2022年6月8日水曜日

(各人が区別された)6人をA,B,Cの3組に分ける組分けの数

 【問題1】
 (各人が区別された)3人をA,B,Cの3組に分ける、分け方の分類毎の組分けの数を求めよ。

【解答】
(1)先ず、(各人が区別された)3人を(0人の組があっても良い)A,B,Cの3組に分ける組分けの総数は、

通りある。
すなわち、3人をA,B,Cの3組に入れる事象の連鎖の糸の総数が27本ある。

(2)次に、この27個の事象の連鎖の糸を、A組にm人、B組にn人、C組にt人という組の人数の事象の連鎖の種類で分類した枝に束ねる。すなわち、組の人数の事象の連鎖の枝毎に、対応する事象の連鎖の糸を割り当てて編集した以下の樹形図を作成する。


この樹形図から、組み分け人数の枝のバラエティの数(組の人数の事象の連鎖の枝の数)は、10通りあることがわかる。(その各枝は、上式の各項に対応している)

 しかし、各々の組の人数の事象の連鎖の枝に対応する人の組み合わせの数は、以下に示す通りに、異なっている。
(2-1)3人を1つに組に入れる場合は、組分けの人数による組分けのバラエティの数は、その3人をどの組 に入れるかの3つがあり、3つの枝に分岐する。

 その1つの枝毎の、その1つの組に入る人のバラエティの数は、1つだけである。
(2-2)3人を2つの組に(各組に1人以上)入れる場合の、組分けの人数による組分けのバラエティの枝は、2人を入れる第1の組を選ぶバラエティの数の3と、その他の2つの組から、1人を入れる第2の組を選ぶバラエティの数の2、との積の、6つの、組分けの人数による組分けのバラエティの枝に分岐する。

 その1つの枝毎の、その2つの組に(各人を区別した)3人を入れるバラエティの数は、1人だけ入れた第2の組に、aかbかcかのどの人を入れるかのバラエティの数であり、3である。
 その6つの枝の数とバラエティの数3の積の値は:上図の式(x+y+z)^3を用いると、3人を各組に1人以上入れて2つの組に入れる組分けの数である。その組分けの数の値は、式の各項に対応する6つの枝に関して、以下の式の左辺と右辺との2通りに計算できる。

上記の式の右辺の計算は、ここをクリックした先の問2aの解答を参考にして、各組に1人以上入れて3人を組Aと組B、又は組Bと組C、又は組Cと組Aに、組み分けする数を数えた。

(2-3)3人を3つの組に(各組に1人ずつ)入れる場合の枝は、組の人数に偏りが無いので、組分けの人数による組分けのバラエティの数が1つだけであり、1つの枝に分岐する。

 その1つの枝での、その各組にどの人を入れるかのバラエティの数は、組Aにどの人を入れるかのバラエティの数3と、組Bに残りの2人のうちのどの1人を入れるかのバラエティの数2、との積であり、6である。
(3)なお、各枝毎の、どの人によって各組を編成するかの組編成の組み合わせの数は、上図に記載した式(x+y+z)^3を展開した各項の係数に対応する関係がある。

(4)上図の式(x+y+z)^3を用いると、3人を各組に1人以上入れてA,B,Cの3組に分ける組分けの数は、式の項に対応する1つの枝に関して、以下の式の1行目と2行目との、2通りの計算ができる。
(2行目の解き方は、ここをクリックした先の問3aの解き方が参考になる)

(問題1の解答おわり)

【問題2a】
 (各人が区別された)4人をA,B,Cの3組に分ける、分け方の分類毎の組分けの数を求めよ。

【解答】
 各組を編成するかの組編成は、下図に記載した式(x+y+z)^4を展開した各項と、その係数に対応させて把握できる。

 なお、(区別された)4人を1つの組は0人にして、それ以外の2つの組の各々に1人以上入れる組分けの数については、以下のように計算できる。
3つの変数x,y,zのうちの2つの変数の積だけを含む9種の項に対応する枝に関して、以下の式の左辺の式で計算できる。

