2011年4月30日土曜日

第5講3節 和と積の公式 練習問題(4)

佐藤の数学教科書「三角関数」編の勉強

【難問】以下の式を簡単な式に変換せよ。
cosθ・cos(2θ)・cos(4θ)・cos(8θ)

【解答の心構え】この問題は、いきなり出されても解答を思いつく人はまれだと思う。
(そもそも、以下の答えが「単純」であるかどうかについての異論もあると思う。)
以下の解答を見て、解き方を覚えておくこと。

(解答のコツ)
三角関数を分数に変換する公式を使うことが解答のポイントです。
(解答おわり)

なお、sin(16θ)=sinθとなるような特別な角度の場合には、この答え=(1/16)になる。
例えば、θ=π/17の場合などに、そうなる。

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第5講3節 和と積の公式 練習問題(3)

佐藤の数学教科書「三角関数」編の勉強

【問1】頂角に以下の関係がある△ABCはどのような三角形か。
sinA=2cosBsinC

【解答の心構え】先ず考えるべきことは、問題をもっとやさしい問題に変換できないかを考えること。
図形の問題は図を書いて考えること。
 この問題は、上図のように問題を変換すると問題がやさしくなる。

変数Aを消去することで問題をやさしくする。
 sin(C+B)=2sinCcosB (式1)

三角関数の式を、式の2項を積の式同士に整合する(項の式の形を合わせる)。
そのために、式1の左辺を積の式に変換して右辺の式の形に合わせる。

sinCcosB+sinBcosC=2sinCcosB
sinBcosC=sinCcosB
tanB=tanC
よって、△ABCは、∠B=∠Cの二等辺三角形である。

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2011年4月29日金曜日

三角関数の和と積の公式 練習問題(2)

佐藤の数学教科書「三角関数」編の勉強

【問1】頂角に以下の関係がある△ABCはどのような三角形か。
cosA-cosB=sinC

【解答の心構え】先ず考えるべきことは、問題をもっとやさしい問題に変換できないかを考えること。
図形の問題は図を書いて考えること。

この問題は、以下の図のように問題を変換すると問題がやさしくなる。
【解1】


(1) ∠B≦π/2の場合:

(2) ∠B≧π/2の場合:


よって、△ABCは∠B=90度の直角三角形である。
(解1おわり)


この問題は、三角関数の和と積の公式の問題として出題されていました。その解き方の方は、遠回りになります。
しかし、どうしても解答方法を知りたい人のために、その遠回りな解き方を以下で説明します。

【解2】

 
よって、△ABCは∠B=90度の直角三角形である。
(解2おわり)


遠回りでしたが、かろうじて解答にたどりつけました。

以下のように解くこともできます。
【解3】



よって、△ABCは∠B=90度の直角三角形である。
(解3おわり)

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三角関数の数列の問題

佐藤の数学教科書「三角関数」編の勉強

三角関数を分数の和に変換する公式(積を和に変える公式の変形)の応用問題です。

【問1】以下の三角関数の式を簡単にせよ。
f(θ)=cosθ+cos(2θ)+cos(3θ)+cos(4θ)+cos(5θ)

(この問題の解答は、ここをクリックした先のページにあります。)

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2011年4月28日木曜日

三角関数の和と積の公式

佐藤の数学教科書「三角関数」編の勉強

三角関数の和と積の公式は、加法定理の一種です。
先ず、積を和に変える公式は以下の公式です。


これらの公式のうち1番目の公式は、以下の様にベクトルの内積の計算を利用して証明できます。
次の2番目の公式は、以下の様にベクトルの内積の計算を利用して証明できます。
3番目の公式は、以下の様にベクトルの内積の計算を利用して証明できます。


次は、和を積に変える公式です。
cosの和を積に変える公式は以下の公式です。

この公式を使う際には、この証明の最初の1行目の式を書いてから、加法定理を暗算して積の式を導くと、簡単に使えるようになります。

sinの和を積に変える公式は以下の公式です。

この公式を使う際にも、この証明の最初の1行目の式を書いてから、加法定理を暗算して積の式を導くと、簡単に使えるようになります。

教科書で教えている公式は以上ですが、
以下の公式も覚えておいた方が良いです。
三角関数を分数の和に変換する公式(積を和に変える公式の変形)です。
 
この公式は、角度B=Aの場合には、以下の式になる。

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三角関数の2乗の差の公式

三角関数の2乗の差の公式は、
「単位ベクトルの要素の2乗の差の公式」
と同じものです。

【問1】以下の公式を証明せよ

【問2】以下の公式を証明せよ

これらの問題の解答は、ここをクリックした先にあります。

(蛇足)以下の公式も成り立ちますが、以上の公式の証明には役立たない。


 式の変形の過程で以上の形の式が出てきたら、この問題の解答の計算方法を覚えておいて、すぐにこの式を導出できるようになっていてください。

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2011年4月27日水曜日

三角関数の合成の公式

【三角関数の合成の公式】
すなわち、以下の式:
の変形の公式は、加法定理の一種です。
この式の係数:
とあらわせます。
そして、式1は以下の式に変形できます。
この式はsinの加法定理であるので、以下の式になります。
このように、a・sinθ+b・cosθは、1つのsinにまとめることができます。

