2011年4月15日金曜日

加法定理の練習問題1

佐藤の数学教科書「三角関数」編の勉強

【問1】
tanα,tanβが方程式x2-4x+3=0の2つの解であるとき、tan(α+β)の値を求めよ。


(注意)
 佐藤の数学教科書では、「加法定理」に直接かかわる練習問題は、この(1節)「三角関数とは」に掲載されています。

 (2節)「等式の証明問題」になると、
「加法定理」を学んだ人は、初めて三角関数に関する知識が完全になったと判断され、一人前の基礎知識を持つに至った人と認定されたように見える。

 つまり、それまでは、三角関数の正弦定理の問題にしろ、余弦定理の問題にしろ、問題が難しくならないように、かなりの手加減をして問題を出していたのを、
加法定理以降は、一人前扱いをし、手加減がなくなり、
三角関数を使った問題が一気に難しくなるように見える。

 そのため、これからの三角関数の問題は、正弦定理や余弦定理の問題の難問が多くなり、
以前と比べ難しい問題が多くなる事を覚悟しておいた方が良いと思う。

【解答】
(求める答えを、より易しい答えにできないかを考える)
問題を解くときには、いつも、この発想から始めること。
この段階では、どう解答するかの見通しを立てます。

tanの加法定理を思い出して、次の式を考える。
この式1を見ると、(tanα+tanβ)と、tanαtanβが求められれば、tan(α+β)が求められることが見通せる。

tanα,tanβが
方程式 x2-4x+3=0 (式2)
の2つの解であるとき、
(xの係数): -4=-(tanα+tanβ) (式3)
定数項:     3=tanαtanβ  (式4)
となる関係を使う。

式3と式4を式1に代入する。
(解答おわり)

リンク:
高校数学の目次

加法定理(等式の証明(1))ある難問

佐藤の数学教科書「三角関数」編の勉強

【問1】難問
三角形ABCにおいて
∠A≠0であり、
2cosA+cosB+cosC=2 (式1)
が成り立っていれば、
2sinA=sinB+sinC (式2)
が成り立つことを証明せよ。

(注意)この問題は、「加法定理」の例題として出されていましたが、
必ずしも加法定理を使って解くものとは限らない。
以下に説明する証明の計算でも加法定理は使わないで証明する。
そして、三角形の正弦定理sinA/a=1/(2R)・・・を使うことが、解答のために本質的に重要。

【重要な注意】
式1のcosの式を、加法定理その他の三角関数の変換定理で変換しても、式2に至りません。そのように、三角関数の計算の自由度は低いです(加法定理などで変換できる式も少しはありますが)。
そのため、三角関数(特に三角形の角度の三角関数)の問題を自由に解くためには、三角関数の式を、なるべく、ベクトルの式やxy座標の式に変えて計算する必要があります。

(予備知識)
受験問題のときは、三角形の角度のsin、cos(三角関数)の式の証明問題は、三角関数の式をベクトルの式であらわして、図形で考えます。ベクトルを利用して図形の問題を考えることは、計算の見通しを良くするからです。

(問題をより易しい問題に変換してから解くこと)
証明すべき対象の
2sinA=sinB+sinC (式2)
を直接証明しようとする前に、この式を、図形の問題として、わかる限り、問題をかみくだいて易しい問題に変換しておいてから問題を解きます。

三角形の正弦定理sinA/a=1/(2R)・・・を使うと、
2sinA=sinB+sinC (式2)
は、以下の式に書き直せます。
2(a/(2R))=(b/(2R))+(c/(2R))
2a-b-c=0 (式3)
問題がここまで易しくなります。
三角形の辺の長さの関係の式3を証明すれば良いです。

(式1の変形の方針)
正弦定理を使って、証明するべき式2のsinを消去して易しくしたように、ベクトルの内積の式を使って、元の条件の、式1のcosを消去します。
(cosを消去する場合に、余弦定理を使うよりは、計算の見通しの良いベクトルの内積の式を使います)

この式を使って、式1を以下のように書き直します。
この式の解は:
2a-b-c=0, (式4)
又は、
ベクトルMとNの内積=bc, (式5)
です。

式5が成り立つ場合に、式4(式3)が成り立つとは限らない。
式5では、
ベクトルMとNの内積=bc
になり、
その場合は
∠A=0
である。
前提条件が
∠A≠0
であるため、式5は不適であり、式4が成り立つ。
よって、
∠A>0の場合に、式3と同じ式4が成り立つ。
(証明おわり)

