純化できる。
(解答おわり)

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2017年9月28日木曜日

複素数平面の問題を図形で解く(2)

【問題】
 下図のように半径1の円に内接する三角形ABCがある。この場合に、
点Aから辺BCに下ろした垂線の足の点をDとし、点A,B,C,Dの複素数平面での位置の値をA,B,C,Dとすると、以下の式1の関係が成り立つことを示せ。

【ベストな解答】
(1)式1は、三角形CAEと三角形DABが相似であるという関係を示している。
(2)円周角の定理より、∠CEA=∠CBA
(3)2つの頂角が等しいので、△CAE∽△DAB
(4)よって、式1が成り立つ。

【解答(その2)】
 式1を図形的に証明しないで複素数で計算しようとすると、以下のように苦労します。
 あまり推薦できませんが、複素数の計算による解答を以下に書きます。

(1)先ず、この図のままだと、複素数の計算が難しいので、この図形を以下の図に回転させて、それから計算する。
(この形に整えることが解答のポイントです)
式1は、式2の形に書き換えることができる。
(2)この式2を以下のように変形していく。 
この式3は確かに成り立っている。
(3)そのため、この式3から始めて、上の式2に至るまで、順番に式を変形して式2を導き出すことで、この問題の解答とする。
(解答おわり)

(補足)
 この問題を複素数の計算問題として解く場合に、上の図のように整えた配置に図形を回転させてから問題を解く必要があります。そうしないと、解くことが困難になるからです。
 そういう図形の操作もしなければ解けないことから考えると、この問題は、複素数の計算をするよりは、図形の証明問題として解く方が優れた解答であると考えます。

 複素数平面の問題は、なるべく図形で解くべし。

(補足2)
 式1は、以下の式4に変形できます。
(1)式1を、三角形CAEと三角形DABが相似であることから導き出して、
(2)その式を式4に変形して使う。
これを覚えておくと何かの計算に役立ちそうです。 

三角形ABCの外心をGとして、
下図の様に、三角形ABCを平行移動して点Aを複素数平面の原点にすると、この式4は以下の式5で表せます。
ただし、複素数平面での各点の位置を表す複素数を、それぞれ、C,B,G,Dとする。
この式は、点Aから辺BCまで引いた垂線ADのベクトルを複素数であらわす式であるとも解釈できます。
上図の様に点Aを原点にした場合の垂線ADのベクトルを表す公式は、以下の式6ですが、
外心の複素数を使うと式5から導いた単純な式で垂線の式が表せる。
また、外心の複素数の式も、垂線の複素数を使った以下の単純な式で表せます。
https://schoolhmath.blogspot.com/2017/09/blog-post_28.html

リンク:
ベクトルの難問の強力な解答手段
複素数計算の公式を覚える
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2017年9月26日火曜日

ベクトルの難問B2を複素数平面で解く問題(2/2)

【問2】 
上の三角形において、図の角度の条件が成り立つP点の位置座標を求めよ。
ただし、点A,B,Oの位置座標を、A(0,2)と、B (√3,0)と、O(0,0)とする。

(解答方針)
この問題を複素数平面を利用して解いてください。

この問題の解答はここをクリックした先のページにあります。

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2017年9月23日土曜日

ベクトルの難問B1を複素数平面で解く問題(1/2)

【問1】 
上の三角形において、図の角度の条件が成り立つP点の位置座標を求めよ。
ただし、点A,B,Oの位置座標を、A(0,√3)と、B (1,0)と、O(0,0)とする。

(解答方針)
この問題を複素数平面を利用して解いてください。

この問題の解答はここをクリックした先のページにあります。

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2017年9月20日水曜日

2重平行四辺形の面積の公式

ベクトルA(a,a)とB(b,b)の張る平行四辺形の面積Sの公式は、
S=a-a
で計算する公式が知られています。

 この平行四辺形に外接する図のような平行四辺形CDEFの面積は、ベクトルAとBの張る平行四辺形の面積の2倍です。
(2重平行四辺形の面積の公式)

