2024年11月6日水曜日

微分とは何か

やさしい微分積分
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《グラフの傾き》
 以下では、区間で連続な関数のグラフの傾きを考える。例えば、xの実数全体の区間で連続な放物線の関数f(x) を考える。下図の放物線のグラフy=f(x) の各点での傾きを調べる。

 y=f(x) の放物線のグラフの曲線の点Cでの傾きは、点Cでグラフの曲線に接する直線DEの傾きと同じである。直線DEの傾きは、その直線に平行な直線ABの傾きと等しい。
すなわち、放物線の点Cでの傾きは、点Cの近くの曲線上の2つの点AとBを結ぶ直線の傾きと等しい。このように、放物線の点Cでの傾きは、点Cの近くの曲線上の2点を通る直線の傾きとして求めることができる。

 2点を定めて点Cでの放物線の傾きを計算するときは、以下の図のように、2点のうちの1つを点Cとし、もう1つの点を点Cの近くの曲線上の点Pとする方が計算がし易いので、その2点で計算する。

 上図のグラフで、点Cから点Pまで独立変数xが変化する幅をxの増分と呼び、Δx とあらわす。
これに対応して点Aから点Bまで従属変数yが変化する幅の、(点Pの高さ)-(点Cの高さ) をyの増分と呼び、Δy とあらわす。
放物線の微小部分の傾きは、微小なxの増分Δx に対する放物線の微小なyの増分Δyの比Δy/Δx としてあらわすことができる。
(注意: Δx やΔy は、これでまとまった記号で、Δ×(x)やΔ×(y) を意味するのではありません。そのため分母と分子のΔを約分してはいけません。)

 上図のように、点Cと右の点P2(Δx>0)との傾きと、点Cと左の点P1(Δx<0)との傾きとはわずかに異なる。直線CP2の傾きと、直線P1Cの傾きとは、Δx を0に近くすればするほど、変化していく。そして、点Pが限りなく点Cに近づくと、直線CPは点Cにおける接線DEに近づいていく。このとき、直線CPが接線DEに収束する、と言う。
その直線CPの傾きは、上図の式であらわすことができる。

《極限値》
 増分Δx が0とは異なる値をとりながら限りなく0に近づくとき、Δy/Δx の値がある定数kに限りなく近づくならば、
Δx →0のとき、(Δy/Δx)→k
とか、

とあらわす。
そして、その定数kを、
Δx →0のときのΔy/Δx の極限値、または、極限と呼ぶ。
(注意: 限りなく近づくとは「最終的には一致する」ことを意味しない。Δy/Δx が限りなくkに近づくだけで永遠にkに一致しないでも、「極限値がkである」と言うのです。)

 ここで、増分Δx をhとあらわすことにする。そして、増分hを限りなく0に近づけた式は、以下の図の式であらわす。


点C(x0,y0) におけるこの式の極限値のことを、f'(x0)と表して、関数f(x) の定義域Aの点x0における微分係数という。

《数列の極限》
 項が限りなく続く数列x1, x2, x3, ・・・, xn, ・・・を無限数列と言う。xnをその第n項といい、この無限数列を{xn}であらわす。また、an を自然数nの式であらわしたものを数列{xn} の一般項という。
 「変数xが限りなく点aに近づく」という極限の定義は、数の集合Aにおいて、以下のことが成り立つこととして、極限を定義する。
【数列の極限の定義】
以下の図で、「数の集合Aの要素で、点a以外の値の、変数xの無限数列{xn}を考える。

この数列{xn}では、自然数nが限りなく大きくなるとき、第n項は限りなく値aに近づく。
 一般に、数列{xn}において、nが限りなく大きくなるにつれて、xn が一定の値aに限りなく近づくとき、数列{xn}はaに収束する、または、数列{xn}の極限はaであるという。その値aを数列{xn}の極限値であるという。(点aは数の集合Aの要素で無くても良い)。
 数列{xn}の極限値がaであるとき、次のように書く。

(ここで、記号∞は”無限大”と読む。∞は数をあらわすものではない)
 すなわち、「変数xが限りなく点aに近づく」という極限の概念を、点aに収束する、数の集合Aの要素のxの無限数列を使って数学的に定義した。
 その結果、変数xが限りなく近づく先の数の点aは、すなわち、変数xの極限の数の点aは、
数の集合Aの要素の点xの無限数列の集積点であるという結論が得られる。
--(集積点の定義)--
  実数の集合Rの部分集合の数の集合Aを考える。
(1)実数の点aが数の集合Aの集積点であるとは、
数の集合Aの要素の点a以外の点xn による、点aに収束する無限数列 {xn}が存在すること(点aは数の集合Aの要素とは限らない)である。
(2)数の集合Aの要素の点yが集積点ではないとき、その点yを数の集合Aの孤立点と呼ぶ。

--(集積点の定義おわり)---

《関数の極限》
 関数f(x) の定義域Aの集積点aに関して関数f(x) の極限を考えることができる。また、集積点aに関して以下の関数g(x,a) の極限を考えることができる。