上記の式の右辺の計算は、ここをクリックした先の問2aの解答を参考にして、各組に1人以上入れて4人を組Aと組B、又は組Bと組C、又は組Cと組Aに、組み分けする数を数えた。
(問題2aの解答おわり)

【問題2b】
 (各人が区別された)4人を各組に1人以上入れてA,B,Cの3組に分ける組合せの数を求めよ。

【解答1】
 4人を各組に1人以上入れてA,B,Cの3組に分ける組分けの数は、上の問題2で得たxとyとzの式のxyzを含む項に係る枝に関して、以下の式で計算できる。

(2行目の解き方は、ここをクリックした先の問3aの解き方が参考になる)
(解答1おわり)

【解答2】
 上の解答1とは異なる考え方で解きます。
(4人を各組に1人以上入れてA,B,Cの3組に分ける組合せの数)=
=(A組に2人、B組に1人、C組に1人入れる組合せの数)×(2人の組をA組以外に変えるバラエティの数)
=(A組に2人、B組に1人、C組に1人入れる組合せの数)×3,

(A組に2人、B組に1人、C組に1人入れる組合せの数)は以下の式で計算できる。

よって、(4人を各組に1人以上入れてA,B,Cの3組に分ける組合せの数)=

(解答2おわり)

【問題3】
 (各人が区別された)5人をA,B,Cの3組に分ける、分け方の分類毎の組分けの数を求めよ。

【解答】
 各組を編成するかの組編成は、下図に記載した式(x+y+z)^5を展開した各項と、その係数に対応させて把握できる。

 5人を(2つの組を0人にして)1つの組だけに入れる組分けの数は、3つの変数x,y,zのうちの1つの変数だけで作られる3種の項の数であり、3つある。
 5人を1つの組は0人にし、それ以外の2つの組の各々に1人以上入れる組分けの数は、3つの変数x,y,zのうちの2つの変数の積だけで作られる12種の項に対応する枝に関して、以下の式で計算できる。

 5人をどの組にも1人以上入れてA,B,Cの3組に分ける組分けの数は、式のxyzを含む6種の項に対応する枝に関して、以下の式で計算できる。

(問題3の解答おわり)

【問題4】
 (各人が区別された)5人を、A組に2人、B組に2人、C組に1人に分ける、分け方の組分けの数を求めよ。

【解答】
 組が名前で区別されている場合の組分けの数は、
5人を順番に並べ、その並べた順に、2人、2人、1人のA,B,C組に分け、
A組の2人は、同じ2人の順番の並び替えのバラエティの2!で割り算し、
B組の2人は、同じ2人の順番の並び替えのバラエティの2!で割り算し、
5!/(2!*2!) で計算できる。
(問題4の解答おわり)

【問題5】
 (各人が区別された)5人を、(区別されない)3組に2人、2人、1人に分ける、分け方の組分けの数を求めよ。

【解答】
 ここで、A組、B組は、同じ2人の人数の組なので、
組を組名で区別しないことにすると、
ある4人をA組とB組に組み分けした組み分けの数を、A組とB組の(2つの組の)名前を付け替えるバラエティの数2!で割り算する必要がある。
 一方で、「組を区別(名前で)しない」と言っても、 2人の組と1人の組(C組)は人数が違うので、明らかに区別できる。
 よって、A組とB組との2つの組の名前を付け替えるバラエティの数2!で割り算するだけでよい。

 そのため、
(区別されない)3組に2人、2人、1人に分ける組分けの数は、
(各人が区別された)5人を、A組に2人、B組に2人、C組に1人に分ける、分け方の組分けの数を、
A組とB組との2つの組の名前を付け替えるバラエティの数2!で割り算する。
すなわち、
{5!/(2!*2!)}/2!
で計算できる。
(問題5の解答おわり)

【問題6】
 (各人が区別された)5人を(0人の組があっても良い)A,B,Cの3組に分ける組分けの数を求めよ。

【解答】
(各人が区別された)5人を(0人の組があっても良い)A,B,Cの3組に分ける組分けの総数は、

通りある。
(問題6の解答おわり)