この公式は上図から明らかですが、
以下で、この公式を、ベクトルの計算からも導き出してみます。

(2重平行四辺形の面積の公式の導出)
先ず、ベクトルA,Bを反時計回りに90度回転したベクトルA,Bを考えます。
そして、ベクトルAとBの張る平行四辺形の面積SをベクトルAとBの外積であらわして、それをこれらのベクトルを使って内積であらわします。
ベクトルCDとCFとそれらのベクトルを反時計回りに90度回転させたベクトルを以下の式であらわします。
次に、ベクトルCDとCFが張る平行四辺形の面積を以下の式で計算します。
ベクトルCDとCFが張る平行四辺形の面積が、ベクトルAとBが張る平行四辺形の面積の2倍である、以下の公式が得られました。 
(公式の導出おわり)

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2017年9月19日火曜日

ベクトルの切替の公式

以下の式のように大きさが等しいベクトルAとBがある場合:
以下の式のように、ベクトルの内積を切り替える「ベクトルの切替の公式」が成り立ちます。
 (公式おわり)

このベクトルの切替の公式を適用する例を以下に示す。
【問1】 
上の三角形において、上のベクトルの内積の式が成り立つことを証明せよ。

【解答】
 先ず、ベクトルbとcを、外心から引いたベクトルAとBとCであらわす。
この式を、大きさRが等しいベクトルAとBとCの内積であらわし、式を変換する。
ここでベクトル(B+C)は、上図の辺BCに垂直であり、長さが2mである。
(証明おわり)

(補足1)
この式の変形は、ひし形の対角線の直交の公式を使って以下の様に計算する事もできる。
ひし形の対角線の直交の公式で以下の式が成り立つ。
この公式を使って以下の様に式を変形できる。
ここでベクトル(B+C)は、上図の辺BCに垂直であり、長さが2mである。
(証明おわり)

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2017年9月18日月曜日

外接円の中心の高さmを三角形の2辺と高さから求める

【問1】 
三角形の外接円の半径Rに関するこの式が成り立つことを証明せよ。
【解答】
上の式のように正弦定理を使ってhを計算した。
(証明おわり)

円周角の定理のみでの証明は、ここをクリックした先にある。

また、この関係から、三角形の高さhが分かっている場合に、外接円の中心の高さmが以下の式で計算できる。
(補足)
 上の式は、以下の式に変形できます。
この式に類似した以下の式が成り立つことは直ぐわかりますよね。
ただし、a=線分BCです。

リンク:
余弦定理に類似した頂点から垂心までの長さの式
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2017年9月17日日曜日

2次元ベクトルの合成の公式と分解の公式と2つのベクトルの大きさの積の三平方の定理

【ベクトルの合成の公式】
直交するベクトルaとavに関して、任意のベクトルzに対して、以下のベクトルの合成の公式が成り立ちます。


【課題】
ベクトルzと、単位ベクトルaとbと、それらを反時計回りに90度回転した単位ベクトルaと単位ベクトルbを考える。
ベクトルzは、以下の、ベクトルの分解の公式によって、単位ベクトルaとbであらわせる。
このベクトルの分解の公式を導き出すことを課題として、その解の中で、ベクトルの合成の公式を使う。

(補足1)
ベクトルaを反時計回りに90度回転した単位ベクトルa=fを、
更に反時計回りに90度回転した単位ベクトルfは-aになる。
そのため、ベクトルの内積a・bを、

両ベクトルを一緒に反時計回りに90度回転して内積した値は同じ値になるが、
その関係は、以下の式であらわされる。
・b=-a・b

 
(解答1)
 ここで、ベクトルzを、互いに垂直なベクトルの要素に分解することは容易にできるので、以下でその作業を行う。
以下の式でベクトルaとbであらわされる単位ベクトルsと、それに垂直な単位ベクトルtを考える。 
 この単位ベクトルsとtでベクトルzを分解する。
ここで、単位ベクトルsとtの各要素は以下の式で与えられる。
式4の中のベクトルの要素をこの式5から8で置き換える。
この式にベクトルの合成の公式を適用する。
こうして得られた式は、当初の公式とはちがうが、この式のベクトルaとbをベクトルaとbに互いに入れ替えた式も成り立つ。
 よって、最初に記載したベクトルの分解の公式が得られた。
(解答1おわり)