関数f(x) の変数xの定義域Aの数の集合から、集積点aと異なる数x1, x2, x3, ・・・, xn, ・・・ を選んで、集積点aに収束するxの無限数列{xn}を作り、同時に、h=x-aで定義した変数hの無限数列{hn}を作った場合に、その無限数列{xn}が点aに収束する({hn}が0に収束する)のにともなって関数g(x,a)≡(f(x)-f(a))/(x-a) が値Cに収束することが、x→aで関数g(x,a)=(f(x)-f(a))/(x-a) に極限値Cが存在するための基礎条件である。(ここで、関数g(x,a)の変数xの定義域Bは、関数f(x) の定義域Aから点aを除去した数の集合Bであることに注意する)。
 関数g(x,a) において、その関数の定義域Bの数xが点aと異なる値をとりながら限りなくaに近づくとき、関数g(x,a)=(f(x) -f(a))/(x-a) の値が一定の値Cに限りなく近づくならば、
x→aのときg(x,a)=(f(x)-f(a))/(x-a) の極限値がCである。
といい、次のように書く。

また、この場合、”x→aのとき関数g(x,a)=(f(x)-f(a)) /(x-a)はCに収束する”という。

【関数の極限の定義】
 関数f(x) の、定義域Aの集積点aに関して、関数f(x) の独立変数xの定義域Aの点xがaと異なる値をとりながら限りなくaに近づくとき、関数f(x) の極限を考えることができる。また、点aが定義域Aに含まれるとき、関数g(x,a)=(f(x)-f(a)) /(x-a) の値が一定の値Cに限りなく近づくとき関数g(x,a) の極限を考えることができる。その極限は以下のように定義する。関数g(x,a) の定義域Bは、関数f(x) の定義域Aから点aを除いた点xの数の集合である。ただし、点aは定義域Aの集積点であるので、定義域Bの集積点でもある。
 「変数xが限りなくaに近づくとき関数g(x,a)=(f(x) -f(a))/(x-a) に極限値Cが存在する」ことの数学的定義を:
「関数gの変数xの定義域Bの集積点aに関して、定義域Bの、点a以外の点xの、点aに収束する全ての無限数列{xn}で共通して、関数g(x,a)=(f(x)-f(a))/(x-a) が同じ値Cに収束する」ことと定義する。
 そう定義する理由は、関数g(x,a) によっては、点aに収束する各無限数列{xn}毎に、関数g(x,a) が異なる値Cに収束したり、収束しなかったりすることがあるからである。

【関数の右側極限と左側極限】
(1)数の集合Aの要素の点aよりも大きい点xn による、点aに収束する無限数列 {xn}が存在するとき(点aは数の集合Aの要素とは限らない)、xが、集合Aの点aの値よりも大きい値をとりながら限りなくaに近づくときg(x,a) の値が限りなくCに近づくならば、Cを点aでのg(x,a) の右側極限値といい、次のようにあらわす。

(2)数の集合Aの要素の点aよりも小さい点xn による、点aに収束する無限数列 {xn}が存在するとき、xが、集合Aの点aの値よりも小さい値をとりながら限りなくaに近づくときg(x,a) の値が限りなくCに近づくならば、Cを点aでのg(x,a) の左側極限値といい、次のようにあらわす。


〔極限が存在する条件〕
(3) g(x,a) の点aに係わる右側極限値か、又は、左側極限値かの一方のみが存在する場合は、その存在する極限値が点aに係わる極限値である。
(4) g(x,a) の点aに係わる右側極限値が存在し、かつ、左側極限値も存在する場合は、両者の極限値Cが一致することが集積点aで関数g(x,a) に極限が存在するために必要十分な条件である。
 その場合には、関数g(x,a) の点aに係わる極限が存在する条件の、「関数g(x,a) のa以外の点xによる、点aに収束するどの無限数列{xn}であっても関数g(x,a) が同じ値Cに収束する」ことが成り立つからである。
▷定義域B内の点xの、点aより大きい数の無限数列{xn}による右側極限でも値Cに収束する。
▷また、定義域B内の点xの、点aより小さい数の無限数列{xn}による左側極限でも同じ値Cに収束する。
 このように右側極限も存在し左側極限も存在して両者の極限値Cが一致する場合は、関数g(x,a) の定義域Bでの、点aより小さい値と大きい値のxn が混ざった数列で点aに収束する無限数列{xn}においても、関数g(x,a) が同じ極限値Cに収束するからである。

ならば、


《閉区間を定義域Aとする関数f(x) は、その閉区間の端でも微分可能性が定義できる》
 ある区間Aを定義域とする関数f(x) において、その区間Aの境界点(端点)以外の区間Aの内点a(集積点)の左右にxの点がある。その内点aに対する関数y=f(x) の微分では、点aの左右のxの点を平等に考えて傾きを計算する。関数g(x,a) のxの点は、点aより小さい点から点aよりも大きい点までの全部のxの点を見て内点aでの傾きを計算する。

 高校数学では、関数f(x) の定義域Aの区間の内点での微分だけが詳しく教えられている。高校数学は、内点での微分の条件があたかも全ての微分の条件であるかのように教えていて、閉区間の端点では微分の条件が満足されないかのように教えている。しかし、閉区間の端点でも(傾きが無限大でなければ)微分可能である。
 大学数学では、f(x) の微分係数を計算する点aが、閉区間Aを定義域とする関数f(x) の区間Aの端にある場合も詳しく学べる。