【問2】
(問2が作られた背景)
 問1を解く方法を発見した後で考えることは、
「発見したその解き方は、他の問題を解くのにも使える適用範囲の広い解き方なのだろうか?」
という疑問が湧くと思います。
 しかし、そういう疑問に答えてくれる人はごくわずかしかいなく、高校の数学の先生や予備校の数学の先生が答えてくれ可能性は低く、ましてや、ネットでの質問サイトからまともな答えが得られるとは考えられない、と思います。
 自分が分からない問題に素直に分からないと答えられる率直な先生、すなわち、大学の数学の先生からは、まともな答えが受け取れるだろうと思います。それ以外にあてに出来る人は、そのような疑問を抱く、数学が好きな友人か、また、そのような疑問を抱いた自分自身だと思います。
 それで、この疑問を具体化した、以下の問2を考え、自分自身で、この問題を解くようにしましょう。

(問2の問題の記述)
三角形ABCにおいて
∠A≠0,∠B≠0,∠C≠0,
であり、以下の式1が成り立つときに式2が成り立つように、
式1と式2の係数x、y、z、s、t、uの値を定めよ。

(解答開始)

先ず、式2を、正弦定理を使って、上の式3に変換します。

次に、式1を以下のようにベクトルの内積であらわします。
この式4から、式3の形の解を得るための条件の1つは、
以下の式5と式6である。
この式5と式6が成り立つならば、以下のように、式4が式7に変形できる。
∠A≠0であるので、
 
は0にはならない。
そのため、式7から、式8が得られる。
この式8が式2に等しくなる条件は、以下の式9~式12で与えられる。
式5と式6と、これらの式9~式12が、式1が成り立つときに式2が成り立つ、係数x、y、z、s、t、uの値の1つである。
(式4から、式3の形の解を得るための条件の全てが式5と式6であるとまでは証明しなかったため、これ以外の解がある可能性が排除できていない。特に、式5と式6が成り立っていなくても、式3の係数を適切に選べば(ただし、その係数は角度A,B,Cに応じて変わるだろうが)式3はいつでも成り立たせることができると言える。) 
(解答おわり)

(補足)
 この問題2を解いた結果、式1の形の条件から必ず式2の形の式が導けるわけでは無いことがわかった。式1から式2が得られる場合は、式5と式6と式9~式12が成り立つ場合に限られることがわかった。

 一般的な形の式1を式2の形に変換する公式は無い。

 よって、問題1において、式1から式2が得られることの証明方法は、それぞれの式を単純化して比較する分析の結果、両式が偶然に一致していることを確認する、上記の解き方で良いことがわかった。

リンク:
別解
複素数平面を使った解答
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2011年4月13日水曜日

交差する直線の連立方程式の変換

佐藤の数学教科書「図形と方程式」編の勉強

【問1】2つの線の交点を与える連立方程式として、
(直線1) x+y=5 (式1)
(曲線2) xy=6  (式2)
がある。この2つの線の式の連立方程式の解は、2つの線の交点AとBの座標(x,y)を与える。
この式1と式2と同じ解を与える以下の形の連立方程式を作れ。
(直線1)   x+y=5       (式1)
(2直線3) (x-a)(x-b)=0 (式3)

(解答と解説)
この問題は、式1と式2の解を、別の方程式を使って求める問題です。

(計算方針)
(mx)(式1)+n(式2)を計算することで、(2直線3)の式を求める。

計算の見通しを良くするために、式にmを掛け算してm倍になる項を全て左辺に集めた式に整えて計算する。
(直線1)  x+y-5=0 (式1’)
(曲線2)  xy-6=0  (式2’)
(2直線3) x2-(a+b)x+ab=0 (式3’)

(2直線3の式の計算)
(mx)(式1’)+n(式2’)を計算することで、直線3の式を求める。
(mx)(x+y-5)+n(xy-6)=0 (式4)
この式4を、式3’と等しくなるように、mとnの値を決める。
式4と式3’を比較し易いように、式4を変形する。
mx2+(m+n)xy-5mx-6n=0 (式4’)
一方式3’は以下の式である。
x2-(a+b)x+ab=0 (式3’)
式4’が式3’と等しいためには、
       <式4’><式3’>
x2の項:      m=1     (式5)
xyの項:  (m+n)=0     (式6)
xの項:    -5m=-(a+b) (式7)
定数項:    -6n=ab    (式8)