(a・sinθ+b・cosθ)はベクトルの回転をあらわす式
 ベクトル(X,Y)が既にX座標軸から角度アルファで回転していた場合に、それよりも更にθ回転したベクトル(X’,Y’)を考える。そのベクトルの成分X’とY’以下の式6と7であらわせます。
式7は、もともと角度α回転していたベクトル(X,Y)が更に角度θ回転したベクトル(X’,Y’)と単位ベクトル(0,1)との内積です。
そのため、式1は式7と(全体にかかる係数だけ違う)同じ式であり、式7のsin(α+θ)と(全体にかかる係数だけ違う)同じ式です。
式1の各係数aとbは、
式7のcos(α)とsin(α)と式2と式3で対応させることができます。
式1は、式7のsin(α+θ)に係数を掛け算した以下の式であらわせます。
 

【問1】
xの関数f(x)の0≦x≦(2π)における最大値,最小値を求めよ。

【解答】
倍角の公式より
なお、
-π/4≦2x-(π/4)≦8π-(π/4)
-π/4≦2x-(π/4)≦7π+(3π/4)

この角度の範囲で、この三角関数が単位円を1回転以上回転できる。
∴ -2√2-1≦f(x)≦2√2-1

(解答おわり)

【問2】(蛇足問題:大学レベルの問題)
複素数係数の三角関数の合成はどうしたら良いか。
以下の式:
は、どのように整理して表したら良いか。

【解答】
この問題は、大学レベルの問題であって、オイラーの定理を使って式を整理します。
オイラーの定理によって以下の関係が成り立ちます。
オイラーの定理を使うことで、問題の式が以下の式に変形・整理できます。
 (解答おわり)

(補足)
 以上の解答の様に、複素数係数の三角関数の和を整理した式は、上の解答のようなexp()関数による表現も必要です。この表現の式は、どのように変形しようとしてもsin又はcosの単独の関数では表す事ができません。
 
 更に、以下の問題も解いてみます。

【問題3】(蛇足問題:大学レベルの問題)
以下の式:
は 、どの様に整理したら良いか。

【解答】 
オイラーの定理を使うことで、問題の式が以下の式に変形・整理できます。
(解答おわり)

(補足)
 以上の解答の様に、複素数係数の三角関数の和を整理した式は、上の解答のように、sin又はcosの関数と、exp()関数との和で表した式に整理できます。
そして、この式は、これ以上単純な形に整理することはできませんこの式は、複素数係数の三角関数の和を整理するときの一般的な形の式です。

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ベクトルの回転変換と三角関数の加法定理
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2011年4月26日火曜日

2倍角と半角の公式 練習問題(1)難問

【難問】三角形ABCにおいて、
cosAcosBcosC≦(1/8) (式1)
を証明せよ。そして、△ABCが正三角形のときのみに等号が成り立つことを示せ。
 
(予備知識)
加法定理(2倍角と半角の公式)を学んだ後の問題解答のポイントは、加法定理そのものではありません。加法定理は、いわば空気のような定理であって、無くてはならない当たり前の定理として使ってください。

そして、その当たり前の定理を使って、それ以外の発案が解答のポイントの問題を解きます。

この問題は、一部に半角の定理を使いますが、それ以外の発案がポイントです。

(この問題の解答は、ここをクリックした先のページにあります)

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2011年4月25日月曜日

2倍角と半角の公式

佐藤の数学教科書「三角関数」編の勉強

2倍角の公式は、加法定理の2つの角度が等しい場合の公式です。
sin(α+β)=sinαcosβ+cosαsinβ
α=βの場合は
sin(α+α)=sinαcosα+cosαsinα
sin(2α)=2sinαcosα
これが、sinの2倍角の公式です。

cos(α+β)=cosαcosβ-sinαsinβ
α=βの場合は
cos(α+α)=cosαcosα-sinαsinα
cos(2α)=cosα-sinα
=cosα-sinα+cosα+sinα-1
=2cosα-1
=cosα-sinα-cosα-sinα+1
=1-2sinα
すなわち、
cos(2α)=cosα-sinα
=2cosα-1
=1-2sinα
これがcosの2倍角の公式です。


上の2つの式を覚えて良く使うようにしましょう。


tan(2α)=2sinαcosα/(cosα-sinα)
分母と分子ともにcosαで割り算すると
tan(2α)=2tanα/(1-tanα)
これがtanの2倍角の公式です。

半角の公式は、以下の公式です。
cos(2α)=2cosα-1
この式を変形する

これがcosの半角の公式です。

cos(2α)=1-2sinα
この式を変形する

これがsinの半角の公式です。


これがtanの半角の公式です。

(変形半角の公式(1))
以下の、変形半角の公式(1)が成り立ちます。


(変形半角の公式(2))
以下の、変形半角の公式(2)が成り立ちます。



(sinの複数の積の式)
以下の式の関係があります。



(cosの積の式)
 以下の公式も成り立ちます。
cos(2θ)=(cosθ-sinθ)(cosθ+sinθ)

 以上の変形半角の公式やcosの積の公式のように、(cosθ-sinθ)と(cosθ+sinθ)を、sinやcosと同じ様に扱った公式も成り立ちます。


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