 上図の関数f(x) =xが0≦x≦2の閉区間 [0,2] で定義されている場合は、
関数f(x) =x は、定義域Aの閉区間の端点x=0やx=2で微分することが可能である。この関数f(x) の微分係数f'(x) は、閉区間[0,2]の端点とその間の内点とで1である。

 下図左の関数において:
f(x)=|x|の, 関数f(x)の定義域を[0,1]とするとき、
f’(0)=1,
である。

上図右の関数において:
f(x)=|x|の, 関数f(x)の定義域を[-1,0]とするとき、
f’(0)=-1,
である。

下図の関数において:
f(x)=|x|の, 関数f(x)の定義域を[-1,1]とするとき、
f’(0)は存在しない。


【導関数とは何か】
 上記のように、区間で連続な関数f(x) の定義域Aの集積点aにおける微分係数を1つ求めた。しかし、関数f(x) の定義域Aの各集積点における微分係数を毎回求めるのはかなり面倒なので、関数f(x)の定義域Aの任意の集積点xでの微分係数を全部求める。つまり、関数f(x) の定義域Aの集積点xでの微分係数f’(x) を計算する。

ここで、zの関数g(z,x)≡(f(z)-f(x))/(z-x)の変数zの定義域は、集積点xの値以外の定義域Aの数の集合の点zである。変数zが点xを目指した関数g(z,x) の極限は、その変数zの定義域の点zの、点xに収束する無限数列{zn} を使って求める。なお、変数zを収束させて関数g(z,x) の極限を求める際には、極限を求める前段階で変数z以外の変数xの値を止めて(変化させないで)、極限を求める。
 区間Aで連続な関数f(x) の微分係数f’(x) があらわす関数を、関数f(x)の導関数と言う。
 下図の式のように、変数hを使って関数f(x)の導関数f’(x) を定義することもできる。(ただし、変数hの値は、x+hが関数f(x) の変数xの定義域A内にある値(かつ、0以外の値)のみが許される。)なお、下図の関数g(h,x)は先に定義した同じ記号gで表した関数とは異なる関数であることに注意。

ここで、関数f(x) の定義域の区間A= [a, b] に対して、hの関数g(h, x)≡(f(x+h)-f(x))/h の変数h の定義域は、上図のように、区間[a-x, b-x] からh=0となる点を除いた点hの集合である。変数hが値0を目指した関数g(h, x) の極限は、その点hの、値0に収束する無限数列{hn} を使って求める。なお、変数hを0に収束させて関数g(h, x) の極限を求める際には、極限を求める前段階で変数xの値を止めて(変化させないで)、結局、変数hの定義域を固定した上で極限を求める。

 以下の図の関数f(x) の導関数f’(x) は微分の公式により計算でき下図の式になる。

導関数f’(x) を求めることを、関数f(x) を微分すると言う。
また、関数f(x) の導関数f'(x) をdf/dxと書くこともある。更に、導関数f’(x) をdy/dx と書いたり、y’ と書くこともある。

【関数f(x) の微分係数が定まらない場合もある】
 ここで、関数f(x) によっては、定義域Aの内点aの左右の点を平等に考えて傾きを計算する場合に、内点aの左側の微分係数と右側の微分係数との2つの微分係数の値が一致しない関数f(x) もある。
以下の図の関数f(x)=|x| の定義域Aの内点a =0の点Oで、左側微分係数が(-1)であるが右側微分係数が(1)であり、その2つの微分係数の値が異なる。

この場合には、その内点0では、微分係数が定まらず微分ができない。(ただし、関数f(x) が閉区間[0,2]で定義された関数f(x) =xであって、点0がその閉区間の端点の場合は、その端点0で片側微分係数が1つの値に定まるので微分できる)。
(注意)
 独立変数xの実数全体の区間で連続な関数f(x) =|x| の導関数f’(x) は、以下のグラフであらわされる。

この導関数f’(x) は、a=0の点では定義されず、その点でグラフが千切れるため、実数全体の区間で連続な関数ではない。この導関数f’(x) は、x<0の区間の連続関数とx>0の区間の連続関数とを合わせた、複合区間を定義域とする関数である。

以下の図の関数の例で先に微分を説明した。

 上図の関数f(x) =xが0≦x≦2の閉区間 [0,2] で定義されている。この関数f(x) =x を微分すると閉区間 [0,2] で定義されている導関数f'(x) が得られた。この導関数f'(x) を積分すると元の関数f(x) が得られる。元の関数f(x) を関数f’(x) の原始関数と呼ぶ。原始関数は関数f’(x) の不定積分の1つである。区間で連続な被積分関数の積分(不定積分)は、それを微分すると元の関数に戻る。

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やさしい微分積分
微分可能の定義
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2024年11月4日月曜日

積分の公式を求める

やさしい微分積分
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【問1】
 以下の三角形の面積Sを積分であらわし、積分の公式を求めよ。


【解答】

以上の式で、積分の公式が1つ求まった。
(解答おわり)

【問2】
 以下の四角錐の体積Vを積分であらわし、積分の公式を求めよ。


【解答】

以上の式で、積分の公式が1つ求まった。
(解答おわり)

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やさしい微分積分
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2024年11月3日日曜日

積分とは何か

やさしい微分積分
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【積分とは何か】
 先に「微分積分を考える根底」のページでは積分の大まかな考え方:「分割した要素の総計を求めてグラフの面積を計算する手法が積分という」を示した。ここでは、積分という概念を、より具体的に定義する。

関数 y = f(x) は閉区間 [a, b] で連続とする.