これらの式5から式8までの式のうち式7と式8は、値が定められていない数aとbを定める式であるので、mとnの値を制限する式ではないので、無視して良い。

よって、以下の式でmとnを定める。
m=1     (式5)
(m+n)=0 (式6)
式5を式6に代入して、
n=-1
が得られる。
m=1と、n=-1とを式4’に代入する。
mx2+(m+n)xy-5mx-6n=0 (式4’)
x2-5x+6=0
これが式3’の形の式である。
因数分解して
(X-2)(X-3)=0 (式3)
が得られる。

(注意)この式は、式1’と式2’を加えて得た式3であるので、式1と式2の線の交点AとBを通る。

以上の計算で得た以下の式の連立方程式は(式1)と(式2)の連立方程式を変形して求めたので、元の式1と式2の連立方程式と同じ解を与える。
(直線1)  x+y=5        (式1)
(2直線3) (X-2)(X-3)=0 (式3)
すなわち、上の式の直線1と(2直線3)との交点は、直線1と曲線2の交点A、Bと同じ点である。


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加法定理とは(1)

以下の加法定理を導く計算は覚えにくいかもしれません。
ベクトルの内積を学んだ人には、「加法定理はベクトルの内積の式」
の計算の方が、余弦定理を気にしないでも考えられる等で、分かり易いので、そちらを読んでみてください。

【cosの加法定理】

上図のように、半径が1の単位円上の2つの点WとSがあり、
点Wの偏角はαとし、点Sの偏角はβとする。
その2つの点の偏角の差β-α=θの余弦cos(θ)を求める。

点Wの座標(w1,w2)と点Sの座標(s1,s2)とαとβとθの間には以下の関係があります。
(なお、上図の様に添え字を付けてあらわした座標記号を使い、点の名前WとSを引き継いだ記号であらわしてください。そうした方が、記号の意味の見通しが良くなるからです)
先ず、余弦定理を、以下の図と式で思い出します。
余弦定理により以下の式が得られる。
各座標をαとβの三角関数で置き換えると、
(式2)は、cosの加法定理です。
この形であらわしたcosの加法定理は、2項を足し算した公式なので覚え易いと思います。

(三角形の辺の二乗の引き算の公式を使った導出方法)
三角形OSWの辺OSと辺SWの二乗の引き算の公式:
各座標をαとβの三角関数で置き換えると、
(cosの加法定理の導出おわり)
 上のように、三角形の辺の二乗の引き算の公式を使ってcosの加法定理が導出できるのは、三角形の辺の二乗の引き算の公式と余弦定理が等価な公式であるからです。
 等価な公式であるので、三角形の辺の二乗の引き算の公式を覚えていれば余弦定理を覚えないでも問題を解くのに支障がありません。
 しかし、それでは寂しいので、以下のように、三角形の辺の二乗の引き算の公式から1行の式の変換で余弦定理を導出して余弦定理を思い出す習慣をつけましょう。
https://schoolhmath0.blogspot.com/2016/09/blog-post_96.html
(これが余弦定理)

(cosの加法定理のもう1つの導出方法)
 三角形の垂心の関係線分の長さは、以下の図の様に、三角比で表す長さのデパートになっています。
この三角比であらわす長さのデパートから、
以下の公式が成り立っていることが分かります。
cosA=sinBsinC-cosBcosC,
cosA=cos(π-B-C)
=-cos(B+C),
∴ cos(B+C)=cosBcosC-sinBsinC,
(cosの加法定理の導出おわり)

【sinの加法定理】
また、sinの加法定理は、上の式のcosをsinを用いた形に変えることで導けます。
sin((π/2)-(β-α))
=cosβ・cosα+sinβ・sinα
ここで、
(π/2)-β=γ
と置き換え、
β=(π/2)-γで書き換えます。
sin(γ+α)
=cos((π/2)-γ)・cosα
+sin((π/2)-γ)・sinα
sin(γ+α)=sin(γ)・cosα+cos(γ)・sinα
sin(γ+α)=sinγ・cosα+cosγ・sinα (式3)
(式3)は、sinの加法定理です。
この形であらわしたsinの加法定理は、2項を足し算した公式なので覚え易いと思います。

【sinの加法定理のその他の証明】
先ず、以下の三角形を考えて3辺の長さを各辺の正弦定理を使うと、加法定理が導き出されます。

この辺BCの長さaについては:
BC=2RsinA ,
でもある。
それによって、
sinA=sinC・cosB+sinB・cosC ,
が得られる。
そして:
sin(π-B-C)=sinC・cosB+sinB・cosC ,
sin(B+C)=sinC・cosB+sinB・cosC ,
(証明おわり)