【問題7】
 (各人が区別された)5人を(0人の組があっても良く)(区別されない)3組に分ける組分けの数を求めよ。

【解答】
 (各人が区別された)5人を(0人の組があっても良く)(区別されない)3組に分ける組分けの数は、
「組に区別なく人数指定なく(各人を区別できる)人を組分けする数と組分け問題の本質」
のページの【問1】の解き方で解くことができる。
「(1)(各人を区別できる人を)A組1人以上、B組1人以上、C組1人以上の場合での、ある1つの組分けは、
組の名前を入れ替えると、3!の異なる組分けができる。
(2)A組0人、B組1人以上、C組1人以上の場合での、ある1つの組分けも、
組の名前を入れ替えると、3・2=3!の異なる組分けができる。
(3)しかし、A組0人B組0人C組5人の場合の、1つの組分けは、
組の名前を入れ替えても、3つの組分けができるだけである。」
そのため、組の名前を入れ替えることで出来る複数の組分けは1つの組分けであるものとすることで、組の区別なく3つの組に分ける組み合わせの数は、
以下の数で計算できる。

(問題7の解答おわり)

《補足》
 ここで、A組0人B組0人C組5人の組分けだけが、組の名前を入れ替えて3倍になるバラエティがある。それ以外の組分けは、組の名前を入れ替えると6倍になるバラエティがある。(注意)組み分けをxとyとzの積の項であらわした式では、その6つのバラエティが、あたかも3つしかないように見え、6つのバラエティが隠されている。

この組分けから、組を区別しない組分けを抽出すると以下の組分けになる。


【問題8】
 (区別された)6人を(各組に1人以上入れて)A,B,Cの3組に分ける組分けの数を求めよ。

問題8の解答は、ここをクリックした先のページの問3aの解答にある。

【問題9】
 (区別された)6人をA,B,Cの3組に分ける、分け方の分類毎の組分けの数を求めよ。

【解答】
 各組を編成するかの組編成は、下図に記載した式(x+y+z)^6を展開した各項と、その係数に対応させて把握できる。

 (区別された)6人を、ある組は0人にし、それ以外の2つの組には1人以上入れてA,B,Cの3組に分ける組分けの数は、式のその項に対応する15個の枝に関して、以下の式で計算できる。

 また、6人を各組に1人以上入れてA,B,Cの3組に分ける組分けの数は、式のその項に対応する10個の枝に関して、以下の式で計算できる。

(問題9の解答おわり)

(補足)
 以上で与えた一連の等式を以下で導き出しておく。



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2022年5月16日月曜日

確率の積の法則と樹形図

先ず、以下の用語の定義をハッキリさせておく。
「事象の排反」は,
「ある試行において、一方の事象が起こったときに
他方の事象は決して起こらない」ことである。

「試行の独立」は,
「2 つの試行が互いに影響を及ぼさない」ことであり,
「ある試行が他の試行とお互い影響しない」
ということである。

これに対して
「事象の独立」は、
「試行の結果として,起こりうる事象が、お互いの起こり方が他方に影響を与えない」ということであり,
「どちらも起こっている」ことが前提になっている。


【積の法則】
 事象Aと事象Bが、互いに相手の事象がどうであるかに影響されずに、全く独立して起きる事象である場合は:
Aかつ Bの確率=Aの確率× Bの確率=P(A)P(B),
p(A∩B)=p(A)p(B),

 また、逆に、確率の積の法則が成り立つならば、事象Aと事象Bは独立して起きる事象である。

【積の法則と、A∪Bの確率】
 事象Aと事象Bが、互いに相手の事象がどうであるかに影響されずに、全く独立して起きる事象である(積の法則が成り立つ)場合は:
Aまたは Bの確率=Aの確率+Bの確率-(Aの確率× Bの確率)=P(A)+P(B)-P(A)P(B),