この区間を図のように (n-1) 個の点
x1, x2, … , xn-1
で n 個の小区間
[a,x1], [x1,x2], … , [xn-1, b]
に分ける.それら小区間内にそれぞれ任意の点
t1, t2, … , tn …①
をとって,和:

を作る.ただし、a=x0,b=xnとする。
すべての小区間の長さが,いずれも 0 に近づくように n を限りなく大きくするとき, ①の点の位置のとり方にかかわらず, 和Snは一定の値Sに近づくことが知られている。この一定の値Sを極限値,または、極限と呼ぶ。また,このように和が一定値Sに近づくとき、和がSに収束する,と言う。この極限値Sを,関数 f(x) の区間 [a, b] における定積分といい

で表す.

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やさしい微分積分
積分可能の定義と原始関数と不定積分の求め方
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2024年11月2日土曜日

連続関数とは何か

やさしい微分積分
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▷集積点の定義

《連続関数》

 微分積分の命綱を握っているのが連続関数の概念です。

【1つながりに連続する関数】
 微分積分で扱う関数は、均質な基本的な要素の関数を単位にして考える。具体的には、1つながりに連続する関数を単位にして考える。その1つながりに連続する関数が、正しく定義された連続関数である。 連続関数は、グラフが途切れることなくつながっている関数です。

〔連続関数の定義の役割〕
 連続関数とは、第1の条件として、関数の定義域が連結していること(関数の定義域の集積点の集合が、定義域を包含する1つながりの区間を形成していて、かつ、その集積点の集合が内点を持ち、かつ、その内点が定義域の点であること)、第2の条件として、定義域の点毎に関数f(x) の値域が連結していること。その2つの条件が成り立ちグラフが1つながりに連結している関数f(x) をどのように表すかが連続関数の定義の役割である。

【数の集合の内点の定義】
 数の集合Aの内点aとは、その数の集合Aに属する点であり、点aが集合Aの集積点である。そして、その点aを含む微小区間で、十分に小さい微小区間が全て、数の集合Aに含まれる点である。すなわち、点aが数の集合Aの外の数(集合Aに属さない全ての実数)の集合の集積点では無い点である。また、数の集合Aが微小区間を含まなければその集合Aは内点aを持たない。 例えば、数の集合Aが有理数のみの場合に、数の集合Aの有理数の点aは、その近傍の実数の集合の集積点であるので、その点aは内点ではない。有理数の集合Aは内点を持たない。

【区間とは】
 関数のグラフが途切れる、すなわグラフがちちぎれる場合は、下図のように、関数 f(x) のy=f(x) のグラフのy軸の方向にすき間を空けてちぎれる場合と、

下図のように、変数xのx軸の方向にすき間を空けてちぎれる場合と

の2通りのちぎれ方がある。
 区間とは、x軸上で実数がすき間なくつまって連結しているx軸上の領域を区間と呼ぶ。(区間は数の集合である。)
 上図の2通りのちぎれ方をともに判定できるようにするために、x軸の数直線上の実数がすき間なくつまった区間内の点毎に、ちぎれているか、連続であるかを把握する。
 区間内の点とはx軸の数直線上の点である。

【区間の定義】
「区間」という数学用語は、変数xの数直線上の1つの範囲内の、実数のすき間がなく連結している1かたまりの数の集合をあらわす数学用語である。「隙間が無い」大前提のために、連続性の公理を満足する実数の集合でなければならない。例えば、a<x<b内の全ての有理数xの集合Aの全ての集積点の集合は、a≦y≦b内の全ての実数の集合になり閉区間[a,b]である。

 a, b を実数とする. a≦x≦b の実数xをすべて集めた集合を [a, b] と書き, これを閉区間と呼ぶ.
 a<x<b の実数xをすべて集めた集合を (a, b) と書き, これを開区間と呼ぶ.

 変数xの「区間」の大切な特徴は、「区間」は、所定の1かたまりのxの範囲内での隙間が無い全ての実数の集合が「区間」である。

《実数とは》
 例えば、以下の図の規則によってx=1から、x=2、次にx=3/2 というように有理数の値を変えてくと、限りなく近づく先の数が有理数の中には無い。しかし、そのように限りなく近づく先の数が存在すると考えた。その数を実数と呼ぶ。

 このように、「限りなく近づける」操作(極限の操作)が、数の概念を拡張することを要請し、そうして拡張された新たな数が実数であった。この拡張された数である実数から成るとされる数直線には数の連続性があるとされた。このように極限の操作によって数の概念が実数にまで拡張され、それが数の連続性と微分積分の礎になった。

《数列の極限》
 項が限りなく続く数列x1, x2, x3, ・・・, xn, ・・・を無限数列と言う。xnをその第n項といい、この無限数列を{xn}であらわす。また、an を自然数nの式であらわしたものを数列{xn} の一般項という。
 「変数xが限りなく点aに近づく」という極限の定義は、数の集合Aにおいて、以下のことが成り立つこととして、極限を定義する。
【数列の極限の定義】
 以下の図で、「有理数の集合Aの要素で、点a以外の値の、変数xの無限数列{xn}を考える。