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加法定理はベクトルの内積の式

ページ内リンク:
▷ベクトルの内積の定義
▷ベクトルの射影
▷三角関数の加法定理はベクトルの内積の式

先ず、ベクトルの内積によってベクトルの射影の長さが計算できることを説明する。

《ベクトルの内積の定義》
(このベクトルの内積の定義の説明を、もっと分かり易くした説明がここをクリックした先に有る)

単位ベクトルA=ベクトルOA=(a1,a2)の長さの2乗は、a1・a1+a2・a2=1 (式1)
であらわすことができる。
その値は、単位ベクトルAがどの方向を向いていても1になる。

この式1を拡張して、
ベクトルP=ベクトルOP=(p1,p2)があり、単位ベクトルA=ベクトルOA=(a1,a2)がある場合に、
ベクトルPとベクトルAの内積演算を、
p1・a1+p2・a2
 (式2)
で定義する。
-----ベクトルの内積の定義おわり----------------


《ベクトルの射影》
(1)式2で内積を定義すると、
互いに垂直なベクトル同士の内積=0
になる。
実際、
単位ベクトルA(a1,a2)と
それに垂直なベクトルAv(-a2,a1)
との内積=-a1a2+a2a1=0 (式3)

になる。

(2)下図の様に、ベクトルPを、ベクトルAに平行なベクトルPaと、ベクトルAに垂直なベクトルPbに分解し、両ベクトルを合成したベクトルと考える。
すると、ベクトルAに垂直なベクトルPbとベクトルAの内積は0になる。

そのため、ベクトルPとベクトルAの内積は、ベクトルPからベクトルAに垂直なベクトルPbを除去して、残ったベクトルAに平行なベクトルPaとベクトルAとの内積になる。
ベクトルPaはベクトルPのベクトルAへの射影である。

単位ベクトルAの大きさは1だから、ベクトルPとベクトルAの内積は、ベクトルPにおけるベクトルAに平行な部分のベクトルPaの大きさ(長さ)になる。

(3)ベクトルPと単位ベクトルAの内積は、
ベクトルPから単位ベクトルAに垂直な
ベクトルPbを除去して、残ったベクトルAに平行なベクトルPaの長さに等しい。
すなわち、ベクトルPとベクトルAの内積は、
ベクトルPの、ベクトルAに平行な直線への射影の長さに等しい。

 

例えば、ベクトルPがベクトルAと成す角度がθの場合、
ベクトルPの、ベクトルAに平行な直線への射影の長さ=|P|cosθである。
よって、
ベクトルPと単位ベクトルAの内積=|P|cosθ (式4)


こうして、ベクトルPと単位ベクトルAとの内積によって、
ベクトルPの、単位ベクトルAに平行な直線上への射影の長さをあらわすことができます。

《三角関数の加法定理は、ベクトルの内積の式である》
 このベクトルの内積の概念を使うと、
三角関数の加法定理の公式が、
ベクトルの内積の計算の式であると理解できる。
(下図でベクトルBv はベクトルBに垂直なベクトルである)

このcosの式とsinの式が三角形の加法定理を表している。

(なお、点あるいはベクトルの座標値を記号であらわすときは、上図の様に添え字を付けて座標記号をあらわし、点の名前WとSを引き継いだ記号であらわしてください。そうした方が、記号の意味の見通しが良くなるからです)

(tanの加法定理)
tanの加法定理は、sinの加法定理とcosの加法定理から、以下のようにtanの加法定理が導ける。

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2011年4月10日日曜日

2円の交点を通る直線と円

佐藤の数学教科書「図形と方程式」編の勉強

【問1】2つの円、
(円1) (x-3)2+(y-2)2=3 (式1)
(円2) (x-1)2+(y-1)2=4 (式2)
がある。この2つの円の2つの交点AとBを通る(直線3)と、座標原点(0,0)を通る(円4)との式を求めよ。

この問題の円の(式1)と(式2)の連立方程式の解が交点AとBの座標になる。

この連立方程式と同じ解の交点AとBの座標を与える別の連立方程式(一方は直線の式で、もう一方は円の式)を求める問題です。

(解答と解説)
この問題は、式1と式2の解を、別の方程式を使って求める問題です。
その解を与える以下の形の連立方程式を作る問題です。
(直線3) ax+by=c (式3)
(円4) x2+y2+dx+ey=f (式4)
ただし、式4は座標原点(x,y)=(0,0)を通るので、それを代入して、
0+0+0+0=f の式を満足しなければならない。
そのため、f=0である。よって、式4は以下の式になる。
(円4) x2+y2+dx+ey=0 (式5)