《証明》
Aまたは Bの確率=
={(Aで無い)かつ(Bで無い)}では無い確率

=1-(1-P(A))(1-P(B))
=1-{1-P(A)-P(B)+P(A)P(B)}
=1-1+P(A)+P(B)-P(A)P(B)
=P(A)+P(B)-P(A)P(B)
=P(A)+P(B)-(P(A)× P(B)),
(証明おわり)

なお、この公式と等価な以下の公式が成り立つ。
Aまたは Bの確率=P(A)+(1-P(A))P(B)

(事象の独立の様子)
p(A∩B)=p(A)p(B)となる、事象Aと事象Bが独立な場合の樹形図は:
以下の図でs=abとなる場合である。
(樹形図の全ての枝の確率は、樹形図の根本の確率=1と、他の3つのパラメータa、b、sとによって定まる)



【問題1】

 下図のように、A駅からC駅に行くには、X路線を使うルートと、Y路線を使ってB駅まで行き、その後、Z路線を使うルートの2通りがある。 各路線は、独立にそれぞれ一定の確率で終日運休することが分かっており、X路線は1/6の確率、Y路線は1/7の確率、Z路線は1/8の確率で終日運休する。このとき、ある日においてA駅からC駅に行くことができる確率はいくらか。


【解答】
 以下の樹形図を発想して考えると良い。

確率計算のコツ:
(2つの独立な事象AかBが生じる確率)=
=(Aが生じる確率)+(Aが生じない確率)・(Bが生じる確率)
という公式が成り立つ。


X路線の運休する確率(1/6)≡a,
Y路線の運休する確率(1/7)≡b,
Z路線の運休する確率(1/8)≡c,
とする。

シンプルに(どこかを通れば)A駅からC駅に行くことができる確率
=X路線で行ける確率+X路線で行けない場合に(Y+Z)路線で行ける確率
で計算する。

X路線で行けるときには、
(Y+Z)路線で行けても、それは、X路線で行けるという事象とダブっているので、
X路線で行ける確率+(Y+Z)路線で行ける確率
という計算はしてはいけない。

 正しい計算は:
X路線で行ける確率+X路線で行けない場合に(Y+Z)路線で行ける確率
=(1-a)+a(1-b)(1-c)
=1-a+a(1-b-c+bc)
=1-a(b+c)+abc
=1-a(b+c-bc)
である。
(解答おわり)

【確率の乗法定理】
 確率の積の法則は、事象Aと事象Bが、相手の起き方に影響されずに独立に起きる事象の場合であるときの法則でした。
一方で、事象Aと事象Bが独立していない、事象Bの起き方が事象Aが起きることに影響される場合は、
事象Aが起き、かつ、事象Bが起きる確率は以下の式であらわせます。
Aかつ Bの確率=
=(Aが起きる確率)×(Aが起きた場合においてBが起きる確率)
=P(A)×PA(B),
とあらわします。
PA(B) は、(Aが起きた場合においてBが起きる確率}
をあらわします。これを、「条件付き確率」 と呼びます。
このようにAかつBの確率をあらわすことを、確率の乗法定理と呼びます。
(樹形図の全ての枝の確率は、樹形図の根本の確率=1と、他の3つのパラメータa、b、sとによって定まる)



直ぐ上の式と直ぐ下の式とが、より正しい式である。


しかしながら、上の式らも、完全に正しい式であるとは言えない。
 上の式らで計算する確率P(A)の値は必ず有理数になる。
しかし、以下の例のように、値が無理数になるのでその式では表せない確率の値P(A)もあるからである。

ビュフォンの針
 平面上に間隔dで平行線を引く。長さL(≦d)の針を適当に投げたとき,針が線と交わる確率P(A)の値は、

である。(ここで、πは無理数3.14・・・である)

 この確率P(A)は無理数になるので、

という式も、確率P(A)を定義する完全な式では無い。
そのため、上の式も、完全な式では無い。完全な式は、n(□)を使わない式であり、確率の式同士の演算を表す式が、完全な式である。

 次には、積の法則が成り立つ場合とは前提条件が全く異なり2種の事象が独立ではない場合に成り立ち得る別物の法則:
【和の法則】

 事象 Aと事象 B が、決して両立しない事象(排反事象)の場合、すなわち:

確率Aで事象Aが起きているときは、
確率Bの値が(事象Aに影響されて)0に変化して、
(P(A)×PA(B))=0 になってしまう。そして、
Aかつ Bの確率=0,になる。
p(A∩B)=0,

その場合は:
Aまたは Bの確率=P(A)+P(B),
(樹形図の全ての枝の確率は、樹形図の根本の確率=1と、他の3つのパラメータa、b、p(A∩B)=0とによって定まる)


(補足)p(A∩B)=0とは限らない場合(AとBが排反事象ではない場合)の1例(独立事象の場合)は:
(樹形図の全ての枝の確率は、樹形図の根本の確率=1と、他の3つのパラメータa、b、sとによって定まる)


(決して両立しない事象(排反事象)の例)
Aが、雨が降る確率=1/3,
Bが、雨が降らない確率=2/3,
の場合、
AかつBの確率は、
P(A)×PA(B)=(1/3)×0,
(Bは、Aに影響されて0になってしまうため)

(補足1)
 なお、積の法則や和の法則は当たりまえのことなので、問題を解くときに、「積の法則により~」や「和の法則により~」などと書く必要は無い。


(補足2)
和の法則の説明が:

「事象Aの起こる確率が pA 、事象Bの起こる確率が pB であり、
AとBが同時には起こらないとき、
事象Aまたは事象Bが起こる確率はpA+pB である。」

と教えられていますが、その説明で使われている「同時に起こらない」という言葉は、「同時刻に起こらない」という意味では無く、「(1回の試行で)同時に起こらない」という意味です。(1回の試行で)という前提条件が無い事象の場合では「両立しない」と言う意味の言葉であることに注意すること。

《 p(A∩B)=p(A)・p(B)とは限らない場合の問題例》

【問題2】

 袋に、番号1,2,3,4,8,9,という番号が付いた6枚のカートが入っている。
(1)この袋から1枚のカードを取り出したとき、その番号が偶数である確率はいくらか。
(2)この袋から1枚のカードを取り出したとき、その番号が3の倍数である確率はいくらか。
(3)この袋から1枚のカードを取り出したとき、その番号が偶数であり、かつ、3の倍数である確率はいくらか。

【解答】
(1)カードの番号が偶数である確率は3/6=1/2
(2)カードの番号が3の倍数である確率は2/6=1/3
(3)カードの番号が偶数であり、かつ、3の倍数である確率は0
(解答おわり)

【問題3】
 さいころを1回ふったとき、1が出ず、かつ、2が出ない確率を求めよ。

【間違え易いポイント1】
1が出ない事象を、事象Aとする。
2が出ない事象を、事象Bとする。

事象Aと事象Bそれぞれの確率は、

である。
しかし、1が出ず、かつ、2が出ない確率は、

となって、確率の積の法則が成り立たない。
 以下のように考えると、なぜ確率の積の法則が成り立たないか、その理由がわかる。
事象Aの余事象を文字Aに上線を付けた記号であらわす。それは、1が出る事象である。
事象Bの余事象を文字Bに上線を付けた記号であらわす。それは、2が出る事象である。

であるが、1が出る場合に同時に2が出る確率

となって、事象Aの余事象と事象Bの余事象は、互いに独立な事象でない。
そのため、事象Aと事象Bも、互いに独立な事象ではない。
ゆえに、事象Aと事象Bの間に、確率の積の法則が成り立たなかったのである。

1が出ず、かつ、2が出ない確率は、正しくは、

である。

【問題4】
 さいころを1回ふったとき、2の倍数でない目が出て、かつ、5の倍数が出る確率を求めよ。

【間違え易いポイント2】
2の倍数が出る事象を、事象Aとする。
5の倍数が出る事象を、事象Bとする。

以下に、事象Aと事象Bに係わる樹形図を書く。
(樹形図の全ての枝の確率は、樹形図の根本の確率=1と、他の3つのパラメータa、p、rとによって定まる)