この数列{xn}では、自然数nが限りなく大きくなるとき、第n項は限りなく値aに近づく。
 一般に、数列{xn}において、nが限りなく大きくなるにつれて、xn が一定の値aに限りなく近づくとき、数列{xn}はaに収束する、または、数列{xn}の極限はaであるという。その値aを数列{xn}の極限値であるという。(点aは有理数の集合Aの要素で無くて(無理数であって)も良い)。
 数列{xn}の極限値がaであるとき、次のように書く。

(ここで、記号∞は”無限大”と読む。∞は数をあらわすものではない)
 すなわち、「変数xが限りなく点aに近づく」という極限の概念を、点aに収束する、数の集合Aの要素のxの無限数列を使って数学的に定義した。
 その結果、変数xが限りなく近づく先の数の点aは、すなわち、変数xの極限の数の点aは、
数の集合Aの要素の点xの無限数列の集積点であるという結論が得られる。また、その点aは数の集合Aの外の点も含む。

--(集積点の定義)--
  実数の集合Rの部分集合の数の集合Aを考える。集合Aに属さない実数の集合を、「集合Aの外の数の集合」と呼ぶ。
(1)実数の点aが数の集合Aの集積点であるとは、
点aの値以外の数の集合Aの要素の点xn による、点aに収束する無限数列 {xn}が存在すること(点aは実数ではあるが、数の集合Aの要素とは限らない)である。
(2)数の集合Aの要素のある数zが集積点ではないとき、その点zを数の集合Aの孤立点と呼ぶ。

--(集積点の定義おわり)---

《関数の極限》
 関数f(x) の定義域Aの集積点aの極限を以下で定義する。点aが集合Aの集積点であるので、関数f(x) の定義域Aのxの数の集合Aから、aと異なる数x1, x2, x3, ・・・, xn, ・・・ を選んで、点aに収束するxの無限数列{xn}を作ることができる。その無限数列{xn}が点aに収束するのにともなってf(xn) が値Cに収束することが、x→aで関数f(x)に極限値Cが存在するための基礎条件である。
 関数f(x) において、変数xがaと異なる値をとりながら限りなくaに近づくとき、f(x) の値が一定の値Cに限りなく近づくならば、
x→aのときf(x) の極限値がCである。
といい、次のように書く。

また、この場合、”x→aのときf(x) はCに収束する”という。

【関数の極限の定義】
 関数f(x) の定義域Aの変数xが集積点aと異なる値をとりながら限りなくaに近づくのに伴って、関数f(x) の値が一定の値Cに限りなく近づく、という関数の極限は、以下のように定義する。
 「関数f(x) の定義域の変数xが限りなくaに近づくとき関数f(x) に極限値Cが存在する」ことの数学的定義を:
「点aで無い関数f(x) の定義域Aの点xの、点aに収束する全ての無限数列{xn}で共通して、関数f(x) が同じ値Cに収束する」ことと定義する。
 そう定義する理由は、関数f(x) によっては、点aに収束する各無限数列{xn}毎に、関数f(x) が異なる値Cに収束したり、収束しなかったりすることがあるからである。

【関数の右側極限と左側極限】
 関数f(x) の定義域の数の集合Aの、集積点aよりも大きい点xn による、点aに収束する無限数列 {xn}が存在するとき(点aは数の集合Aの要素とは限らない)、xn が、集合Aの点aの値よりも大きい値をとりながら限りなくaに近づくにつれてf(xn) の値が限りなくCに近づくならば、Cを点aでのg(x,a) の右側極限値といい、次のようにあらわす。

 数の集合Aの、集積点aよりも小さい点xn による、点aに収束する無限数列 {xn}が存在するとき、xn が、集合Aの点aの値よりも小さい値をとりながら限りなくaに近づくにつれてf(xn) の値が限りなくCに近づくならば、Cを点aでのf(x) の左側極限値といい、次のようにあらわす。

〔極限が存在する条件〕
(1)関数f(x) の点aに係わる右側極限値か、又は、左側極限値かの一方のみが存在する場合は、その存在する極限値が点aに係わる関数f(x) の極限値である。
(2)関数f(x) の点aに係わる右側極限値が存在し、かつ、左側極限値も存在する場合は、両者の極限値Cが一致することが集積点aで関数f(x) の極限が存在するために必要十分な条件である。
 すなわち、右側極限も存在し左側極限も存在して両者の極限値Cが一致する場合は、関数f(x) の定義域Aでの、点aより小さい値と大きい値のxn が混ざった数列で点aに収束する無限数列{xn}においても、関数f(x) が同じ極限値Cに収束する。そのため、関数f(x) の点aに係わる極限が存在する条件の、「関数f(x) のa以外の点xによる、点aに収束するどの無限数列{xn}であっても関数f(x) が同じ値Cに収束する」ことが成り立つからである。


 こうして、古典的(基礎的)微分積分学では、点aに収束する定義域Aの点xの無限数列の全てで、関数f(x) が同じ値Cに収束することを、集積点aで関数の極限値が存在する条件とした。また、関数の定義域Aの集積点aが定義域Aの外の点であっても極限を定義した。