よって、求める連立方程式は、以下の形の式です。
(直線3) ax+by=c (式3)
(円4) x2+y2+dx+ey=0 (式5)

(計算方針)
m(式1)+n(式2)を計算することで、直線3の式を求め、同様にして円4の式を求める。

計算の見通しを良くするために、式にmを掛け算してm倍になる項を全て左辺に集めた式に整えて計算する。
(円1) (x-3)2+(y-2)2-3=0 (式1’)
x2-6x+9+y2-4y+4-3=0
x2+y2-6x-4y+10=0 (式6)

(円2) (x-1)2+(y-1)2-4=0 (式2’)
x2-2x+1+y2-2y+1-4=0
x2+y2-2x-2y-2=0 (式7)

(直線3の式の計算)
先ず、m(式6)+n(式7)を計算することで、直線3の式を求める。
m(x2+y2-6x-4y+10)
+n(x2+y2-2x-2y-2)=0 (式8)
この式8を、式3と等しくなるように、mとnの値を決める。
式8と式3を比較し易いように、式8を変形する。
(m+n)x2+(m+n)y2
+(-6m-2n)x+(-4m-2n)y+(10m-2n)
=0 (式9)
一方の直線の式3には、x2の項やy2の項が無いので、上の式もそれらの項の係数が0でなければならない。

(詳しくは、以下のように考える)
式9が式3と等しいためには、両式の各係数が等しくなければならない。
         <式9> <式3>
x2の係数: (m+n)  =0 (式10)
y2の係数: (m+n)  =0 (式10と同じ)
xの係数: (-6m-2n)=a
yの係数: (-4m-2n)=b
定数項:    (10m-2n)=-c

式10以外の式は未知数a,b,cを定める式であって、mとnを限定する式ではないので、mとnを限定するのは式10のみ。
よって、
m+n=0 (式10)

この式10の条件を満たすmとnのどの組合せでも良い。
とりあえず、m=1、n=-1に決める。
その場合は、式9は、以下の式になる。
(-6+2)x+(-4+2)y+(10+2)=0
-4x-2y+12=0
(-2)で式全体を割り算する。
2x+y-6=0 (式11)
この式11が求める式3の形(を変形した形)の具体的式である。

(注意)この式は、式6と式7を加えて得た式9であるので、式1と式2の円の2つの交点AとBを通る。

(円4の式の計算)
(m+n)x2+(m+n)y2
+(-6m-2n)x+(-4m-2n)y+(10m-2n)
=0 (式9)

以下の計算では、式9のmとnを、円4を求めるために定め、先に直線3を求めるときに定めた値とは別の値のmとnを定める。

円4の式5は以下の式である。
(円4) x2+y2+dx+ey=0 (式5)
式9が式5と等しいためには、両式の各係数が等しくなければならない。
x2の係数: (m+n)=1 (式12)
y2の係数: (m+n)=1 (式13)
xの係数: (-6m-2n)=d (式14)
yの係数: (-4m-2n)=e (式15)
定数項の係数: (10m-2n)=0 (式16)

式14と式15は未知数dとeを定める式なので、mとnを限定する式では無いので無視して良い。
それ以外の式は、式12(式13と同じ)と式16だけである。
(m+n)=1 (式12)
(10m-2n)=0 (式16)
この式12と式16を連立してmとnを定める。

2(式12)+(式16)を計算することでnを消去した式を作る。
2m+10m=2
m=2/12=1/6 (式17)

10(式12)-(式16)を計算することでmを消去した式を作る。
10n+2n=10
n=10/12=5/6 (式18)

式17と式18を式9に代入する。

この式19が、求める円4の式5である。

(注意)この式19は、式6と式7を加えて得た式なので、式1と式2の円の2つの交点AとBを通る。

以上の計算で得た以下の式の連立方程式は(式1)と(式2)の連立方程式を変形して求めたので、元の式1と式2の連立方程式と同じ解を与える。
 (直線3) 2x+y-6=0 (式11)
(円4) x2+y2-(8/3)x-(7/3)y=0 (式19)
すなわち、上の式の直線3と円4の2つの交点は、円1と円2の交点AとBである。