 すなわち、事象A(2の倍数)と事象B(5の倍数)の間には確率の積の法則が成り立たない。この2つの事象は独立ではない。


《別の事例》
 一方で、以下の事例の場合では、確率の積の法則が成り立ち、2つの事象が独立である。

2の倍数が出る事象を、事象Aとし、
3の倍数が出る事象を、事象Bとするならば、
確率の積の法則が成り立つ。




p=rとなって事象Aと事象Bが独立して起きると言える場合は、確率の積の法則が成り立つ場合のみである。

【問題5】
 玉1,玉2,玉3の3つの玉を左から右に一列に並べる。
玉1が玉2の左側になる(玉1<玉2とあらわす)事象を、事象Aとする。
玉2が玉3の左側になる(玉2<玉3とあらわす)事象を、事象Bとする。
 事象Aと事象Bは独立事象であるか否か。

【間違え易いポイント3】
 以下に、事象Aと事象Bに係わる樹形図を書く。
(樹形図の全ての枝の確率は、樹形図の根本の確率=1と、他の3つの確率a、b、sとのパラメータによって定まる)

 事象Aの確率aと事象Bの確率bとには確率の積の法則が成り立たない。
事象(A∩B)の確率s=a・bとなって確率の積の法則が成り立つ場合にのみ、事象Aと事象Bが独立して起きると言える。上の樹形図を見ると、s≠a・bとなっていて、確率の積の法則が成り立たないので、事象Aと事象Bは独立ではない。

【問題6】
 1から10までの整数が1つずつ書かれている 10枚のカードがある。
 この10枚のカードから,1枚のカードを無作為に取り出して、書かれた整数を調べてからもとに戻す。この試行を4回繰り返す。取り出したカードに書かれた整数の最大値をX,最小値をYとするとき、X=7かつY=2となる確率を求めよ。

【解答】
 以下の樹形図を書いて考えれば良い。以下の樹形図で(事象A∩事象B)の確率 をbとし、(事象A∩事象C)の確率をcとする。
(樹形図の全ての枝の確率は、樹形図の根本の確率=aと、他の3つのパラメータb、c、sとによって定まる)

a-b-c+s
が求める確率である。
(解答おわり)

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2022年5月8日日曜日

極限の概念を使って問題を解き易くする

【問1】
関数f(x)が整式なら
f(f(x)) - x はf(x) - xでいつも割り切れることを証明せよ。

【証明の発案】
f(f(x)) - x = A(x-x1)(x-x2)・・・(x-xn),   (1)
と因数分解できます。
x1,x2,・・・xn,は、
f(f(x)) - x = 0,
の複素数の解も含む全ての解です。

一方、
f(x) - x = B(x-a1)(x-a2)・・・(x-am),    (2)
と因数分解できます。
a1,a2,・・・am,は、
f(x) - x = 0,
の複素数の解も含む全ての解です。

f(f(x)) - x
のxに
a1を代入します。
g=f(f(a1)) - a1,

ここで、
0=f(a1) - a1,
f(a1)=a1,
を使います。

g=f(f(a1)) - a1
=f(a1)-a1
=a1-a1
=0,
このことから、
f(f(a1)) - a1=0,

f(x) - x = 0,
の複素数の解も含む全ての解の
x=a1,a2,・・・am,
のどれを代入しても、
f(f(x)) - x=0,

(場合1)もし、
a1,a2,・・・amの全てが異なれば、
f(f(x)) - xは、
f(f(x)) - x=A{(x-a1)(x-a2)・・・(x-am)}(x-x1)(x-x2)・・・(x-xp)
と表せる。
そのときは、
f(f(x)) - xは、
B{(x-a1)(x-a2)・・・(x-am)}={f(x) - x}
で割り切れる。