 そのように、関数f(x) の定義域Aの集積点aに対して関数の極限値Cを定義した上で、
その極限値C=f(a)
になることを、集積点aで関数f(x) が連続であると定義した。
すなわち、関数f(x) の定義域Aの集積点aに対して、極限の概念の延長として、点aが連続である条件を定義した(その定義には、定義域Aの外に出た数の集合Aの集積点aは連続な点では無い「不連続点である」という意味が含まれる。集積点aが定義域Aに含まれる場合には、多くの場合にその集積点aは連続な点になる。)

 f(x) の定義域Aの集積点aの極限値Cがあり、更に点aが定義域Aに属しf(a) の値が存在し、その極限値C=f(a) になる場合に、f(x) が x=a で連続になる。

 連続関数の定義は、1817年にBolzanoが中間値の定理を証明する前提条件に定義した連続関数の定義により、歴史上初めて連続関数が正しく定義された(その定義は関数の連続性を区間で定義するものである)。

 日本の大学数学では、1817年にBolzanoが定義した連続関数を、「区間で連続な関数」と呼んでいる。

 関数の連続性に係る定理には、必ず「区間で連続な関数」という言葉が使われる。

 大学で学ぶ数学書(ここをクリックした先の数学書)などで「連続関数」と呼ぶ関数は区間で連続な関数を意味する。

(補足)
 高校数学の数Ⅲの教科書「数学Ⅲ Advanced」(東京書籍)では、1817年にBolzanoが正しく定義した連続関数を、以下のように正しく定義している。
「関数f(x) がある区間Iに属するすべての値xで連続であるとき、f(x) は区間Iで連続である。」

 関数f(x)の連続性は、関数f(x) の定義域Aの集積点a毎に(点aが定義域Aに含まれない場合も)関数の連続性を判定する。
 更に、関数f(x) の定義域Aの集積点aの集合が所定の幅の広がりがある区間で連結していて、その区間内の少なくも内点では関数f(x)が連続である場合に、その区間内の関数f(x)が連続関数であるという。

 下図の3つの区間で定義された3つの関数F1(x), F2(x), F3(x)が3つの連続関数です。
1つながりのグラフが1つの連続関数です。

【連続でない点】


y=f(x) ≡ 1/xは、x=0でグラフが途切れた関数です。
 関数の連続性は、関数の定義域Aの集積点a毎に(点aが定義域Aに含まれない場合も)判定する。x=0という点は、この関数f(x) の定義域Aの集積点の1つである。その点x=0では f(x) の値が無いので、x=0の点では関数 f(x) は連続ではない。x=0の点は、関数 f(x) が「連続でない点」と呼ぶ。

 連続関数とは、関数の定義域Aが区間で連結していて、
その区間の点で関数の値域が連結することで、関数のグラフが1つながりに連結している関数の事である。
 古典的(基礎的)微分積分学を教える高木貞治の「解析概論」では、連続関数を、「ある区域(区間)内において,変数xが連続的に変動するのに伴って連続的に変動する関数f(x) 」と呼んでいる。関数f(x) が連続的に変動するという意味は、関数が区間で、連続的に定義されているという意味である。すなわち、f(x)=1/x という関数のように、x=ー1からx<0までは関数f(x) が定義されていて、x=0という定義域Aの集積点では関数が定義されていない。再びx>0からx=1まで関数f(x) が定義されている。といった、関数f(x) がその定義域Aの集積点の集合の区間[-1,1]の内点で連続的には定義されていない関数は連続関数ではないのである。


《連続関数の定義域の指定》
 連続関数は、関数の定義域が連結するために、所定の区間とセットにして定義される。
上図の y=f(x) であらわされたグラフは、X=0とX=2で不連続ですが、
0≦x≦2の閉区間 [0,2] で定義された関数 f(x) は連続関数です。

 高校数学で学ぶ初等関数はすべて、区間の全ての点で関数が連続な区間を選び、その区間とセットにして区間で連続な関数が作れる。
例えば、

は、2つの区間(-∞,2)、(2,∞)で連続である。
すなわち、2つの、「区間で連続な関数」が作れる。
その個別の「区間で連続な関数」を単位にして微分積分を考える。

 このサイトでは、以降では、1817年にBolzanoが正しく定義した連続関数を、誤って定義された連続関数と区別するために、「区間で連続な関数」と呼ぶ。

《位相空間論に注意すること》
 大学数学で登場する現代数学の位相空間論に係わる関数f(x) の連続性の定義では、実数の区間に限定されない(例えば有理数を定義域とする)関数f(x) の、点aでの連続性が定義される。しかし、その関数f(x) は、積分可能ではない。また、その関数f(x) は、〔連続関数の定義の役割〕の第1の条件を満足していないから、千切れている。
また、位相空間論に係わる関数の極限の定義では、古典的(基礎的)微分積分学の変数xの極限に必須な条件の「変数xが限りなく近づく先の点aが、関数f(x) の定義域の変数xの集積点である」を否定して、集積点では無い孤立点aを変数xの極限にしている。
 そういう現代数学の位相空間論に係わる連続関数を学ぶ以前に、微分積分の基礎知識として、古典的(基礎的)微分積分学の極限の概念と連続関数(区間で連続な関数)の概念をしっかり学んでおく必要がある。
 区間で連続な関数の性質を、位相空間論では、「位相空間論に係わる関数の(値域の)連続性(関数が定義域で千切れていても良い)」と、関数の(定義域の)連結性、という2つの要素に分けて解析している。その位相空間論を理解する以前の基礎知識として、区間で連続な関数(千切れていない関数)の概念を学んでおく必要がある。