【重要な注意】
 以上の方法で2つの円を通る直線や円の式を求める場合に、元の2つの円が交わらない場合にも、答えが出て来ます。その場合の答えは間違った答えですので、必ず、元の2つの円が交差して交点を持つ事を確かめておかなければなりません。また、解答にも、元の2つの円が交差して交点を持つ事を確かめた事を書いておいた方が良いと思います。


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2011年4月9日土曜日

交差する直線の連立方程式の変換

佐藤の数学教科書「図形と方程式」編の勉強

【問1】2つの直線の交点を与える連立方程式として、
(直線1) 3x-2y=3 (式1)
(直線2) x-4y=-4 (式2)
がある。この2つの直線の式の連立方程式の解は、直線の交点の座標K(x,y)を与える。

この式1と式2と同じ解を与える以下の形の連立方程式を作れ。
(直線3) x-y=a (式3)
(直線4) x+y=b (式4)

(解答と解説)
この問題は、式1と式2の解を、別の方程式を使って求める問題です。

(計算方針)
m(式1)+n(式2)を計算することで、直線3と直線4の式を求める。

計算の見通しを良くするために、式にmを掛け算してm倍になる項を全て左辺に集めた式に整えて計算する。
(直線1) 3x-2y-3=0 (式1’)
(直線2) x-4y+4=0 (式2’)
(直線3) x-y-a=0 (式3’)
(直線4) x+y-b=0 (式4’)

(直線3の式の計算)
先ず、m(式1’)+n(式2’)を計算することで、直線3の式を求める。
m(3x-2y-3)+n(x-4y+4)=0 (式5)
この式5を、式3’と等しくなるように、mとnの値を決める。
式5と式3’を比較し易いように、式5を変形する。
(3m+n)x+(-2m-4n)y+(-3m+4n)=0 (式5’)
一方式3’は以下の式である。
x-y-a=0 (式3’)
式5’が式3’と等しいためには、
3m+n=1    (式6)
-2m-4n=-1 (式7)
 4(式6)+(式7)を計算してnを消去する。
12m-2m=4-1
10m=3
m=3/10 (式8)

2(式6)+3(式7)を計算してmを消去する。
2n-12n=2-3
-10n=-1
n=1/10 (式9)

式8と式9を式5’に代入する。
x-y+(-9+4)/10=0
x-y-5/10=0
x-y-1/2=0
この式が、求める直線3の式3’である。

(注意)この式は、式1’と式2’を加えて得た式5’であるので、式1と式2の直線の交点Kを通る。

(直線4の式の計算)
(3m+n)x+(-2m-4n)y+(-3m+4n)=0 (式5’)
以下の計算では、式5’のmとnを直線4を求めるために定め、先に直線3を求めるときに定めた値とは別の値のmとnを定める。

一方式4’は以下の式である。
x+y-b=0 (式4’)
式5’が式4’と等しいためには、
3m+n=1    (式10)
-2m-4n=1  (式11)
4(式10)+(式11)を計算してnを消去する。
12m-2m=4+1
10m=5
m=5/10=1/2 (式12)

2(式10)+3(式11)を計算してmを消去する。
2n-12n=2+3
-10n=5
n=-5/10=-1/2 (式13)

式12と式13を式5’に代入する。
x+y+(-3-4)/2=0
x+y-7/2=0
この式が、求める直線4の式4’である。

(注意)この式は、式1’と式2’を加えて得た式5’であるので、式1と式2の直線の交点Kを通る。
 

以上の計算で得た以下の式の連立方程式は(式1)と(式2)の連立方程式を変形して求めたので、元の式1と式2の連立方程式と同じ解を与える。
(直線3) x-y-1/2=0 (式3’)
(直線4) x+y-7/2=0 (式4’)
すなわち、上の式の直線3と直線4の交点は、直線1と直線2の交点Kと同じ点である。

リンク:
ベクトルの合成の公式と分解の公式と連立方程式の解
連立方程式をベクトルの内積を使って解釈する
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円(半径r)と直線の交点をベクトルで解く


佐藤の数学教科書「図形と方程式」編の勉強

【問1】座標原点を中心にする半径rの円(x2+y2=r2)と直線ax+by=cとの交点の座標を求めよ。

(予備知識)
受験問題のときは、円と直線の方程式の問題は、図形の方程式をベクトルの式であらわして、図形で考えます。方程式を解いて計算するのは、計算の見通しがあまり良くありません。それに対して、ベクトルを利用した図形の問題を考えることは、計算の見通しを良くするからです。

円の式は、
x2+y2=r2 (式1)
直線の式は、
ax+by=c (式2)