(場合2)次に、
f(x) - x = 0,
の解の a1,a2,・・・amのa1とa2が同じ値の場合は、
微小量Δを使って、
a1,a1+Δ,・・・
を解とする、方程式
f(x) - x = 0,
を考える。
そのときは、
f(f(x)) - xは、
B{(x-a1)(x-a1-Δ)・・・(x-am)}={f(x) - x}
で割り切れる。
微小量Δを0に近づける極限では、
f(x) - xは、
B(x-a1)(x-a1)・・・(x-am)}
に収束し、
f(f(x)) - xは、
f(f(x)) - x = A{(x-a1)(x-a1)・・・(x-am)}(x-x1)(x-x2)・・・(x-xp)
に収束する。
そのため、極限においても、
f(f(x)) - xは、
B{(x-a1)(x-a1)・・・(x-am)}={f(x) - x}
で割り切れる。
同様に、
f(x) - x = 0,
の解の a1,a2,・・・amのどれかが同じ値である場合も、
その関数に対して、その同じ値の解を微小量Δで変化させて、全ての解の値を異ならせた関数を考え、その関数の極限を考えることで、
f(f(x)) - xは、
{(x-a1)(x-a2)・・・(x-am)}=(1/B){f(x) - x}
で割り切れる。
(証明おわり)
 この問題のように、a1とa2が等しいという例外的な場合に、a1とa2が異なる場合での計算方法が活用できるようにするために、微小量Δを導入して極限の概念を使うのが良いです。

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2022年5月7日土曜日

3色の玉を持つ3つの箱から玉を1つずつ取り出す問題

 【課題1】
 赤玉1個、白玉1個、黒玉1個、計3個の玉が入った箱Aと箱Bと箱Cがある。この3つの箱から1つずつ、合わせて3個の玉を取り出す。取り出した3個の玉の色の組み合わせ毎に、その色の組み合わせの玉を各箱から取り出すバラエティの数を求める。

【解答】
(1)先ず、3個の玉が入った3つの箱から1つずつ玉を取り出す場合の数の総数は、

通りある。
すなわち、3つの箱から玉を1つずつ取り出す事象の連鎖の糸の総数が27本ある。

(2)次に、取り出した3個の玉の色分けのバラエティの27個の事象の連鎖の糸を、赤m個、白n個、黒t個という色分け事象の連鎖の種類で分類した枝に束ねる。すなわち、玉の色分け事象の連鎖の枝毎に、対応する事象の連鎖の糸を割り当てて編集した以下の樹形図を作成する。

この樹形図から、玉の色の組み合わせのバラエティの数(色分け事象の連鎖の数)は10通りあることがわかる。

 しかし、各々の玉の色分けの枝(色分け事象の連鎖)に対応する玉の組み合わせの数は、以下に示す通りに、異なっている。
(2-1)3つの玉の色が全て同じ色の場合は、その色を選ぶバラエティの数の3つの枝に分岐する。
 その色分布の枝毎の、各箱からその色の玉を取り出すバラエティの数は、1つだけである。
(2-2)3つの玉の色が2色の場合の枝は、同じ色の2つの玉の第1の色を選ぶバラエティの数の3と、その他の2つの色から、1つの玉の第2の色を選ぶバラエティの数の2との積の、6つの枝に分岐する。
 その色分布の枝毎の、その色の組み合わせの玉を3つの箱から取り出すバラエティの数は、第2の色の1つの玉をどの箱から取り出すかのバラエティの数であり、3である。
(2-3)3つの玉の色が3色の場合の枝は、色の偏りが無いので、その色のバラエティの数が1つだけなので、1つの枝に分岐する。
 その色分布の枝毎の、その色の組み合わせの玉を3つの箱から取り出すバラエティの数は、赤色玉をどの箱から取り出すかのバラエティの数3と、白色玉を残り2つのどの箱から取り出すかかのバラエティの数2との積であり、6である。
(3)なお、各枝毎の、各箱の玉の色の組み合わせの数は、上図に記載した式(x+y+z)^3を展開した各項の係数に対応する関係がある。
(解答おわり)

(補足)
 この問題は、3つの箱を3人の人に置き替えて、玉の3つの色を、人を組み分ける3つの組の名前、すなわち、赤組、白組、黒組に置き換えた問題と等価である。


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