 大学数学で学ぶ位相空間論に係わる微分積分学を学ぶには、
「嶺幸太郎 著「微分積分学の試練」」を学ぶと良い。
 最近の大学数学の微分積分の講義は、微分積分を0から学び始めた初心者向けの古典的な(基礎的な)微分積分の概念は教えなくなっているようです。「微分積分の概念の正しい基礎は高校数学で学んで来たハズだから、大学では現代数学の位相空間論に係わる微分積分を教える」という大学の数学の講義の方針があるように思います。
(位相空間論に係わる微分積分学の教科書には、《杉浦光夫著「解析入門Ⅰ」》 https://bookmeter.com/books/4078 がある)
しかし、古典的な(基礎的な)微分積分の概念を知らずして位相空間論に係わる微分積分は理解できないと思います。 そういう状況なので、高校数学を学ぶ中で、古典的な(基礎的な)微分積分の概念を自力でしっかり学ぶしかないようです。
(古典的微分積分学の教科書には、《高木貞治著「増訂解析概論」》
https://linesegment.web.fc2.com/books/mathematics/zouteikaisekigairon/index.html がある)
(ここをクリックした先の大学では古典的(基礎的)微分積分学の知識から教えてくれます。)

《位相空間論の不連続点の意味》
 位相空間論が定義する「不連続点」は、古典的(基礎的)微分積分学が点と関数との関係から定義した「不連続点」、とは異なる概念である。正しくは、位相空間論の「不連続点」とは、
「関数が位相空間論での不連続性を持つ関数の定義域の点」
を指す数学用語である。
 また、位相空間論の「連続点」とは、
「関数が位相空間論での連続性を持つ関数の定義域の点」
を指す数学用語である。
 古典的微分積分学で使っている数学用語と同じ言葉(連続点、不連続点)を使っていても、その元の概念とは異なる概念・対象を位相空間論で定義している。(例えば、極限点(集積点)ではない孤立点を「連続点」とする等、古典的微分積分学とは異なる対象を位相空間論が定義している)
(注意) 位相空間論の関数の連続性の定義から、「関数fがそもそも点aにおいて定義されていない場合、すなわちa∉定義域Aである場合、関数fは点aにおいて連続ではない」という結論になる。位相空間論の「不連続点」の定義はその結論と整合しないので誤りである。また関数の定義域Aの集積点の集合での内点での連続性を(その集積点が定義域Aに含まれない場合には)判定しないので誤りである。そのため、「不連続点」と呼ぶよりは「定義域に限った不連続点」と呼んだ方が良い。

《位相空間論に係わる微分積分学を見た感想》
 位相空間論に係わる微分積分学では、そもそも、点aでの関数f(x) の極限を定義する上での大前提の「点aが集積点であるときにのみ、点aでの関数f(x) の極限が定義できる」を否定している。すなわち、集積点でなければならないという条件を否定して「関数の連続性」を再構築した。また、位相空間論では関数f(x) の定義域Aの孤立点aを連続点と定義する。しかし孤立点aは、定義域Aの外の実数の集合の集積点でもある。孤立点aは、定義域Aの外の実数の集合の収束する点という特徴があり、定義域の外の実数の集合と連続する寸前の点である。その孤立点aを定義域Aの連続点と定義するのは不自然である。しかし、「集積点で無い点を扱うことで関数の極限の概念から乖離して定義した」位相空間論に係わる関数の連続性の性質が不自然なのはあたり前なのだろう。一方で、現時点での位相空間論は、一旦捨てた「極限の概念」を必死に理論の中に取り戻そうとしている課程の途上にあるのだろう。

 古典的(基礎的)微分積分学は、位相空間の数の集合を実数全体にした上で、実数の区間を定義域とする関数f(x) の微分積分学である。しかし、「連続点」と「不連続点」の数学用語は、位相空間論と古典的微分積分学とでは異なる対象を指す言葉になっている。

リンク:
反比例 ; y=1/xという関数は、連続関数なのですか
f(x) = 1/x って、どうして連続なの?
関数が連続であるとは
やさしい微分積分
連続関数の定義
連続性公理と実数を定義する3つの方法 (初学者向けの話)
関数の極限の定義
実数はどう定義される?|実数の連続性公理から理解する
コンパクトであれば有界な閉区間である
『増訂解析概論』高木 貞治 著の現代仮名遣い版
高校数学の目次