(ベクトルで計算する)
上図のように、線分ABの中点をCとして、
点Aの座標は、ベクトルOCとベクトルCAの和で求める。
点Bの座標は、ベクトルOCとベクトルCB(=-ベクトルCA)の和で求める。

ベクトルOCは、単位ベクトルHに長さOC=sを掛け算して求める。
ベクトルCAは、ベクトルHに垂直な単位ベクトルJに長さCA=tを掛け算して求める。

先ず、上図のようにして、ベクトルOCを求める。

先ず、直線の(式2)ax+by=cを、式のxとyの係数を単位ベクトルHの値に整える。
式2’の左辺の式は、ベクトル(x,y)と単位ベクトルHの内積であらわした式である。
その式は、ベクトル(x,y)の単位ベクトルHの方向への正射影OCの長さをあらわす。
よって、式2’から、
線分OCの長さsは、

である。
よって、ベクトルOCは、
である。
 次に、下図のようにして、ベクトルCAを求める。
線分CAの長さtは、
こうして、sとtが求められ、
ベクトルOA=s(ベクトルH)+t(ベクトルJ)
ベクトルOB=s(ベクトルH)-t(ベクトルJ)
の形で求められ、点Aと点Bの座標が求められた。
この解は、以下の式で、更に具体的に書く。

(なお、複雑な式を新たな記号の式に置き換えるときは、用いる新たな記号は、その値の単位を最小単位にする方が良い。
例えば、記号aやbやrの単位である[長さ]は最小単位であり、一方、記号cの単位である[面積]は、[長さ]の2乗であり、最小単位ではない。
以下の式で、新たに使う記号は、R[長さ]を使うことが望ましい。)

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2011年4月5日火曜日

円と直線の2つの交点から直線の点までの距離の積


佐藤の数学教科書「図形と方程式」編の勉強

【問1】座標原点を中心とする円(x2+y2=5)と点A(3,1)を通る傾きmの直線m(x-3)-(y-1)=0との交点をBとCとすると、AB・ACの値を求めよ。

 (予備知識)
 受験問題のときは、円と直線の方程式の問題は、図形の方程式をベクトルの式であらわして、図形で考えます。方程式を解いて計算するのは、計算の見通しがあまり良くありません。それに対して、ベクトルを利用した図形の問題を考えることは、計算の見通しを良くするからです。

(問題をより易しい問題に変換してから解くこと)
 AB・ACの計算をする前に、図形からわかる限り、問題をかみくだいて易しい問題に変換しておいてから問題を解きます。

 図形の各長さを、とりあえず、r、s、t、u、eと記号化しておき、後でそれらの値を代入するつもりで、
先ずは、AB・ACをそれらの長さであらわして、問題を簡単にしておく。
すると、
AB・AC=(u-t)(u+t)=u2-t2
=(e2-s2)-(r2-s2)
=e2-r2
問題がここまで易しくなります。

次に、この問題のパラメータeとrを代入します。
それらはすぐ分かって、
AB・AC=e2-r2=32+12-5=5

(注意)
 もし、この問題を単純にしてから解こうとしなければ、r、s、t、u、eの値を1つ1つ具体的に解いて計算をするので、計算の手間がかかります。


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2011年4月3日日曜日

円と円の関係(2円の交差)

佐藤の数学教科書「図形と方程式」編の勉強

【問1】2つの円
x2+y2-2ax-2y+1=0 (式1)
x2+y2-2x-2ay+1=0 (式2)
の2つの円が交差する条件をもとめよ。

(予備知識)
受験問題のときは、2円の交差の条件の問題は、2円の2つの交点を通る直線の式を求めた後で、それを図形(図形の位置関係はベクトルで数値化)で考えて、2円の交差の条件を考えます。方程式を解いて計算するのは、計算の見通しがあまり良くありません。それに対して、図形(ベクトル)を利用して考えることは、計算の見通しを良くするからです。

(式1)-(式2)を計算する。
-2ax-2y+1+2x+2ay-1=0
2(1-a)(x-y)=0 (式3)
この直線3と円が交差する条件が、2つの円が交差する条件である。

(図形をより明確に把握するため、円の式を変形する)
式1と式2を変形して、以下の式1’と式2’を得る。
(x-a)2+(y-1)2=a2 (式1’)
(x-1)2+(y-a)2=a2 (式2’)

(想像力を働かせること)
この図形の中心と半径の長さを元に、上のように図形を想像する。
更に、パラメータaが変化するとどうなるかの想像力を働かせて、下図のようなイメージを想像する。