(補足2)
 ここで、直交するベクトルsとtを単位ベクトルaと単位ベクトルbであらわし、それらのベクトルでベクトルzを分解して計算すれば、最初に記載したベクトルの分解の公式が直接に求められる。

(1)ベクトルaとbであらわした単位ベクトルsとtで分解した式から求められる式が、
ベクトルzとベクトルaの積の項とベクトルzとベクトルbの積の項に分けられ、ベクトルの合成の公式によってベクトルsとベクトルtの項が別のベクトルに集約する結果、
ベクトルaとベクトルbであらわしたベクトルの分解の公式になり、
(2)ベクトルaとベクトルbであらわした単位ベクトルsとtで分解した式から求められる式が、
ベクトルzとベクトルaの積の項とベクトルzとベクトルbの積の項に分けられ、ベクトルの合成の公式によってベクトルsとベクトルtの項が別のベクトルに集約する結果、
ベクトルaとbであらわしたベクトルの分解の公式になった。

(解答2)
 回答1で定義した単位ベクトルsとtで、回答1と同様にベクトルzを分解し、次に、ベクトルaの項とベクトルbの項に分ける。
式9の中のベクトルの要素を式5から8で置き換える。
この式の中のベクトルsとtの式にベクトルの合成の公式を適用して1つのベクトルzの式に統合する。
よって、最初に記載したベクトルの分解の公式が得られた。
(解答2おわり)

【図形で説明】
ベクトルの分解の公式は、以下の図であらわせる。
この図での三角形OZBの面積の三角形OAB面積の比の大きさのベクトルOA成分を計算している。ベクトルOBを水平線として考える。それらの三角形の面積の比は、その水平線上の点Zの高さと点Aの高さの比である。

(補足3)

 ベクトルzをベクトルaと、それに垂直なベクトルaに分解する式は、以下の式(K3)になる。
なお、式(K4)の形で、三平方の定理があらわせる。

《2つのベクトルの大きさの積の三平方の定理》
 この式K4は、以下の式K5の形の、
2つのベクトルの大きさの積の三平方の定理として覚えた方が良いかもしれない。

(補足4)
 この解答2の計算は、以下の計算をする場合には特に注意する必要がある。
(1)互いに直交する単位ベクトルsとtを以下の式で作る。
 (2)この単位ベクトルsとtでベクトルzを分解する。
この式10は以下の式11に変換できるが、この計算では、ベクトルの要素が所属するベクトルに関する情報が失われている式であるので、次の式11への変換を発想することが難しい。
式10を式11に変換できたら、以下の計算を進めることができる。
この式の中のベクトルsとtの式にベクトルの合成の公式を適用して1つのベクトルzの式に統合する。
これにより最初に記載したベクトルの分解の公式が得られた。
(補足4おわり)

【連立方程式の解】
ベクトルの分解の公式を利用して連立方程式の解を求めることができる。
(解答はじめ)
この連立方程式は、以下の式で表すことができる。
式3では、ベクトル(x,y)とベクトルaとの内積の値が与えられ、式4では、ベクトルbとの内積の値が与えられる。
ベクトルの分解の公式(2つ):
のうちの公式K1に、式3と式4を代入すると、
この式5が連立方程式の解である。
(解答おわり)

(解答の式5の補足)
 この解答の式5は、以下の様に表現することもできる。
(解答の補足おわり)
 なお、式5を無理に覚えようとしないで、覚え易い式11から13だけを覚えるだけで十分ではないかと思います。
式11から式13の関係は以下の図であらわせます。

リンク:
2元連立方程式をベクトルの内積を使って解釈する
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