関数とは何か

やさしい微分積分
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〔関数とは何か〕

 微分とは何かを理解するために、先ずは「関数」について説明します。

 17世紀から18世紀においては,関数f(x) とは
● 独立変数を含む,よく知られた形の式であらわされる。
● 各点の周りで羃級数にテイラー展開できる。

そういうものだと考えられていた。
しかし、それは、任意の関数f(x) をあらわすものではなかった。

 19世紀になって、ディリクレが、
任意の関数f(x) とは何かという問いに対して,次のように答えた。
 変数yが変数xに関連づけられていて,xの数値が与えられるたびに,それに対するyの値がただひととおりに決まる仕組みy=f(x) があるなら,yは独立変数xの関数である,といわれる。
 なにより「値が決まる」というのが関数という概念のキモであり,
値を決める仕組みが代数式や羃級数といったよく知られた規則によっている必要はない。
このように,ディリクレが、値が決まる仕組みとしてきわめて一般的に関数f(x) というものを定義した。

《1.1 関数の定義(definition of function)》
 2 つの集合の間の関係を決める規則を関数といいます.ここでは,実数の集合を考えます.
Rを実数全体の集合とします.
ある実数の集合D に属する各数x に対して,実数y が1 つ定まるような規則 f を、
D からR への1 価関数(single-valued function),または、1変数(の1価)関数、または単に関数といいます.

すなわち、「ある装置にxを入力すると、それに応じた数yが出力されるとき、そのy=f(x)を与える装置f( )を関数と呼びます」。

「関数」の定義では、正しくは、所定の関数を定める(所定の関数を定義する)場合に、関数のグラフの形(演算)を自由に定めるのと同時に、装置 f( ) のかっこの中に入れられる数が何と何であるかを定めることで関数が定まる。

 関数f(x)=x2というように、数xを使った演算式によって、関数 f( ) が出力する数値を与える演算を定めることが必要である。それだけではなく、その関数 f( ) のかっこの中に入れることができる数xが何と何であるかを定めることで関数が定まる。

《独立変数xと従属変数y 》
 y=f(x)
 というように、関数 f( ) に入力する数xを「独立変数」と呼び、関数 f( ) から出力される数yを「従属変数」と呼ぶ。

(定義域が異なる関数は、異なる関数)
 関数f( ) のかっこの中に入れられる数xが何と何であるかを定める。そうして定めた数xの集合を、関数 f( ) の「定義域」と呼ぶ。
 関数 f( ) の出力する数yの集合を、関数 f( ) の「値域」と呼ぶ。
《定義域が異なる関数は、異なる関数》
 関数は独立変数xの定義域の集合の要素の各数に対して関数値f(x) を対応付けさせる規則の事です。そのため、関数 f( ) を独立変数xで演算する演算の式が同じであっても、定義域が異なれば異なる関数です。そのため、関数の独立変数xの定義域の数だけ複数の関数が作れる。

《定義域の表現》
「次の関数の最大値と最小値を求めよ。」

という表現での(ー1≦x≦4)が関数の定義域をあらわす。
ここで、
ー1≦x≦4
をxの定義域とする、と言う場合は、通常は、「その範囲内のすべての実数を定義域とする」、という意味を持ちます。
 定義域の設置は、それ以外も可能です。そのxの範囲内の全ての有理数を定義域とする関数f(x) を定義することもできる。その関数f(x) は、その関数の定義域には無理数が含まれていない。

《グラフの傾き》
 放物線のグラフの傾きを考える。

上図で、直線ABの傾きは、独立変数xの増加に対する従属変数yの増加の比であらわされる。その直線ABに平行な直線を書いていくと、放物線に点Cで接する直線DEが描ける。直線DEの傾きは直線ABの傾きと同じである。放物線の、点Cでの傾きは、微小なxの増加に対する放物線の微小なyの増加の比であって、直線DEの傾きと同じである。

リンク:
やさしい微分積分
逆関数や合成関数の概念
高校数学の目次


微分積分を考える根底

やさしい微分積分
〔次のページ〕〔微分積分の目次〕
微分積分のやさしく良い参考書:
「高校生が感動した微分・積分の授業」
「やさしく学べる微分積分」
「大道を行く数学(解析編)」

《積分の概念》
以下の問題を考えます。

【問題1】 
 なぜ、三角錐の体積Vは、
体積V=底面積S×高さh×(1/3)
なのか。
 この公式は、何とか覚えられたと思いますが、
もっと、すっきり覚える方法が無いか?
と考えたことがあると思います。
 この問題は、以下の様に分析することができます。
この解に法則性があるように思われますが、
この問題は難しいので、これを解くための準備として、
この問題をもっとやさしくした以下の問題を先に解くことにします。

【問題2】
 なぜ、三角形の面積Sは、S=底辺L×高さh×(1/2)
なのか。
この問題ならば、上のような場合を考えて、解くためのヒントを見つけることができます。

この問題2で得られたヒントを拡張して、
以下の様に問題1を解析します。

【問題1(再)】
これは、以下のグラフの面積を分割して計算することに対応すると考えることができます。
(この計算で用いた2乗の数列の和の式はここをクリックした先のページにあります)

 このように問題を解析することで、後は、この2次関数のグラフの面積を与える法則性を把握すれば、この種の問題が自由に解けるようになることが理解できます。

 この様に、分割した要素の総計を求めてグラフの面積を計算する手法が積分という考え方です。

(積分の目的)
 これから学ぶ積分により、円の面積や球の体積が、なぜ、今まで教わってきた体積の公式であらわされるかの秘密が明らかにされる。更に、それ以外の種々の形の物体の体積も、積分を用いて計算できるようになる。それができるようになるために、これから微分・積分の基礎を学んでいくのである。