このように、図形を想像して計算の見通しを良くしてから計算する。

上の図から、aが正のある値以上大きくなると、2円は交差する。逆に、aが負のある値以下になると、2円が交差することを想像する。

(計算の開始)
上の図で、円1と傾き1の直線3が交差する条件は、円1の中心と傾き1の直線との間の距離が円の半径|a|以下であることである。
座標原点を通る直線3と円1の中心の間の距離は、直線3に垂直な単位ベクトル(1,-1)/√2と、円1の中心の位置ベクトル(a,1)の内積を計算することで求められる。その値は(a-1)/√2になる。


【補足】
2つの円が交差する条件は以下の図の様に考えることができる。

 点Bを中心とする半径cの円と、点Cを中心とする半径bの円があり、BC=aである。

 この2つの円が交差する条件は、この2つの交点Aが存在する事である。それは、長さaとbとcの辺を持つ三角形ABCが存在する事である。
 それは、2辺の和が残りの辺の長さ以上である事であり、上の3つの式が成り立つ事である。

ここで、上の3つの式のうち2つを1つの式にまとめて、
以下の2つの式にまとめることもできる。
a≧|b−c|,
b+c≧a,
この2つの式のパラメータa,b,cを入れ替えて作った他の2つの式も、条件式として使える。

また、3つのパラメータa,b,cのうちの2つのパラメータの大小関係が予め分かっている場合は、以下の事例の様に、上の3つの条件式の数を2つに減らせる。

(事例1)
b≧c
の場合は、
a+c≧b
ならば、必ず
a+b≧c
になるので、
上の3つの式は:
a+c≧b, すなわち、 a≧b−c,
と、
b+c≧a,
との2つの条件式だけで足りる。

あるいは、
c≧|a−b|,
の1つの条件だけで足りる。

(事例2)
a≧b
の場合は、事例1と同様にして:
c≧a−b,
と、
a+b≧c,
との2つの条件式だけで足りる。

(事例3)
a≧b≧c
の場合は、事例1と2を合わせて:
b+c≧a, または、 c≧a−b, または、 b≧a−c,
だけで足りる。

(事例4)
a≧c, かつ、 b≧c, の場合は:
c≧|a−b|, だけで足りる。

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円と円の関係(2円の交点を通る直線)

佐藤の数学教科書「図形と方程式」編の勉強


【問1】2つの円
x2+y2=1 (式1)
x2-ax+y2-by=c (式2)
の2つの交点を通る直線mをもとめよ。
(予備知識)
受験問題のときは、2円の2つの交点を通る直線の問題は、直線の式を求めた後で、それをベクトルで解釈して、円の中心との距離を考えます。方程式を解いて計算するのは、計算の見通しがあまり良くありません。それに対して、ベクトルを利用した図形の問題を考えることは、計算の見通しを良くするからです。

(式1)-(式2)を計算する。
ax+by=1-c (式3)
この式が、2円の2つの交点を通る直線mの式です。

この直線mの式は2円が交わらないときも得られる式です。
この直線mが円と交わる場合に限り2円が交わります。
そのため、次には、この直線mが円と交わるかどうかを調べます。

(ベクトルを利用した計算技術を使う)
直線mの式3は、下の図のように考えます。
直線mの(式3)の左辺は、ベクトルAと位置ベクトル(x,y)との内積です。
上図のように、この直線mの式を、ベクトルA(a,b)に平行な単位ベクトル(a,b)/√(a2+b2)との内積の式に変形する。

単位ベクトルと位置ベクトル(x,y)の内積は、その直線の座標原点からの距離をあらわすという特別な意味を持つ。
直線mの原点からの距離=(1-c)/√(a2+b2)
である。

この直線が式1の円と交わる条件は、
-1≦(1-c)/√(a2+b2)≦1
である。この条件を変形すると、
-√(a2+b2)≦(1-c)≦√(a2+b2)
これが、直線mが円と交わる条件、すなわち、2円が交点を持つ条件である。

《研究》
 2つの円が(1,1)で接する場合はどうなるかを考える。
x2+y2=1 (式1)
x2-4x+4+y2=1 (式2)
(式1)-(式2)を計算する。
4x-4=0,
x=1,
この式は、2つの円が接する点(1,1)を通る直線である。
 しかし、2つの円が接する点(1,1)を通る直線は、それだけでは無く、
点(1,1)を通る全ての傾きの直線も、2つの円が接する点(1,1)を通る直線である。

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